■ 好調なチーム同士の直接対決J1の2ndステージの第13節。年間順位で4位のガンバ大阪はホームの吹田スタジアムでFC東京と対戦した。2ndステージの優勝争いに絡んでいるG大阪は勝ち点「26」。首位を走る浦和は勝ち点「28」なので「2差」となる。年間成績では3位の鹿島との差が「6」。CSに出場するためには2ndステージを制覇するか、年間順位で3位以内に入る必要があるが、残り5試合となった時点で両方の可能性を残している。
ホームのG大阪は「4-2-3-1」。GK東口。DF米倉、丹羽大、金正也、藤春。MF井手口、今野、倉田、アデミウソン、大森。FW長沢駿。絶好調のFW長沢駿はここ6試合で5ゴールと量産体制に入っており、日本代表入りを期待する声が日増しに高まっている。1つ前の名古屋戦(A)で負傷交代したMF遠藤はベンチスタート。MF井手口とMF今野のWボランチとなった。退団が噂されているFWパトリックがベンチ入り。
対するアウェイのFC東京は「4-2-2-2」。GK秋元。DF室屋、森重、丸山、徳永。MF田邉草、梶山、河野、中島翔。FW東慶悟、前田遼。リオ五輪代表チームで10番を背負ったMF中島翔は急激にチーム内での存在感を増しており、3試合連続スタメンとなった。今シーズンはJ1のリーグ戦では7試合に出場して2ゴールを挙げている。FW平山、FWネイサン・バーンズ、MF高橋秀などがベンチスタートになった。
■ 打ち合いの末に3対3のドロー試合は打ち合いの展開になる。前半13分にFC東京のMF田邉草がミドルシュートを決めて先制に成功するが、直後のプレーでミスパスで失点のきっかけを作ったMF大森がコース隅にミドルシュートを決めて1対1の同点に追いつくと前半18分にはMFアデミウソンの絶妙なスルーパスを受けたDF藤春の折り返しをFW長沢駿が押し込んでG大阪が2対1と逆転に成功する。FW長沢駿は今シーズン9ゴール目となった。
しかしながら直後の前半22分にFW前田遼のポストプレーからMF河野が得意の左足でミドルシュートを決めてFC東京が2対2の同点に追いついた。試合は2対2のままで終盤を迎えるが後半44分にFC東京の左SBのDF徳永がドリブルで仕掛けてからグラウンダーのクロスを入れると途中出場のFW平山が合わせてFC東京が3対2と逆転に成功する。元日本代表のFW平山は今シーズン5ゴール目となった。
1点を追うG大阪は後半46分にゴール前の混戦からMF倉田がヒールでパスを送るとDF米倉が押し込んで3対3の同点に追いついた。「DF米倉の劇的なゴールで3対3の同点に追いついた。」と思われたがDF藤春のゴールと記録された。「ゴール前に残っていたDF藤春が最後に触っている。」という判断が下された。いずれにしても後半のアディショナルタイムにG大阪が同点に追いついてドローに持ち込んだ。
■ 篠田監督になってから復活を遂げたFC東京G大阪は好調で2ndステージの優勝争いに絡んでいるがFC東京もチーム状態はまずまず良い。12節の浦和戦(H)こそ1対3で敗れたが、後半の終盤まで1対0とリードを奪っていた。篠田監督になってから課題だった得点力不足が解消されつつあるが、好調なチーム同士の試合にふさわしい激闘になった。吹田スタジアムには3万人を超える大観衆が集まったが見どころの多いグッドゲームになったと言える。
シュート数はG大阪が9本、FC東京は15本。アウェイのFC東京の方がたくさんのシュートチャンスを作った。ポジションを掴みつつあるMF中島翔はこの日も積極的にシュートを放って1人で6本のシュートを記録した。パスを出してもいい場面でも積極的にシュートを狙うタイプの選手なので「シュートセレクションの悪さ」を指摘されることは多いが距離のあるところからでもシュートを決める力のある選手である。
この日はハリルホジッチ監督が吹田スタジアムに視察に訪れていた。ハリルホジッチ監督は都内に住んでいるのでJリーグを視察するときは関東のスタジアムが大半である。関東以外のスタジアムを訪れるケースはあまり多くないが、同じ日に浦和 vs 広島、川崎F vs 横浜FMといったカードが関東で開催されているにも関わらず、吹田スタジアムを視察先に選んだということはお目当ての選手がいることの証と言える。
FC東京も代表候補がたくさんいるが特に注目しているのはDF室屋とMF中島翔の2人だと考えられる。DF内田篤が長期離脱中のSBはやや人材難で、アタッカーのポジションもコンディション面が心配される海外組が多い。どちらのポジションも頭痛の種になっているが特にDF室屋についてはすでに「右SBとしてフル代表クラスの実力があること」を証明しているので10月の2連戦で招集されても不思議はない。
■ 日に日に高まる代表入りを期待する声一方のG大阪は最後に同点ゴールを奪って追いつけたのは大きいが、他会場で浦和や川崎Fや鹿島が勝利したことを考えると勝ち点「1」にとどまったことで2ndステージ制覇ならびに年間3位以内の可能性がやや低くなった。MF田邉草に先制ゴールを許したが、直後にMF大森とFW長沢駿が連続ゴールを決めてあっさりと逆転に成功した。いい流れになっていたが逆転した約4分後に同点ゴールを決められた。
10月1日(土)に行われる14節はアウェイで浦和との対戦となる。2ndステージの大一番と言える試合なので少なくとも「浦和に勝てば2ndステージの首位に立つ。」という状況で決戦の日を迎えたかったが「4差」に広がった。一歩後退と言わざる得ないが、とにもかくにもアウェイで浦和に勝利して差を縮めたい。昨シーズンのCSの準決勝を含めて最近は埼玉スタジアムで相性がいいのでチャンスはある。
G大阪の中ではFW長沢駿に対する注目度が高まっている。この日もゴールを決めて9ゴール目。節目となる二桁ゴールまであと1つに迫った。FWパトリックの状態が上がらなかったことは今シーズンのG大阪の大きな誤算と言えるが、FWパトリックと比べるとFW長沢駿は運動量が多くて守備面での貢献度が高い。FWパトリックも外国人の大型フォワードの割には動ける選手であるがFW長沢駿はそれ以上である。
公称は192センチ/82キロとなる。日本人のフィールドプレーヤーで190センチを超える選手はJリーグでは数えるほどであるが、FW長沢駿ほど走れる選手は現代のJリーグはもちろんのこと、これまでのJリーグの歴史を振り返ってみてもほぼいなかったと言える。清水ユースの頃から大型フォワードとして有望視されてきたがフル代表入りの大きなチャンスを迎えている。このチャンスをつかみ取りたいところである。
★ 現在の投票数 → 66票
→ 投票したい選手の名前を選択してから左下の「投票」のボタンをクリックしてください。
→ 最大で8人まで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2010/06/06 【ナビスコ:仙台×名古屋】 ユアテックスタジアム初体験記 (生観戦記 #5)
2015/04/23 【名古屋×清水】 ビッグクラブになり得るグランパスだが・・・。(生観戦記) (前編)
2015/04/23 【名古屋×清水】 ビッグクラブになり得るグランパスだが・・・。(生観戦記) (後編)
2016/02/16 【G大阪×名古屋】 吹田スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・上)
2016/02/18 【G大阪×名古屋】 吹田スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・中)
2016/02/19 【G大阪×名古屋】 吹田スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・下)
2016/08/27 【J1】 名古屋グランパスの小倉監督の休養と監督交代ブーストについて
2016/09/13 【J1】 名古屋グランパスが「奇跡の残留」を果たしても不思議は無いと思える3つの理由
2016/09/28 クラブ別エントリー(ベガルタ仙台)
2016/09/28 クラブ別エントリー(名古屋グランパス)
- 関連記事
-