京都サンガと横浜FCでプレーした、FWアレモン(カルロス・アドリアーノ・デ・ジーサス・ソアレス)が、交通事故で亡くなった。繊細なテクニックとダイナミックなプレーが同居するセンターフォワードで、2年連続でチームをJ2優勝に導いた立役者だった。
特に、昨シーズンの横浜FCでのプレーぶりは、神がかり的で、チーム史上初めて、チームをJ1に導いた、まぎれもないヒーローだった。特に、J1昇格を争っていた第47節の柏レイソル戦での活躍を、忘れることはできない。
両チームが力の限りを尽くして、3対3というスコアに終わったこの柏レイソルと横浜FCの試合は、2006年のJリーグのハイライトであり、J2史に残る死闘だった。1対3と2点のリードを許した横浜FCは、後半37分と後半39分のアレモンの2つのゴールで、追いついた。
結局、横浜FCとは、金銭的な問題もあって、再契約に至らなかったが、個人的には、かつてのFWベンチーニョのように、長く日本とかかわりをもって、キャリアを歩んでくれることを期待していただけに、信じられない気持ちでいっぱいである。
横浜FCの選手たちは、アレモンとともにつかんだJ1の舞台を、なんとしてでも死守しなければならないし、京都サンガの選手たちは、天国のアレモンのためにも、来シーズン、再び、J1へ舞い戻らなければならない。
誰からも愛された、才能溢れるフットボーラーが、この世を去った。これ以上、悲しく、せつない夜はない。
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