■ Jリーグの折り返し点上位進出を狙う、ヴィッセル神戸とサンフレッチェ広島の対戦。神戸は、三浦淳の問題が表面化したあと、チームは失速気味。<4-4-2>で、レアンドロと近藤の2トップ。
対する、広島は、<3-5-2>。スタメンは完全に固定された感があり、この日は、ベストメンバーといえる布陣である。
■ キレキレの駒野前半は、完全に広島が主導権を握る。右サイドからキレキレの駒野を起点に、ゴールを脅かす。先制点は、前半21分。MF柏木のゴールで先制する。神戸は、全体的に低調で、ほとんどチャンスを作れなかった。
後半に入ると、神戸は、息を吹き返す。後半3分に、MF大久保の突破からゴール前でFKを得ると、MFボッティが直接決めて同点に追いつく。その後、後半23分に、広島は、MF駒野のクロスをFWウェズレイが合わせて勝ち越すが、神戸も、後半37分に、MF朴のシュートで同点に追いつく。
2対2で終了かと思えたロスタイムに、神戸が劇的な勝ち越しゴールを奪う。MF大久保の突破から、PKをゲット。大久保が自ら決めて、逆転。神戸が、久々の勝利を手にした。
■ 躍動する柏木広島では、この試合を最後に、ユース代表に合流するMF柏木のプレーが光った。ユース代表では、完全な中心人物で、すでに日本代表候補合宿にも呼ばれた経験をもつが、所属のサンフレッチェ広島で、これだけのパフォーマンスを見せたことはなかったのではないかと思う。
下がってきてのゲームメーク、前線への果敢な飛び出し、忠実な守備と、現代の攻撃的MFに要求されるタスクを全て、高次元でこなし、なおかつ、ファンタスティックな左足から華麗なゴールを生み出した。文句のつけようのない出来で、カナダでのワールドユースに向けて、弾みがついた。
ウェズレイや佐藤寿人ら、タレントが集まりつつあるサンフレッチェだが、上位進出を狙うには、現時点では、まだ物足りない。資金力のあるチームではないので、若手の底上げが必要不可欠であるが、その中でも、ワンランク上の段階に進むには、「柏木の成長待ち」の部分が大きい。それだけに、期待通りに成長を続ける姿に、サンフレッチェ広島の輝く未来が想像できた。
■ 圧巻の駒野開幕からコンスタントな活躍を続けるMF駒野だが、この試合でも、ハイパフォーマンスを見せた。特に、ニアーサイドへの鋭いアーリークロスは絶品であり、この日も、たくさんのチャンスを作った。
当然、アジアカップの日本代表でも、中心として期待されるが、やはり、左サイドではなく、本職の右サイドでプレーする姿を見たいところだ。
■ 不調を極める佐藤寿人好調に見える広島の攻撃陣だが、唯一、FW佐藤寿人の調子は、どん底。この試合では、3度ほどあった、決定的なシュートを外して、戦犯となった。
ストライカーなので、チャンスに絡んでいることは評価できるが、本来の寿人は、おそろしいまでの冷静さと、正確なシュート技術を駆使して、決定力が極めて高い選手である。これほどまでに、チャンスを逃し続ける佐藤寿人は、記憶にない。
アジアカップが近づいてきて、23人枠を巡る戦いが始まっているが、ライバルのFW播戸が調子を上げてきており、佐藤の調子が上がってこないようだと、日本代表からの落選も十分に考えられる。
■ 劇的なゴールを挙げた大久保2対2で迎えたロスタイムに、自らの突破からPKを獲得し、さらには、落ち着いてゴールに突き刺した大久保。これで、今シーズン9得点目となった。切羽詰った状況になればなるほど、力を発揮する大久保のようなタイプは、心強いだろう。
三浦選手の問題から、急下降していたチームだが、この試合で勝ち点3を獲得できたことは、非常に大きい。嫌な流れをふり払うには、インパクトのある勝利となった。
■ 何故、代表に呼ばれないのか?日本人得点王の大久保については、何故、日本代表に呼ばれないのか、という意見が多いが、ここ最近の試合を見る限り、その理由は、いくつか見当たる。
オシム監督は、「本来のポジション(FW)でプレーする機会が少ないから。」という理由を挙げていたようだが、大久保について、ボクが、一番感じるのは、仕掛けの段階で、すべてのプレーを自らが主体で行うとする傾向が強いことである。その気持ちは、ストライカーとしては、必要な要素のひとつではあるが、大久保の場合は、過剰に持ちすぎている気がする。オフ・ザ・ボールでの貢献の薄さも、気になる部分である。
すべての攻撃に、自分が絡んで、ゴールを奪おうとすると、相手のマークが集中しやすい。結果として、攻撃にスピード感が生まれにくくなっていて、攻撃がスムーズにいかない要因になっている。症状としては、3月のペルー戦の中村俊輔と同様である。能力が高いが故の問題ではあるが、世界と戦うためには、そして、大久保自身が、もうワンランク上の選手になるためには、改善していかなければならない課題である。
運動量もあって、テクニックもあって、気持ちの強い選手なので、オシム監督も、十分にチェックをしているはずである。この間の記者会見で、「代表を外れた選手にも、それぞれに理由があって、ジャーナリストならば、その理由が分かるだろう。」と語っていたが、大久保に対しては、得点数を評価してはいるものの、それ以外の部分での物足りなさも感じている、というのが、オシム監督の心の中ではないかと想像する。
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