■ 初めてのうまかな・よかなスタジアム熊本市の人口は約73万人。これは九州の中では約146万の福岡市と約97万人の北九州市に次いで3番目の多さとなる。熊本に県内初のJリーグクラブであるロアッソ熊本が誕生したのは2008年のこと。1969年に創部された日本電信電話公社熊本サッカー部(※ 2001年にアルエット熊本と名称が変更された。)が母体となったクラブである。NTTグループ内のサッカー部にルーツがあるのは大宮アルディージャと同じである。
熊本県に行くのは高校のとき修学旅行で行って以来。なので数十年ぶり。このときは阿蘇山に行った記憶がある。(※ 修学旅行先は九州一帯。大宰府・吉野ヶ里遺跡・長崎の平和公園・阿蘇山など九州の主だった観光地に行った。)阿蘇山の雄大さに驚いたことは今でも強く印象に残っているが、本当に久々となる熊本訪問となった。ちなみに家からの距離は約600キロ。ここ最近では珍しいほどのハードな長旅となった。
#1 ベストアメニティスタジアム (JR鳥栖駅前)

#2 かしわうどん (@鳥栖駅)

#3 あたりの景色 (熊本市付近)
■ 所要時間は片道で15時間56分青春18きっぷの季節なので今回はこれを利用する。調べたところ、最寄り駅を6時7分に出発する普通電車に乗ると22時3分に熊本駅に到着する。所要時間は実に15時間56分。ちなみに普通電車オンリーで熊本を目指したときの通常の料金は11,660円で、新幹線(自由席)を利用すると19,830円。それが青春18きっぷを使うと1日あたりの電車代が2,370円となるのでお買い得感がある。(消費税8%の影響で少し高くなった。)
熊本で有名なのは何と言ってもくまモン。観光地では阿蘇山や熊本城や天草などが有名で、馬肉やからし蓮根などが名物となる。特産品や観光スポットは多い。熊本 vs 札幌の試合が行われるうまかな・よかなスタジアムに行く前に「どこに寄り道をしようか?」と思ったが選択肢が多いので非常に迷った。「やっぱり阿蘇山は外せないだろう。」と思ったが、「せっかくの機会なので天草にも行きたい。」と考えた。
ただ、残念ながら阿蘇山は噴火警戒レベルが高くなっているため、現在は河口付近への立ち入りが制限されている状況だという。「ならば天草に行こう。」と思った。何と言っても天草四郎が有名であるが、調べてみると天草はちょっと遠い。熊本駅から西にある三角駅まで電車で行って港から船に乗ることになるが、これは時間的にかなり厳しい。なので、熊本市の少し手前にある荒尾市の万田坑に行くことに決めた。
#4 JR荒尾駅のホーム

#5 祝・世界遺産登録
■ 世界遺産に登録されたばかりの万田坑万田坑は1か月半ほど前の7月上旬に正式登録が認められた「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の1つである。JR荒尾駅からバスで約10分ほどのところにある。(※ 荒尾駅と熊本駅までは普通電車で45分ほど。)江戸時代から石炭の採掘が行われていたが、明治時代に入って採掘作業が本格化した。日本の近代化を支えてきたが時代の流れには逆らえず。1997年3月30日に閉山となった。
「当時の建物や機械類が良好な状態で保存されている。」というのが万田坑の大きな特徴だという。ご存じのとおり、「いくつかの施設で少なくない数の朝鮮人が徴用されて多くの犠牲者を出した。」という理由から国を挙げてこれらの施設が世界遺産に登録されることに対して猛反対した国があった。万田坑の関係者のみならず、ヤキモキした人は多かったと思うが、無事に世界遺産への登録が認められた。
確かにこれらの施設のいくつかは「日本の近代化に大きく貢献した。」というポジティブな部分だけでなく、「過酷な労働環境で多くの尊い命が事故等によって失われた。」というネガティブな一面があるのは間違いないところである。現代人の感覚ではありえないような過酷な環境だったことは明らかである。実際に万田坑でも何度か大きな事故が発生しており、数百人の命が一気に失われたという大惨事も起きている。
当然のことながらそういった負の部分から目を背けることは良くないが、実際に現場を見るとポジティブな面よりもネガティブな面の方がダイレクトに見えてくる。わざわざ言われなくても、詳細な説明を受けなくても、多くの人は当時の状況や事情を察することができるだろう。特定の国によって政治的な駆け引きの道具の1つにされてしまったのは残念であるが、いろいろなことを考えさせられる興味深いところだった。
#6 万田坑ステーション

#7 万田坑の入口

#8 第二竪坑の巻揚機室

#9 第二竪坑の巻揚機室 (内部)

#10 周辺の様子

#11 石炭
■ シャトルバスでスタジアムへ・・・。万田坑を見学した後、熊本 vs 札幌が行われるうまかな・よかなスタジアムに向かうが、スタジアムは熊本市の東部にある。熊本駅ならびに光の森駅からシャトルバスが出ているが、熊本駅からはバスで約50分で、光の森駅からはバスで約10分。(※ 光の森駅は熊本駅から東へ8つ。普通電車では25分ほど。)どういうルートを選んだとしても熊本駅前からは1時間弱はかかる。アクセスがいいとは言えないだろう。
初めて熊本県に行ったときは阿蘇観光が主目的だった。(※ 阿蘇山は熊本県の東部で、熊本市からはかなり離れたところにある。)このときに熊本市に立ち寄った記憶はないので、おそらく、熊本市に行くのは初めてだったが、想像していた以上に大きな街だった。地方になると県庁所在地であっても「こじんまりとした街である。」というパターンは多いが、熊本市は思っていた以上に大きな街で相当な活気があった。
熊本駅からシャトルバスに乗ることもできるし、光の森駅からシャトルバスに乗ることもできるが、今回は青春18きっぷを利用して熊本まで来ている。できる限り、JRの普通電車を利用して近くまで行って最後にバスを利用したほうが金銭的にはお得である。熊本駅から九州を横断する大分方面の普通電車に乗って光の森駅に向かった。光の森駅は2006年3月18日に開業されているのでかなり新しい駅のようだ。
光の森駅からシャトルバスを利用すると片道は210円。スタジアムの周辺には駐車場があって自家用車できている人の割合も高い模様。お客さんのルートが分散されるのでバスの中は快適だった。今後、安定して万単位のお客さんを集めることができるようになったとしても対応はできそうだ。バスの外装とバスの内装のどちらもが「ロアッソ仕様」になっている。地味なことであるが、こういうのはポイントが高い。
#13 JR光の森駅

#14 シャトルバス (片道:210円)

#15 バス内のシート

→
【熊本×札幌】 初めてのうまかな・よかなスタジアム (生観戦記) (その2) に続く。
2015/08/28
【熊本×札幌】 初めてのうまかな・よかなスタジアム (生観戦記) (その1) 2015/08/28
【熊本×札幌】 初めてのうまかな・よかなスタジアム (生観戦記) (その2) 2015/09/02
【熊本×札幌】 初めてのうまかな・よかなスタジアム (生観戦記) (その3) 2015/09/04
【熊本×札幌】 初めてのうまかな・よかなスタジアム (生観戦記) (その4)関連エントリー 2008/11/20
もう一度行きたくなる日本のサッカースタジアム 10選 2008/11/21
もう一度行きたくなる日本のサッカースタジアム 番外編 2015/07/24
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。(GK編) (2015年版) 2015/07/24
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。(右SB/右WB編) (2015年版) 2015/07/25
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。(CB編) (2015年版) 2015/07/26
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。(左SB/左WB編) (2015年版) 2015/07/31
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。(ボランチ編) (2015年版) 2015/08/01
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。(攻撃的MF編) (2015年版) 2015/08/09
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。(フォワード編) (2015年版) 2015/08/21
FW齊藤和樹(ロアッソ熊本)が残している驚きの数字とはいったい? 2015/08/28
クラブ別エントリー(ロアッソ熊本) 2015/08/28
クラブ別エントリー (コンサドーレ札幌) 2015/08/28
スタジアム観戦記 (2005年-2015年)
- 関連記事
-