■ 約1/3のゴールはセットプレーからJ1は2ndステージの第11節が終了した時点で合計で645ゴールが生まれているがそのうちの214ゴールがセットプレーによる得点となのでパーセンテージは33.2%となる。一方、J2は30節が終了した時点で790ゴールが生まれているが、そのうちの289ゴールがセットプレーから生まれているのでパーセンテージは36.6%となる。なので『Jリーグでは約1/3のゴールはセットプレーから生まれる。』と言える。
表1. J1とJ2の比較 (総得点とセットプレー)
カテゴリー | 総得点 | セットプレーでの得点 | (%) |
J1 | 645 | 214 | 33.2% |
J2 | 790 | 289 | 36.6% |
■ 最多は横浜Fマリノスで17得点表2はJ1の18クラブのクラブ別のセットプレーからのゴール数を示している。最多は横浜FMで17得点となる。伝統的にセットプレーの強いチームであるが今シーズンもセットプレーの強さは健在である。大黒柱のMF中村俊が今シーズンは怪我がちで満足にプレーできない時期が長くなっているがそれでもセットプレーの威力はそこまで落ちていない。DF中澤やDFファビオやDF栗原といったCB陣は空中戦に強い。
2位はG大阪と川崎Fと神戸と柏で15得点。G大阪はMF遠藤、川崎FはMF中村憲というプレイスキックのスペシャリストがいるのは大きな強みになっている。G大阪は1stステージはアウグスブルクに移籍したMF宇佐美がキッカーを務めることが多かったが、現段階ではMF遠藤の方が質の高いボールを蹴ることができる。2ndステージに入ってからはMF遠藤のキックからゴールが生まれる場面が多くなっている。
神戸はオフにキッカーのMFチョン・ウヨンが抜けたが鳥栖からMF藤田直を獲得。不動のレギュラーというわけではないが精度の高いキックは武器になっている。柏には何と言ってもMFクリスティアーノがいる。今夏に甲府から古巣の柏に復帰したがすでに彼のキックから多くのゴールが生まれている。MFクリスティアーノは高さもあるのでセットプレーのときはターゲットになることもできる。存在感は抜群である。
逆にセットプレーからの得点が少ないのは鹿島・湘南・鳥栖・名古屋・甲府あたり。J1屈指の高さを誇る名古屋は1stステージはそれなりにセットプレーからゴールを奪っていたが2ndステージに入ってからは11試合で4得点のみと得点がほとんど取れておらず、セットプレーの機会を得ること自体が激減している。199センチのFWシモビッチのゴールも止まっており、高さを生かせないもどかしい試合が多くなっている。
表2. J1の全18クラブのクラブ別のセットプレーからのゴール数
クラブ名 | 得点 |
総得点 | セットプレー | 順位 |
横浜F・マリノス | 39 | 17 | 1 |
ガンバ大阪 | 39 | 15 | 2 |
川崎フロンターレ | 58 | 15 | 2 |
ヴィッセル神戸 | 44 | 15 | 2 |
柏レイソル | 43 | 15 | 2 |
ジュビロ磐田 | 34 | 13 | 6 |
大宮アルディージャ | 29 | 12 | 7 |
浦和レッズ | 47 | 11 | 8 |
サンフレッチェ広島 | 50 | 11 | 8 |
FC東京 | 30 | 11 | 8 |
アルビレックス新潟 | 28 | 11 | 8 |
アビスパ福岡 | 21 | 11 | 8 |
ベガルタ仙台 | 31 | 11 | 8 |
鹿島アントラーズ | 46 | 10 | 14 |
湘南ベルマーレ | 24 | 10 | 14 |
サガン鳥栖 | 25 | 9 | 16 |
名古屋グランパス | 28 | 9 | 16 |
ヴァンフォーレ甲府 | 29 | 8 | 18 |
■ 率のワーストは意外にも鹿島アントラーズ最後の表3は「セットプレーでの得点率」のランキングである。1位福岡で52.4%、2位は横浜FMで43.6%、3位は湘南で41.7%、4位は大宮で41.4%となる。ここまでの4チームが40%を超えているが、「21得点中11得点がセットプレーからのゴール」という福岡が飛び抜けている゚。流れの中から点が取れていないことを示す数字でもあるが、MF末吉→FWウェリントンのラインが一番の得点源になっている。
反対にパーセンテージが低いのは甲府・川崎F・浦和・広島・鹿島となる。川崎Fや浦和や広島や鹿島は総得点はリーグ屈指なので流れの中から多くのゴールを生み出している。セットプレーでの得点率の低さは大きな問題とは言えないが、それでもCKやFKなどセットプレーの機会を得ることが多いチームなのでセットプレーでの得点が増えてくると今以上に楽な試合に待ち込める試合が増えていくだろう。
対して甲府は総得点自体が少ないチームなので「セットプレーからの得点をもっと増やさなければいけない。」と言えるが、少し前のエントリーで記述したとおり、CKを獲得する機会が極めて少ない。おそらくはCKやFKがゴールに結びついた確率は決して低くないと思うが当然のことながらセットプレーの機会が増えてこないとセットプレーからの得点数は伸びてこない。甲府については別の問題を抱えているといえる。
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クラブ名 | 得点 |
総得点 | セットプレー | 順位 | (%) | 順位 |
アビスパ福岡 | 21 | 11 | 8 | 52.4% | 1 |
横浜F・マリノス | 39 | 17 | 1 | 43.6% | 2 |
湘南ベルマーレ | 24 | 10 | 14 | 41.7% | 3 |
大宮アルディージャ | 29 | 12 | 7 | 41.4% | 4 |
アルビレックス新潟 | 28 | 11 | 8 | 39.3% | 5 |
ガンバ大阪 | 39 | 15 | 2 | 38.5% | 6 |
ジュビロ磐田 | 34 | 13 | 6 | 38.2% | 7 |
FC東京 | 30 | 11 | 8 | 36.7% | 8 |
サガン鳥栖 | 25 | 9 | 16 | 36.0% | 9 |
ベガルタ仙台 | 31 | 11 | 8 | 35.5% | 10 |
柏レイソル | 43 | 15 | 2 | 34.9% | 11 |
ヴィッセル神戸 | 44 | 15 | 2 | 34.1% | 12 |
名古屋グランパス | 28 | 9 | 16 | 32.1% | 13 |
ヴァンフォーレ甲府 | 29 | 8 | 18 | 27.6% | 14 |
川崎フロンターレ | 58 | 15 | 2 | 25.9% | 15 |
浦和レッズ | 47 | 11 | 8 | 23.4% | 16 |
サンフレッチェ広島 | 50 | 11 | 8 | 22.0% | 17 |
鹿島アントラーズ | 46 | 10 | 14 | 21.7% | 18 |
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