攻撃的MF → このポジションで「上位候補」と言えるのは千葉のMFネイツ・ペチュニク、磐田のMFアダイウトン、金沢のMF清原の3人。J1への昇格争いをリードするチームをけん引する3人のアタッカーは大事な場面でゴールを決めるケースも多くて、数字的にも、印象的にも、トップレベル。「ここまでのJ2のMVP候補」を考えたとき確実に名前が挙がってくる選手たちで、ここまでのJ2で主役級の活躍を見せている。
スロベニア出身のMFネイツ・ペチュニクは当初は右サイドハーフで起用されていたが、シーズン途中でトップ下に移って、1トップのFW森本が怪我で離脱してからは最前線でプレーするようになった。本人は「サイドハーフの方がプレーしやすい。」と語っているようだが、189センチの高さだけでなく運動量と献身性も備えている。攻撃的なポジションであればどのポジションでも機能するハードワーカーである。
磐田のMFアダイウトンは天賦の才能に恵まれたアタッカーと言える。「序盤の大一番」と言えた12節のC大阪戦(A)の後半の終盤に決めた強烈なヘディングシュートはインパクト大だったが、ヘディングの上手な選手である。並外れたスピードを持っていることはすぐに分かるが、ヘディングも一級品。驚異的なスピードを生かした守備での貢献度も高くて、彼のボール奪取からカウンターを繰り出すケースは多い。
金沢のMF清原の活躍はセンセーショナルと言える。PKでのゴールも多いが、13節を終了した時点で早くも8ゴール。165センチと小柄であるが、MFアダイウトンと同様でヘディングの技術が高くて、セットプレーのときにニアに飛び込んでゴールを狙うプレーは金沢の必殺パターンになっている。右サイドハーフが基本となるが、ドリブルで局面を打開することもできるし、献身的なプレーで味方選手を助けることもできる。
目覚ましい活躍を見せるこの3人をランク付けすると、1位はMFアダイウトンで、2位はMF清原で、3位はMFネイツ・ペチュニクか。この3人に続くのは大宮のMF家長だろう。開幕の金沢戦(H)で怪我をして戻って来たのは7節の千葉戦(A)。序盤の5試合を欠場した点が評価としてはマイナスになるが、復帰してからのパフォーマンスはやはり高い。ほとんどボールを失わないので、味方選手は安心して攻撃に参加できる。
4位はMF家長。続く5位候補は徳島のMF木村祐、水戸のMF馬場、長崎のMF梶川、千葉のMF谷澤、群馬の大卒ルーキーのMF江坂、磐田のMF小林祐の6人。ただ、上位の3人やMF家長と比べるとパフォーマンス等に差があるのは否めず。「1番手グループの3人(MFネイツ・ペチュニクとMF清原とMFアダイウトン)や2番手のMF家長と3番手以下の選手の間には結構な差がある。」ということは一目瞭然である。
流通経済大出身のMF江坂は「即戦力」という前評判に応える活躍を見せている。188センチの大型ストライカーで、左足のシュートは強烈。ポテンシャルが高いストライカーであることは誰の目にも明らかだった新エース候補のFWタンケが序盤で戦線を離脱。「今シーズン絶望」と言われているが、FWタンケが離脱した後はMF江坂が群馬の攻撃の中心であり、相手チームから激しいマークを受ける存在となった。
左サイドハーフが基本ポジションとなるが、最大の魅力は左右両足から繰り出される精度の高いミドルシュート。右足でも、左足でも、高確率で枠に飛ばすことができるのは大きな武器で突破力もある。また、プレーに躍動感があって、華のある選手である。群馬との入団交渉のとき、どういう契約内容に落ち着いたのかは分からないが、早くもオフの引き抜きが心配になるほどの才能に恵まれた選手である。
徳島のMF木村祐も好プレーを続けている。降格組の徳島はFW陣がそろって不調。なかなかゴールや勝利という結果につながらないのが悩みと言えるが、攻撃陣の中でMF木村祐の活躍は目立ちに目立っている。高度な技術とクレバーさを駆使して徳島の決定機のほとんどに絡んでいる印象で小林監督の信頼を勝ち取った。チームはやや低迷しているが、個人としてのパフォーマンスは正当に評価されなければならない。
同様に長崎のMF梶川も移籍初年度ながら攻撃の中心におさまった。運動量が多くてフィールド上のどこにでも顔を出すことができるのが特徴で、ダイレクトパスの精度が高いのも魅力の1つ。彼の気の利いたダイレクトパスは攻撃のリズムを作り出している。隙間でボールを受ける技術も高くて、チームメイトの信頼も勝ち取ったので、試合中にたくさんボールに触って攻撃にアクセントを加えることができる。
水戸のMF馬場も高く評価できる。神戸や湘南でプレーしていた時はどちらかというと天才肌の選手で、「シュートテクニックは高いが、ムラッ気がある。」と評価される選手だったが、柱谷監督の指導を受けて大きく変わった。天才肌の選手がハードワークも出来るようになったので鬼に金棒である。水戸もなかなか結果が出なくて苦労しているが、サッカーの質自体は悪くない。浮上していく可能性は高いと言える。
磐田のMF小林祐は好不調の波がある点は気になるが、能力は相当に高い。名波監督は彼の才能に惚れ込んでいるので、よほどのことが無い限り、トップ下のレギュラーからは外れないだろう。「心中する覚悟」を持っているので、彼が今シーズンの磐田の命運を左右する。6節の横浜FC戦(A)は0対2から逆転で勝利したが、前半終了間際に決めた直接FKは高い確率で「今シーズンのJ2のベストゴール」に選ばれるだろう。
ここまでの5人とJリーグで実績抜群の千葉のMF谷澤が攻撃的MFの3番手グループと言えるが、5位は千葉のMF谷澤で、6位は徳島のMF木村祐で、7位は長崎のMF梶川で、8位は群馬のMF江坂で、9位は水戸のMF馬場で、10位は磐田のMF小林祐とする。MF谷澤は左サイドハーフが主戦場となるが、大宮のMF家長と同様でキープ力が並外れているので彼にボールを渡すことができるとチームは落ち着く。重要な存在である。
これで10位まで決まったが、4番手グループに入るのはFC岐阜のMF高地、愛媛FCのMF河原、熊本のMF齊藤和、福岡のMF城後、岡山のMF押谷、大宮のMF横谷あたりで、この次の5番手グループに組み込まれるのは千葉のMF井出、栃木SCのMF中美、讃岐のMF仲間、徳島のMF内田裕、大宮のMF泉澤、北九州のMF小手川など。若手アタッカーの活躍がここまでは目立っている。
独断と偏見で選んだここまでの1位から10位まで(攻撃的MF部門) 01位 : アダイウトン (ジュビロ磐田)
02位 : 清原翔平 (ツエーゲン金沢)
03位 : ネイツ・ペチュニク (ジェフ千葉)
04位 : 家長昭博 (大宮アルディージャ)
05位 : 谷澤達也 (ジェフ千葉)
06位 : 木村祐志 (徳島ヴォルティス)
07位 : 梶川諒太 (V・ファーレン長崎)
08位 : 江坂任 (ザスパクサツ群馬)
09位 : 馬場賢治 (水戸ホーリーホック)
10位 : 小林祐希 (ジュビロ磐田)
★ 現在の投票数 → 103票
→ 選手を選択してから左下の「投票」のボタンをクリックしてください。
→ 最大で10人まで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
→ 記事内容に関係のないコメント(政治的な内容も含む。)はご遠慮ください。
関連エントリー 2014/12/10
番狂わせ多発のJ2のプレーオフ制度はこのままでいいのか? 2015/01/09
【J2】 今オフの戦力補強の個人別の評価 (札幌・水戸・栃木SC・群馬・大宮編) 2015/01/10
【J2】 今オフの戦力補強の個人別の評価 (千葉・東京V・横浜FC・金沢・磐田編) 2015/01/10
【J2】 今オフの戦力補強の個人別の評価 (FC岐阜・京都・C大阪・岡山編) 2015/01/11
【J2】 今オフの戦力補強の個人別の評価 (讃岐・徳島・愛媛FC・福岡編) 2015/01/11
【J2】 今オフの戦力補強の個人別の評価 (北九州・長崎・熊本・大分編) 2015/06/04
【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (キーパー編) 2015/06/05
【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (右SB/WB編) 2015/06/06
【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (CB編) 2015/06/06
【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (左SB/WB編) 2015/06/09
【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (ボランチ編)
- 関連記事
-