横浜FC→ 横浜FCは慌しいシーズンになっている。昨シーズンの途中に健康上の問題で監督の座を退いたミロシュ・ルス監督を再招聘したが3月17日(木)から検査入院のため4節と5節は増田ヘッドコーチが暫定的に指揮を執った。6節の金沢戦(A)からミロシュ・ルス監督は現場復帰したが6月6日(月)に不整脈症状の検査及び治療のためスロベニアに一時帰国。結局、6月15日(水)にミロシュ・ルス監督の辞任が発表された。
健康上の問題とは言っても昨オフに否定的な声が多かった中、ミロシュ・ルス監督の再招聘にこだわったことに関しては批判されても仕方がないだろう。後任として中田仁司強化育成テクニカルダイレクターが監督に就任したが昨シーズンに続く2年連続でのシーズン途中の監督就任となった。(GMや強化部長など呼び方はクラブによって様々であるが)強化を担当する人が現場の監督に就任するのは最後の手段である。
クラブにとって良いこととは言えないが現状は20節終了時点で6勝8敗5分け。開幕3連敗スタートだったことを考えると持ち直してきたことに関しては評価できる。監督のことでいろいろと落ち着かなかった時期が含まれる13節から19節までの7試合は0勝4敗3分けと白星から遠ざかったが20節の町田戦(H)は途中出場したFW大久保哲哉が決勝ゴールをマーク。1対0で勝利して8試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した。
熊本地震の影響で1試合消化が少ない中、19試合で20得点/20失点。2015年はリーグワースト3位となる42試合/58失点だったことを考えると失点数は減っている。直近の町田戦(H)はベテランのGK南が15試合ぶりにスタメン起用されたが21歳のGK渋谷が成長してGK南を押しのけてスタメン出場が続いた。守備の要だったDF野上は今シーズンは怪我もあってイマイチであるが新加入のDF西河は存在感を発揮している。
横浜FCユース出身で大学卒業後はアメリカに渡って2部リーグでプレーしていた新加入のDF大崎玲がここに来てレギュラーのCBに定着。187センチの体格を生かしたプレーはインパクトがある。攻撃陣は期待の星であるユース出身のMF小野瀬が17試合で3ゴール3アシスト。2列目のレギュラーに定着している。そして大卒3年目のMF野村直もレギュラーに定着して2ゴールを挙げるなど若い選手の活躍が目立っている。
これまでの横浜FCは49歳のFW三浦知に象徴されるようにベテラン中心のチーム構成だったがGK渋谷、DF大崎玲、MF小野瀬、MF野村直と生え抜きあるいはユース出身の活きのいい若手が出てきた。スタメンの平均年齢はかなり下がっており、辛抱してミロシュ・ルス監督が若い選手にチャンスを与えてきたことが身を結びつつある。特に攻撃的なポジションに若手が起用されるようになったのでフレッシュさが出てきた。