7位 : ファジアーノ岡山 1勝0敗2分け 5得点/4失点→ 長澤監督になって2年目の岡山はここまで1勝2分け。開幕戦は昇格組の山口と対戦して1対1のドロー。2節は自動昇格候補の千葉を相手にMF押谷が2ゴールを挙げてホームで2対1で勝利すると、3節は激闘の末に京都と2対2のドロー。京都戦(H)はMF豊川のゴールで2対1と逆転した後に相手に退場者が出たので圧倒的に有利な状況になったが逃げ切りに失敗した。3節の京都戦(H)は非常に勿体ない試合だった。
それでも難敵が続いた中での1勝2分けという結果はまずまずである。ポジティブに考えられるのは攻撃陣。オフにFW赤嶺とMF豊川を獲得したが、FW赤嶺は攻撃の軸になっており、MF豊川はスーパーサブ的な存在になっている。FW赤嶺、MF伊藤大、MF押谷、MF豊川、FW久保裕あたりで「1トップ+2シャドー」のポジション争いが行われており、エースのMF押谷や五輪代表のMF豊川がベンチに回ることもある。
岡山は2015年シーズンは42試合で40得点/35失点。失点数はリーグ3番目の少なさだったが得点力が不足していた。J2の多くのチームと同様で「課題は得点力アップ」と言えたが、FW赤嶺とMF豊川の加入によって攻撃的なポジションのクオリティは格段に増した。MF矢島慎をボランチ、MF片山瑛を左WBで起用しているので中盤から前目のポジションは攻撃的な選手が多くなっており、攻撃力アップに成功した。
もともとGK中林とDF岩政を中心とした守備陣は一定以上のクオリティーがあったので攻撃力アップに成功した岡山は上位を狙えるメンバー構成になっている。中でも期待したいのはFW赤嶺。ここまで3試合で0ゴール1アシスト。ゴールは生まれていないがポストプレーもできる選手でゴール前での得点感覚は抜群。中央に待っているだけで相手の脅威になれる選手である。15ゴール程度は期待したいところ。
U-23アジア選手権の準々決勝のイラン戦の延長戦の前半6分に先制ゴールを決めたことで注目度が一気に高まったMF豊川は開幕の山口戦(A)は先発出場。2節以降はベンチスタートになっているが動き自体はかなり良い。ホームのサポーターからは大声援を受けており観衆の声に後押しされて好プレーを続けている。「本大会のメンバーに選ばれるのか?」は当落線上であるがJ2では違いを生み出すことができる選手である。
8位 : コンサドーレ札幌 1勝1敗1分け 5得点/2失点→ 四方田監督が続投となった札幌はここまで1勝1敗1分け。東京Vとの開幕戦(A)は終盤に決勝ゴールを許して0対1で敗れたが、2節のFC岐阜戦(A)は前半だけでFW都倉がハットトリックを記録するなど4対0で完勝。初勝利を挙げたが、ホーム開幕戦となった3節の愛媛FC戦(H)は1対1のドロー。前半41分にFWジュリーニョのゴールで先制に成功したが、後半に守備陣の連係ミスから同点ゴールを奪われた。
ここまでの選手起用を見ると外国籍選手ならびに日本人のベテラン選手の優先順位が高くなっている。東京Vとの開幕戦のスタメン11人の平均年齢は29.63歳。この数字は29.73歳だった横浜FCに次いでJ1とJ2の計40クラブの中で2番に高かった。MF小野伸、MF稲本、DF河合、DF増川といった35歳以上の選手が多くスタメンに名を連ねたことが理由と言えるが、四方田監督は開幕戦は経験のある選手を抜擢した。
ただ、MF小野伸とMF稲本は怪我をして2節以降は欠場中。MF深井一やMF上里がスタメンで起用されるようになって、CBもDF増川ではなくてDF福森晃の優先順位が高くなったこともあって2節以降は平均年齢がガクッと下がった。3節の愛媛FC戦(H)のスタメン11人の平均年齢は26.55歳。ベテランになると怪我が多くなって回復にも時間がかかるのでMF小野伸やMF稲本らベテランに頼り過ぎるのは危険である。
エースのFW都倉は3試合で3ゴール1アシスト。2節のFC岐阜戦(A)のハットトリックは圧巻だった。アタッカーの駒は豊富なので「FW都倉と誰を組ませるのか?」が注目点となるが現状ではFWジュリーニョが2トップの一角で起用されている。加入当初はサイドアタッカーと言われており「左WBのレギュラー候補」だと思われていたので意外な起用法だったが、3節の愛媛FC戦(H)で先制ゴールを決めるなど悪くない。
+αの活躍を期待したいのは右WBで起用されているMFマセード。スピードと技術を持ったサイドアタッカーで前評判は高かったが「違い」を見せる場面はニューイヤーカップの頃からほとんどない。出来が悪いというわけではないが『もう少しできるのでは?』という印象。悪童ということで注目されている新外国籍選手のFWヘイスはここまで途中出場で2試合に出場しているが現状は体が重そうで光るプレーはない。
19位 : 水戸ホーリーホック 0勝1敗2分け 1得点/2失点→ 水戸はここまで0勝1敗2分け。開幕の京都戦(A)は後半28分にFW三島康が同点ゴールを奪って1対1のドロー。ホーム開幕戦となった2節のC大阪戦(H)は前半終了間際にMF柿谷に決勝ゴールを許して0対1で惜敗。3節の金沢戦(A)はスコアレスドロー。開幕戦が昇格候補の京都とのアウェイ戦で2節のホームゲームが強豪のC大阪戦だったことを考えると決して悪い成績ではないがまだ勝利を手にしていない。
オフにMF岩尾、MF馬場、DF新里、DF田中雄、MF鈴木雄などが揃って退団。メンバーが大幅に入れ替わったがその割にはチーム状態は悪くない。2012年以来の復帰となるMFロメロ・フランクは多くのシュートチャンスに絡んでおりベテランのMF兵働もアクセントになっている。将来性という点では退団した選手と比べると見劣りするが計算できる経験豊富な選手が多くなったことはプラスに作用するだろう。
補強の目玉の1人だったベトナム人のFWグエン・コンフォンはU-23アジア選手権のときに負った怪我の影響で欠場中。『復帰時期は4月あたり』と言われている。「ベトナムのメッシ」という異名を持つが突破力やパスセンスはU-23アジア選手権でも際立っていた。彼のようなドリブルで果敢に仕掛けることができるタイプは栃木SCから加入したMF湯澤くらい。日本のサッカーに慣れたらある程度の活躍は期待できる。
MF兵働やFW佐藤和やMFロメロ・フランクなどを獲得して最低限の穴埋めには成功した攻撃陣と比較すると守備陣が不安いっぱいだったがここまでは3試合で2失点のみ。右SBはDF佐藤祥、CBはDF伊藤槙とDF宋株熏、左SBはDF佐藤和が起用されているので全員が「Jリーグでの実績はほとんど無い。」と言える若手選手たちで構成されているがいずれの選手も健闘している。守備陣の頑張りは称賛に値する。
右SBのDF佐藤祥は本来はボランチの選手なので慣れたポジションではないが高いボール奪取力と縦への推進力でチームに貢献している。左SBのDF佐藤和も名古屋ではほとんど出番がなかったが持ち前の左足のキックを武器にポジションを確保している。CBのDF伊藤槙も千葉では1試合の出場にとどまったが183センチの高さを生かした空中戦で存在感を発揮している。DF宋株熏とDF伊藤槙のCBコンビは空中戦に強い。
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