ジュビロ磐田 → 2013年以来のJ1復帰を果たした磐田の1stステージは6勝6敗5分けとイーブンの成績だった。名波監督は『まずは(少しでも早く)勝ち点「40」に到達すること。』を目標に掲げて戦っているが半分の段階で勝ち点「23」というのはまずまずのペースである。14節の川崎F戦(A)から3試合連続無得点。0勝2敗1分けと苦しんだが1stステージの最終節は4連勝中と好調だった仙台に3対0で快勝。この勝利は大きかった。
2015年のJ2の得点王であるFWジェイは7試合で6ゴール。高い得点力はJ1でもトップクラスと言えるが怪我の影響等もあって欠場する試合が多かった。さらには守護神のGKカミンスキーも12節以降は怪我のため欠場が続いている。2人を欠いた影響は小さくなかったが代わりに1トップに入ることが増えたFWアダイウトンや高卒2年目のGK志村などが奮闘。チーム全体で2人の穴をカバーしてダメージを最小限に抑えた。
特にGK志村の活躍は大きかった。2番手キーパーのGK八田も同時期に離脱したので「鳥栖から加入したGK奥田を起用するのか?20歳になったばかりのGK志村を起用するのか?」という厳しい二択を迫られたが名波監督は後者をチョイス。J1デビュー戦となった15節のFC東京戦(H)はファインセーブを連発してスコアレスドローに大きく貢献すると17節の仙台戦(H)では安定したプレーを見せて3対0の勝利に貢献した。
17試合で21得点/23失点。やや失点数が多いが昇格1年目であることを考えるとまずまずの数字を残している。FWジェイがチーム最多の6ゴールを記録しており、FWアダイウトンとMF小林祐が4ゴール、MF太田吉が3ゴールを奪っている。大半のゴールはこの4人のいずれかが決めているが、MF小林祐に関しては日本代表に初招集されたことで注目度が劇的にアップ。クラブに明るい話題を提供している。
強い向上心を持つMF小林祐に対してはヘーレンフェーン・オスマントルコ・カスムパシャといったクラブが関心を寄せている。移籍先候補として名前が挙がっているクラブの顔ぶれを見る限りでは「まだ欧州での評価はそれほど高くない。」と言えるが欧州志向の強い選手なので近い将来の欧州移籍が十分に考えられる状況になってきている。チームの顔になり始めているので出来ることならば流出は避けたいところである。
日本代表に初召集されたこともあって磐田の夏の移籍市場はMF小林祐に話題が集中しているが5月18日(水)にギリシャ代表経験のあるDFパパドプーロスの加入が発表されている。16節の湘南戦(A)でJ1デビューを飾ったが激しい守備が出来る選手である。攻撃力もありそうなので「非常にいい補強が出来た。」と言える。CBは量的にも質的にも物足りない状態だったが彼の加入によって状況はやや良くなった。