■ 何となく分かる兄弟構成相手のプライベートな部分はあまり知らなくて、家族構成の情報などは全く知らない場合でも、その人の性格であったり、雰囲気であったり、考え方だったりで、「この人は兄がいるのでは?」、「この人は1人っ子かな?」とか、「末っ子っぽいな。」などなど、兄弟構成というのは、何となく、分かるものである。答えを聞くと、「ああ、やっぱりか・・・。」と思うときは、結構ある。
ブラジルW杯に挑む日本代表メンバー23人が発表されたが、兄弟構成を見ていくと、MF齋藤学は「姉・兄・自分」の3人兄弟で、DF今野は「姉・姉・自分」の3人兄弟である。この2人に関しては、末っ子っぽい感じはするので、予想通りである。一方、ちょっと意外だったのは、GK川島である。「兄・姉・自分」の3人兄弟となるが、末っ子っぽさというのは、あんまり感じない。
23人の兄弟構成は一番下の表1に示しているが、2人兄弟は8人で、3人兄弟は14人で、4人兄弟は1人だけ。4人兄弟というのは、サイドバックのDF酒井高であるが、「兄・自分・弟・弟」の男4人の兄弟である。そして、3人目の宣福(のりよし)はJ2の福岡でプレーしており、4人目の高聖(ごうそん)はJ1の新潟でプレーしている。結局、4人兄弟のうち、3人がプロのサッカー選手になった。
■ 23人の中で1人っ子はゼロ ということで、W杯メンバー23人の中で、1人っ子というのはゼロだったが、スポーツ選手、特に、チームスポーツであるサッカー選手で1人っ子というのは、比較的、珍しい。なので、「23人の中でゼロ」というのは、意外な結果ではなくて、十分にあり得るものである。表1はJ1に所属する日本人選手399名が何人兄弟かを示したものであるが、1人っ子は10人だけ。全体の2.5%である。
数字は開幕直前の時期にチームに在籍しており、選手名鑑のアンケートで兄弟構成を答えている人限定であるが、2.5%というのは、非常に低い。ただ、10人の顔触れは、DF田中裕(川崎F)、DF井川(川崎F)、DF那須(浦和)、FW矢島(浦和)、DF増嶋(柏)、MF狩野(柏)、DF渡部(大宮)、DF佐々木(甲府)、MF保坂(甲府)、GK阿部(徳島)なので、主力級の選手が多いのは、面白い。
表1. J1に所属する日本人選手の兄弟構成 (399名)
| 人数 | 割合 |
1人っ子 | 10 | 2.5% |
2人兄弟 | 193 | 48.4% |
3人兄弟 | 175 | 43.9% |
4人兄弟 | 9 | 2.3% |
5人以上 | 4 | 1.0% |
■ 第1子はキーパーのGK権田だけ なので、「W杯メンバーの中で1人っ子がゼロ。」というのは、意外な結果とは言えないが、もっと詳しく23人の兄弟構成見ていくと、いくつか興味深いところがある。 もっとも興味深いのは、23人の中で、第1子はGK権田だけという点で、他の22人は第2子か、第3子となる。当然、世の中では、第1子の人の割合がもっとも高いので、「第1子が1人だけ。」というのは、不思議である。
再び、J1の399人はどうか?を調べてみると、表2のようになる。第1子が102名(=25.6%)なので、だいたい4人に1人が第1子である。この割合も、世間一般の(20代ならびに30代の)第1子の割合と比べるとかなり低いと思うが、W杯メンバー23人に限定すると、さらに低くなる。ちなみに、メンバー中、唯一の第1子であるGK権田は「自分・弟」という兄弟構成である。
表2. 何番目の子供になるのか? (399名)
| 人数 | 割合 |
第1子 | 102 | 25.6% |
第2子 | 208 | 52.1% |
第3子 | 79 | 19.8% |
第4子 | 8 | 2.0% |
第5子 | 2 | 0.5% |
■ 兄がいる選手は54.9% 先の399人に関して、「兄がいる」、「姉がいる」、「弟がいる」、「妹がいる」の4つに分けて割合を出すと、J1でプレーしている日本人選手の54.9%は「兄がいる。」となる。なので、身近にいて、最適なライバルとなる兄の存在は非常に大きいことが分かる。 当然、3人以上の兄弟になると、「兄がいて、弟もいる。」といった具合に重複することがあるので、割合は100%を大きく超えている。
そして、姉・弟・妹に関しては、それほど大差がない点はちょっと面白いところである。男の子にとって、(小さいときは、)弟がいると、何かと便利だと思うが、あまり関係は無いようだ。表4は2人兄弟の場合の兄弟構成の割合を示しているが、当然、「兄・自分」の割合がもっとも高くて、その次が「姉・自分」となる。「年下よりは、年上となる兄や姉がいた方がいい。」ということが分かる。
表3. 場合分けしたときの割合 (399名)
| 人数 | 割合 |
兄がいる | 219 | 54.9% |
姉がいる | 115 | 28.8% |
弟がいる | 106 | 26.6% |
妹がいる | 88 | 22.1% |
表4. 2人兄弟の場合の兄弟構成の割合 (193名)
構成 | 人数 | 割合 |
兄・自分 | 93 | 48.2% |
姉・自分 | 43 | 22.3% |
自分・妹 | 28 | 14.5% |
自分・弟 | 29 | 15.0% |
■ 「弟軍団」となったザックジャパンJリーガーの1人っ子の割合の低さ、そして、兄の存在の大きさを考えると、1人っ子政策を実施している中国の代表チームが、なぜ、眠れる獅子と言われて、ずっと眠り続けているのか、何となく分かる。この政策については、規制の緩和の動きもあるというが、他国と比べて、飛び抜けて1人っ子の割合が高いと思うので、競争力を上げるのはなかなか難しいのではないかと思われる。
ということで、今回の日本代表は23人中、22人が年上の兄姉がいる「弟軍団」である。日本も少子化の影響であったり、経済的な問題で、今後、1人っ子が多くなって、中国のことを笑えない状況になるかもしれないが、これだけはっきりとした違いがある。日本サッカー界が右肩上がりを続けていくためには、子どもをたくさん産める世の中にすることも重要になってくるだろう。
表5. W杯メンバー23人の兄弟構成
位置 | 名前 | 兄弟構成 | 何人兄弟か? | 何番目か? | |
GK | 権田 修一 | 自分・弟 | 2 | 1 | 長男 |
GK | 西川 周作 | 姉・自分 | 2 | 2 | 長男 |
GK | 川島 永嗣 | 兄・姉・自分 | 3 | 3 | 次男 |
DF | 伊野波雅彦 | 姉・自分 | 2 | 2 | 長男 |
DF | 長友 佑都 | 姉・自分・弟 | 3 | 2 | 長男 |
DF | 内田 篤人 | 姉・自分・妹 | 3 | 2 | 長男 |
DF | 今野 泰幸 | 姉・姉・自分 | 3 | 3 | 長男 |
DF | 森重 真人 | 兄・自分・弟 | 3 | 2 | 次男 |
DF | 酒井 高徳 | 兄・自分・弟・弟 | 4 | 2 | 次男 |
DF | 吉田 麻也 | 兄・兄・自分 | 3 | 3 | 三男 |
DF | 酒井 宏樹 | 兄・兄・自分 | 3 | 3 | 三男 |
MF | 長谷部 誠 | 姉・自分・妹 | 3 | 2 | 長男 |
MF | 山口 蛍 | 兄・自分 | 2 | 2 | 次男 |
MF | 青山 敏弘 | 兄・姉・自分 | 3 | 3 | 次男 |
MF | 遠藤 保仁 | 兄・兄・自分 | 3 | 3 | 三男 |
FW | 香川 真司 | 姉・自分 | 2 | 2 | 長男 |
FW | 柿谷曜一朗 | 姉・自分 | 2 | 2 | 長男 |
FW | 大久保嘉人 | 姉・自分・妹 | 3 | 2 | 長男 |
FW | 岡崎 慎司 | 兄・自分 | 2 | 2 | 次男 |
FW | 本田 圭佑 | 兄・自分 | 2 | 2 | 次男 |
FW | 清武 弘嗣 | 兄・自分・弟 | 3 | 2 | 次男 |
FW | 大迫 勇也 | 兄・自分・妹 | 3 | 2 | 次男 |
FW | 斎藤 学 | 姉・兄・自分 | 3 | 3 | 次男 |
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