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日本代表のスタメンはどうなる? (左SB編)■ スタメン経験があるのは11名 ザックジャパンはこれまでの3年半で国際Aマッチに限定すると48試合を戦っているが、基本システムは「4-2-3-1」である。ほとんどの試合で「4-2-3-1」を採用しているが、「3-4-3」を用いた試合も何試合かあった。ここでは、4バックのときはSB、3バックのときはWBと表現するが、「右アウトサイド」あるいは「左アウトサイド」のスタメンで起用された経験があるのは、合計で11名となる。
まとめると表1のようになるが、右アウトサイドのスタメンで起用された回数がもっとも多いのは、当然、DF内田(シャルケ)で29試合。約6割の試合でDF内田が右アウトサイドのスタメンで起用されている。2番目がDF駒野(磐田)で9試合。3番目がDF酒井宏(ハノーファー96)で6試合で、DF森脇(浦和)、DF酒井高(シュツットガルト)、DF西(鹿島)、DF伊野波(磐田)が各1試合となっている。
一方、左アウトサイドでスタメン起用された経験があるのも7名で、もっとも多いのがDF長友(インテル)で32試合。2番目がDF駒野(磐田)で6試合、3番目がDF酒井高(シュツットガルト)で4試合、4番目がDF槙野(浦和)で3試合となって、DF伊野波(磐田)、DF徳永(FC東京)、DF安田(磐田→鳥栖)の3人が各1試合となっている。DF長友はちょうど2/3の試合で左アウトサイドのスタメンを任されている。
ということで、DF駒野とDF酒井高とDF伊野波の3人は左右両サイドでスタメン起用された経験がある。DF長友も日本代表では左サイドばかりであるが、当然、右サイドでも全く問題なくプレーすることができる。DF内田とDF酒井宏は右サイドが専門になるが、DF徳永やDF安田も、左右両サイドでプレーすることができる。左右両サイドを柔軟にこなす選手が多い点が特徴の1つと言えるだろう。
表1. アウトサイドでスタメン起用された選手の一覧
| | 出場時間 (分) | 右サイド | 左サイド | CB |
DF | 内田篤人 | 2468 | 29 | 0 | 0 |
DF | 駒野友一 | 1228 | 9 | 6 | 0 |
DF | 酒井宏樹 | 668 | 6 | 0 | 0 |
DF | 森脇良太 | 113 | 1 | 0 | 0 |
DF | 酒井高徳 | 575 | 1 | 4 | 0 |
DF | 西大伍 | 45 | 1 | 0 | 0 |
DF | 伊野波雅彦 | 882 | 1 | 1 | 8 |
DF | 長友佑都 | 2896 | 0 | 32 | 0 |
DF | 槙野智章 | 376 | 0 | 3 | 1 |
DF | 徳永悠平 | 128 | 0 | 1 | 0 |
DF | 安田理大 | 71 | 0 | 1 | 0 |
■ 経験値で圧倒する内田篤人現段階でもっとも右SBのレギュラーに近いのは、当然、DF内田である。29試合でスタメン起用されており、56.3%のプレイングタイムを得ている。DF長友は左SBの不動のレギュラーと考えると、ライバルはDF酒井宏とDF酒井高とDF駒野の3人で、W酒井もドイツでレギュラー格としてプレーしているが、シャルケというドイツでも有数の人気クラブでほぼレギュラーとして4年間、プレーして来た経験は大きい。
DF内田のいいところは、好不調の波の少ないところである。ほとんどの選手はアウェー戦になるとパフォーマンスが落ちてしまうが、DF内田は極端に落ちることが無い。また、国際経験が豊富で2010年-2011年シーズンはCLでベスト4に進出した。鹿島でも主力としてリーグ3連覇を経験しており、タフマッチの経験値では、MF本田圭、DF長友、MF香川よりも上と言えるだろう。
もう1つの武器はビルドアップ能力の高さで、日本人のSBの中では、頭一つ抜けている。気の利いたパスを出せる点が魅力で、単純にクロスを上げるだけでなく、マイナスのボールを折り返したり、バイタルエリアに鋭い横パスを入れることもできる。前回の南アフリカW杯は直前になってDF駒野にレギュラーポジションを奪われて、結局、出場機会は全く無かったが、今回はそういうことはないだろう。
■ 評価を上げている酒井宏樹2番手は長らくDF駒野だったが、DF酒井宏の評価が上がっている。移籍1年目の昨シーズンはハノーファー96であまり出場機会を得ることができなかったが、今年はレギュラーポジションを確保している。所属クラブで出番がなかった時期もたびたび代表に召集してきたことから分かる通り、ザッケローニ監督の期待値は非常に高い。「高速クロス」だけでなく「183センチの高さ」と「体の幅」も武器となる。
一方、DF駒野はやや難しい立場になった。その他のポジションにも同じことが言えるが、ザッケローニ監督は総合力が同程度であるならば、年齢の若い選手を優先して起用する傾向が強い。フォワードなどはその姿勢が顕著に表れているが、(自身が日本代表の監督を任されることは無いと思うが、)2014年のブラジルW杯だけでなく、次の2018年のロシアW杯のことも視野に入れた起用法を見せている。
しかも、磐田がJ2に降格したので、今シーズンはJ2が主戦場になる。ザッケローニ監督はJ2の試合をあまり視察しないタイプなのでかなり不利である。ただ、実力はすでに証明しており、右足のクロスの精度の高さはサイドバック候補の中では図抜けている。23人のメンバー枠に入るためには、DF酒井宏か、DF酒井高のどちらかを蹴落とす必要があるが、DF駒野に関しては、ノーチャンスでは無い。
DF酒井高は現状は「左SBの2番手」と言えるが、当然、右SBでもプレーできる。先のとおり、DF内田とDF酒井宏の2人は日本代表では右アウトサイドオンリーなので、DF駒野と同様でどちらのサイドでもプレーできる点が大きなアピールポイントになる。東アジアカップで存在感を発揮したDF徳永は守備力の高さに定評があって日本で有数の右SBと言えるが、それ以降は呼ばれていないので、可能性は低い。
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