■ グループステージの第2節UEFA CLのグループステージの第2節。開幕戦はホームでアーセナルと対戦して2対0で快勝したドルトムントはアウェーでベルギーのアンデルレヒトと対戦した。アンデルレヒトの初戦はトルコのガラタサライと対戦して1対1の引き分けだった。アンデルレヒトはベルギーの国内リーグは3連覇中で、アルバニア国籍のハシ監督がチームを指揮している。
ホームのアンデルレヒトは「4-2-2-2」。GKプロト。DFナハル、エンベンバ、ナウティンク 、デシャフト。MFデュフォー、ティーレマンス、コンテ、プラート。FWマティアス・スアレス、ミトロビッチ。 10番を背負う20歳のMFプラートが攻撃の中心で、FWミトロビッチは昨シーズンは国内リーグで32試合で16ゴールを挙げている。
対するドルトムントは「4-2-3-1」。GKヴァイデンフェラー。DFピズチェク、スボティッチ、パパスタソプーロス、シュメルツァー。MFベンダー、ケール、オーバメヤン、香川真司、グロスクロイツ。FWインモービレ。ブンデスリーガの第6節のシャルケ戦はベンチスタートだったMF香川はトップ下でスタメンとなった。CLは今シーズン初出場となる。
■ 3対0でドルトムントが大勝試合は開始3分にアウェーのドルトムントが先制に成功する。バイタルエリアでボールを受けたMF香川が裏のスペースに軽いタッチで絶妙の浮き球のパスを送ると、これをFWインモービレが決めて幸先よく先制に成功する。その後、MFオーバメヤンが2度ほどチャンスを迎えたが決められず。前半は1対0とドルトムントがリードして折り返す。
後半になるとホームのアンデルレヒトがボールを保持する時間が長くなる。前半はドルトムントが相手を圧倒したが、後半はほぼ互角の展開で、アンデルレヒトが同点に追いつく可能性もあったが、後半24分に右SBのDFピズチェクの高精度のアーリークロスから途中出場のFWアドリアン・ラモスが決めて貴重な2点目のゴールを挙げる。
さらに後半34分にもMF香川のスルーパスから裏に抜け出したMFオーバメヤンの折り返しをまたしてもFWアドリアン・ラモスが決めて3点目を挙げる。今夏、ヘルタ・ベルリンから移籍のFWアドリアン・ラモスは途中出場で2ゴールを挙げた。結局、3ゴールすべてに絡んだMF香川の活躍もあってドルトムントがアウェーで3対0の大勝した。
■ MF香川の絶妙のアシストから先制ゴールドルトムントはリーグ戦は低調でここ3試合勝ちなしと苦労している。MF香川の復帰戦で3対1で勝利した第3節のフライブルク戦(H)の内容もあまり良くなかったので、リーグ戦では全くいいサッカーができていないが、CLは好調で2連勝となった。初戦のアーセナル戦(H)の出来も非常に良かったので、CLと国内リーグでは別のチームかと思うほどである。
最近のドルトムントは軽率なミスが目立つ。特にビルドアップのときのミスが多くて、しょうもないミスから自分たちでリズムを壊すパターンが多いが、この日は立ち上がりからエンジン全開で、いきなり開始3分に先制ゴールを奪うことができた。唯一、DFスボティッチのフィードのミスの多さは気になるが、それ以外は全く問題はなかった。
先制ゴールのシーンはMF香川のイマジネーション溢れるパスが光った。あのタイミングで、あの位置に優しいラストパスが供給されたら、ストライカーのFWインモービレは「決めるだけ。」となる。オフサイドなのか、オフサイドではないのか、微妙な感じだったが、MF香川のラストパスはこれ以上ないほど最高のパスだったと言える。
この日は1トップにFWインモービレが入って、トップ下がMF香川だった。どちらかというとFWアドリアン・ラモスと縦関係のコンビを組むことが多かったが、MF香川と相性が良さそうなのは明らかにFWインモービレの方である。動きの量が多くて、なおかつ、ボールもおさまるので、MF香川にとっては合わせやすいCFと言えるのではないか。
■ チーム2位となる12.45キロという走行距離結局、2点目のFWアドリアン・ラモスのゴールをアシストした右SBのDFピズチェクにパスを出したのもMF香川で、3点目のFWアドリアン・ラモスのゴールをアシストしたMFオーバメヤンにスルーパスを出したのもMF香川だったので、この日は3つのゴールすべてに絡む大活躍だった。間違いなく、ドルトムントに復帰してからは一番の出来だった。
もちろん、相手のアンデルレヒトは若くて攻撃的なチームなので、「トップ下のMF香川へのマークが甘かった。」という理由もあるが、ほとんどミスがなくて、なおかつ、前線に鋭いパスを供給し続けた。ダイレクトのパスも正確で、判断も的確で、ポジショニングも良くて、非の打ちどころのない素晴らしい出来だったと言える。
運動量も非常に多かった。マンチェスターUは運動量の多いチームではないが、ドルトムントは運動量の多さが特徴のチームである。そのギャップにMF香川が苦しむ可能性は十分に考えられたが、この日の走行距離は12.45キロ。これはMFケールの12.47キロに次ぐチーム2位であり、両チームを合わせても2位という走行距離だった。
フル出場した場合は1試合で11キロ以上を走ることができたら、「運動量が多かった。」と評価することができるので、12.45キロというのは相当な数字である。ドルトムント復帰にあたって、いくつかの懸念材料があったが、その1つである体力的な問題は完全にクリアになったと言える。この試合が復帰後の5戦目だったが、いい流れになってきた。
関連エントリー 2010/09/24
香川真司はドイツでどんな評価をされているのか? 2011/04/15
内田篤人はドイツでどんな評価をされているのか? 2011/04/28
長友佑都はイタリアでどんな評価をされているのか? 2011/12/20
乾貴士はドイツでどんな評価をされているのか? 2014/07/13
日本代表は32カ国中で19番目 ~ブラジルW杯の走行距離について~ (上) 2014/07/14
日本代表は32カ国中で19番目 ~ブラジルW杯の走行距離について~ (下) 2014/07/31
4年後のロシアW杯の日本代表メンバーはどうなるか? 支持率1位は内田篤人、2位は香川真司、3位は山口蛍 2014/08/03
低次元な「本田圭佑帰国せず」に対する批判 2014/09/11
本当に香川真司はドイツ国内ではスター選手なのか? 2014/10/02
個人別エントリー (香川真司)
- 関連記事
-