■ 前人未到となる5年連続15ゴール以上はなるか?サガン鳥栖のエースのFW豊田は2ndステージの12節の広島戦(H)が終了した時点で29試合で11ゴールを挙げている。前人未踏となる5年連続15ゴール以上を達成するためには残りの5試合で4ゴール以上を記録する必要があるが残念ながら次の13節の大宮戦(A)は累積警告で出場停止となる。該当するシーンは「イエローカードを出す必要はあったのか?」と思える攻防だっただけに気の毒な出場停止となる。
結局、残り4試合で4ゴール以上を記録する必要がある。残り試合の日程を見ていくと、14節が仙台戦(H)、15節が柏戦(A)、16節が横浜FM戦(H)、17節が甲府戦(A)となるが、当然、固め取りの出来る選手なので可能性はそれなりにある。「1試合で1得点」がノルマになるのでハードルは高いが横浜FM以外の3チームはセットプレーでの失点数が多いチームである。セットプレーは大きなチャンスになるだろう。
メディアで頻繁に報じられているので本人もクラブもチームメイトも「15ゴール」という数字を強く意識していると思うので16節の横浜FM戦(H)や17節の甲府戦(A)あたりになるといつも以上にFW豊田のところにボールが集まってくるはず。二桁ゴールでも途切れさせることなく記録を継続させていくのは大変なことなので15ゴール以上となるとなおさらである。残り試合での新記録達成を期待したいところである。
■ チームの総得点の44.0%がFW豊田のゴールFW豊田は今シーズンも鳥栖の絶対的なエースとしてチームを引っ張っているが、2ndステージの11節の浦和戦(A)が終了した時点でチームの総得点は「25」。これはリーグワースト3となる。21得点の福岡、24得点の湘南に次ぐJ1で3番目の少なさなので今シーズンの鳥栖は得点力不足に苦しんでいるがエースストライカーのFW豊田のゴール数は「11」。チームの総得点の44.0%を彼が1人で稼いでいる。
J1に初昇格した2012年以降の鳥栖の総得点に占めるFW豊田のゴール率を計算してまとめてみると表1のようになる。2012年は39.6%で、2013年は37.0%で、2014年は36.6%だったが、2015年は43.2%で、2016年は44.0%。依存度という点では高くなっている。最近は新加入のFWエル・カビルと2トップを組むケースが多くなっているが、得点の部分でFW豊田の負担を軽減できる選手がなかなか出てこない。
表1. チームの総得点に占めるFW豊田のゴール率 (2012年-2016年)
名前 | チーム | 年度 | 得点数 | チーム総得点 | (%) |
豊田 陽平 | サガン鳥栖 | 2012年 | 19 | 48 | 39.6% |
豊田 陽平 | サガン鳥栖 | 2013年 | 20 | 54 | 37.0% |
豊田 陽平 | サガン鳥栖 | 2014年 | 15 | 41 | 36.6% |
豊田 陽平 | サガン鳥栖 | 2015年 | 16 | 37 | 43.2% |
豊田 陽平 | サガン鳥栖 | 2016年 | 11 | 25 | 44.0% |
■ 50%を超えるとJリーグ史上4人目の大記録今シーズンのFW豊田の44.0%というのはかなり高い数字と言えるが、Jリーグの歴史(1993年-2016年)を振り返ってみても歴代で10番目の数字となる。「11/25」なので最終的に50%以上になる可能性がある。(※ 直近の広島戦(H)は2対3で敗れたがゴールを決めたのはDF谷口博とMF金民友の2人でFW豊田はノーゴール。今の時点ではこの数字は少し下がって40.7%になっているが、依然として高い数字である。)
50%を超えるようだとJリーグ史上4人目となる。過去最高は2001年のFWウィル(札幌)で55.8%。チームの総得点は「43」だったが、エースのFWウィルは1人で24ゴールを記録している。2位は2005年のFWワシントン(東京V)。チームの総得点は「40」だったが1人で22ゴールを挙げている。日本人では1997年のFW永島(神戸)。チームの総得点は「43」だったが、1人で22ゴールをマークしてチームを引っ張った。
チーム全体のことを考えると得点者がある程度はバラついていた方が都合は良い。怪我や出場停止や移籍によって絶対的な得点源が不在となることは十分に考えられるので大きなリスクと言えるが、個人にスポットを当てて考えると「最終的には○○にボールが集まってくる。」ということが味方も敵も全員が分かっている状況。こういうタフな環境の中でゴールを決め続けるというのは並大抵のことではない。
表2. チームの総得点に占める得点率のランキング (1993年-2016年)
順位 | 名前 | 年度 | チーム総得点 | 得点数 | (%) |
1 | ウィル | 2001年 | 43 | 24 | 55.8% |
2 | ワシントン | 2005年 | 40 | 22 | 55.0% |
3 | 永島 昭浩 | 1997年 | 43 | 22 | 51.2% |
4 | 川又 堅碁 | 2013年 | 48 | 23 | 47.9% |
5 | ディアス | 1993年 | 60 | 28 | 46.7% |
6 | マルコス | 2002年 | 40 | 18 | 45.0% |
7 | ウェズレイ | 2003年 | 49 | 22 | 44.9% |
8 | 前田 遼一 | 2010年 | 38 | 17 | 44.7% |
9 | ダヴィ | 2008年 | 36 | 16 | 44.4% |
10 | 豊田陽平 | 2016年 | 25 | 11 | 44.0% |
11 | 高崎 寛之 | 2014年 | 16 | 7 | 43.8% |
12 | 三浦 知良 | 2000年 | 39 | 17 | 43.6% |
13 | オッツェ | 1994年 | 69 | 30 | 43.5% |
14 | 豊田 陽平 | 2015年 | 37 | 16 | 43.2% |
15 | 崔 龍洙 | 2002年 | 38 | 16 | 42.1% |
16 | ディエゴ | 2015年 | 24 | 10 | 41.7% |
17 | バロン | 1999年 | 41 | 17 | 41.5% |
18 | 福田 正博 | 1997年 | 51 | 21 | 41.2% |
19 | マグノ アウベス | 2005年 | 44 | 18 | 40.9% |
20 | ウェズレイ | 2002年 | 49 | 20 | 40.8% |
21 | アレッサンドロ | 2008年 | 32 | 13 | 40.6% |
22 | ハーフナー マイク | 2011年 | 42 | 17 | 40.5% |
23 | アラウージョ | 2005年 | 82 | 33 | 40.2% |
24 | 前田 遼一 | 2009年 | 50 | 20 | 40.0% |
24 | 大久保 嘉人 | 2013年 | 65 | 26 | 40.0% |
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