■ 優勝目前の浦和レッズG大阪との勝ち点差が「3」で首位に立つ浦和レッズは、ホームでヴァンフォーレ甲府と対戦。浦和は、前半に2度のPKを獲得するものの、ワシントンが2回続けて失敗。前半は0対0で折り返した。
後半に入ると、後半1分に山田のクロスをワシントンが合わせて浦和がようやく先制。後半19分には、山田の個人技で追加点。その後、ワシントンのヘディングシュートも決まって3対0。G大阪が福岡に引き分けたことで、浦和は、33節のFC東京戦に勝てば、初の年間チャンピオンに輝くことになる。
■ 主体的なサッカーを見せたヴァンフォーレ甲府3対0で敗れたものの、ヴァンフォーレ甲府の見せたサッカーは素晴らしかった。MF藤田を中心に、テンポのいいパス回しを見せて、浦和の激しいプレスをものともしなかった。結局、シュート数は、浦和の18本に対して、甲府も16本を放った。終盤には、バレーや須藤が決定的なシュートを放つなど、最後まで、浦和ゴールを脅かし続けた。
惜しまれるのは、前半34分のシーン。浦和にPKが与えられて、秋本が退場になってしまった。PKは阿部が防いだものの、10人になった甲府は、その後、ディフェンシブにならざる得なくなった。この場面の秋元のプレーは、確かにファールを取られても仕方がなかった。(2本目のPK判定は、分かりづらさも含めて、かなり疑問の残る判定だった。)ただ、PK+退場という判定は厳しかったように思う。
甲府は、この時間まで、立派なサッカーを見せていた。11人で浦和レッズに挑むヴァンフォーレ・イレブンの戦いを、ずっと見ていたかった。
■ 献身的なファンタジスタ甲府の10番、藤田は素晴らしい。ひとことで表現すると、「献身的なプレーもできるファンタジスタ」。繊細なボールタッチで、決してボールを失わないし、正確に味方につなぐことが出来る。その上、意外性溢れるパスで相手DFを翻弄するプレーも見せる。非常にレベルの高い選手である。
藤田は、今年が、実質、J1初挑戦のシーズンである。タフなJ1でも光るテクニックを持つ藤田は、倉貫と並んでヴァンフォーレの顔である。
■ 際立つ山田暢久一方の浦和では、山田暢久のプレーが、この試合も際立っていた。トップ下の位置から、積極的な飛び出しと、切れ味鋭いドリブルと、思い切りのいいシュートでチームを牽引した。存在感は、ポンテや長谷部以上で、小野伸二が怪我から復調したとしても、小野に出番は回ってこないだろう。
もともと才能のある選手だったとはいえ、30代を超えて、これだけ急激にプレーレベルを上げた選手は記憶にない。一時期、右サイドのレギュラーから外されたことが、今回の覚醒を生んだのだろうか?ちょっと理解できないくらい、最近の山田のプレーは見事である。
■ 浦和を支える山田と平川ワシントンは、良くも悪くも、存在感がある。2度のPK失敗にもかかわらず、その後、名誉挽回の2ゴールを挙げるあたりは、さすがという他ない。甲府のDFも懸命に対応したものの、空中戦では、全く勝ち目がなかった。
代表選手がずらりと並ぶ浦和のメンバーだが、ここに来て、非代表組の山田暢久と平川の充実振りが目を引く。開幕当初の浦和は、ボール支配率こそ高いものの、運動量が少なく、省エネサッカーが多かったが、山田と平川がレギュラーポジションを獲得してからは、彼ら2人のフリーランニングが攻撃を躍動させている。チームへの貢献度は相当に高い。怪我等のコンディション不良の影響があったとはいえ、小野伸二・永井雄一郎・田中達也といったスター選手をベンチに置いてまで、山田暢久や平川忠亮を常時スタメンで起用する決断を下した、ブッフバルト監督の采配は評価されていい。
■ 優勝目前の浦和レッズこれで、浦和レッズは優勝に王手をかけた。味の素スタジアムは、青ではなく、赤く染まるのだろうか・・・。
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