■ 約1年ぶりの松本J2に昇格して2年目。13勝11敗7分けで「8位」と悲願のプレーオフ出場が見えてきた松本山雅の試合を観るために、長野県の松本市を訪問した。2012年の32節の草津戦を生観戦して以来なので、約1年ぶりとなる。美しいスタジアム、熱狂的な応援風景、充実したスタジアムグルメ、高いホスピタリティなどなど、アルウィンというところは「何度でも行きたくなる要素」をいくつも持っている。
関西方面から電車で松本に行くときは、まず、名古屋駅まで行って、ここで中央本線に乗り換えることになる。名古屋駅から松本駅までの所要時間は、特急ワイドビューしなのを利用すると約2時間10分で、普通電車の場合は、約4時間となる。一方、新宿駅から特急スーパーあずさに乗ると約2時間半で松本駅に到着する。同じくらいの距離ではあるが、若干、名古屋方面からの所要時間の方が短くなる。
#1 途中の駅(中津川)

#2 JR松本駅

今回は、名古屋から普通電車を利用した。先のとおり、4時間程度を必要としたが、多治見→土岐市→中津川→木曽福島→塩尻といった駅を通って、松本にたどりつくことになる。関西方面から行く時は、岐阜県から愛知県に入って、名古屋駅を通り過ぎた後、再び、岐阜県に入って、しばらくして、長野県に突入する。松本市の位置というのは、長野県の中央からやや西寄りとなる。
松本市というと、1994年6月27日-6月28日に起こった「松本サリン事件」というのが、忘れられない出来事の1つである。死者8人で、重軽傷者660人を出しており、全くの無実だった第一通報者を犯人にでっち上げた「冤罪事件」としても知られている。やるせない事件の1つと言えるが、近年の松本山雅の台頭によって、ネガティブなイメージは払しょくされたと言えるだろう。
#3 みやげ売り場(松本駅)

#4 湧き水の城下町
■ 国宝の松本城12時過ぎに松本駅に到着して、先ず、向かったのは、国宝の松本城である。1504年に築城された松本市のシンボルである。もともとは「深志城(ふかしじょう)」と呼ばれていて、市民からは「烏城(からすじょう)」と呼ばれていると言う。松本駅から徒歩で20分なので、街の中心部にある。(ちなにみ、岡山市にある岡山城も「烏城」と言われているが、こちらは、「うじょう」と呼ばれている。)
「烏城」の由来となっている黒塗りの外観は、松本城主だった石川氏の豊臣秀吉への忠誠を表していて、「秀吉の大阪城と同じ黒にした。」という説もある。「豊臣系の城は黒が多くて、徳川系の城は白が多い。」とも言われているが、実は、白塗りにすると維持費が大変だったようで、財政的な事情もあるのではないか?とも言われている。
#5 松本城(お堀)

#6 松本城(外から)

松本城は外からの眺めもなかなかであるが、何と言っても、「築城当時の姿を留めている。」という点に価値がある。中に入って上まで登っていくこともできるが、戦国時代に作られていて、「敵を侵入させない。」というのが基本になっているので、階段は幅が狭くて、角度も急で、子供やお年寄りがスムーズに登っていくのは難しい。大人でも大変であるが、「これぞ、戦国時代のお城だ!!!」と感じることができる。
#7 松本城(内部)
■ アルウィンに向かう松本城を後にして、もう一度、松本駅に向かって、今度はアルウィンを目指すことになるが、JRの松本駅のすぐ近くにある松本バスターミナルからバスに乗る。所要時間は約30分で、片道で500円。キックオフの4時間30分前から、15分間隔で運行している。アルウィンの最寄り駅はJRの村井駅となっているが、「アルウィンまで4.7キロ」と距離があるので、徒歩で1時間ほどかかってしまう。
#8 シャトルバス乗り場 (松本バスターミナル)

アルウィンはフットボール専用球技場で、アルプスとウインド(英語で風「wind」)の造語である。すぐ近くに松本空港があって、上空が航空機の経路なので、周辺の建造物に高さ制限があるため、掘込式のスタンドになっていることも特徴の1つと言える。したがって、近くに寄らないとスタジアムがはっきり見えてこないが、緑に囲まれた中にある白い構造のスタジアムで、外観の美しさにも定評がある。
#9 アルウィン(周辺)
■ ヤマガフーディアム長野県は冬の寒さが厳しいところなので、2学期が始まっているところも多いかもしれないが、一応、この日が、夏休みの最後の日となる。午後からは、強い雨も降っていたので、客足は鈍るかと思われたが、3連勝でプレーオフ圏内が見えてきたというプラス要因もあって、この日も1万人を超えるサポーターで埋まった。31節を終えた時点は、平均で10,600人というのはJ2全体でもG大阪に次いで第2位なので、動員力がある。
その理由はいくつか考えられるが、「スタジアムグルメが充実している。」というのも、1つだと考えられる。ヤマガフーディアムと呼ばれているが、とにかく、店数の多さとバリエーションの豊富さに驚かされる。特にバックスタンド側のコンコースには、ずらっと店が並んでいて、どれを買えばいいのか、迷ってしまう。子供あるいは女性を引き込むためには、「グルメの充実」は不可欠と言えるが、その点は抜かりなしである。
#10 ヤマガフーディアム(YAMAGA FOODIAM)

#11 山賊焼き

「郷土料理」と呼べる信州にちなんだ食べ物が多いのも特徴と言える。当然、アルウィンを訪れる人は、地元のサポーターの割合がもっとも高いと思うが、相手チームのサポーターなど、遠くからやってくる人もたくさんいると思うので、そういう人にとっては、現地のグルメをスタジアムの中で堪能することができるのは、非常に有難いことである。
前回は、コンコースで売られていたそばを購入したが、ずっと動き回ったあと、席に着いて食べ始めたので、すでに麺が伸びてしまっていた。『スタジアムで麺類を食べてはいけない。』という教訓を得ることになったが、そのこともあって、そばはスルーして、「山賊焼き」と「美味だれ焼き鳥」を購入した。ともに、地元の名物であり、その店の前には、長蛇の列ができていた。
山賊焼きは、長野県の人には定番になっていると聞くが、他の県の人には、馴染みの薄いものである。「鶏のもも肉をにんにくを効かせたタレに漬け込んで、片栗粉をまぶして油で揚げたもの。」で、「大きめの唐揚げ」と表現できる。「(山賊が)物を取り上げる」→「とりあげる」→「鶏揚げる」という流れがあって、「山賊焼き」というユニークなネーミングになったという。
「美味だれ焼き鳥」は、上田市の名物である。説明を読むと、上田の方言である「おいだれ」(慣れ親しんだ仲間などに使う愛称)と、「美味しいたれ」と、後から自分の好みで付けられる「追いダレ」という3つの要素を取り入れた名前になっていると言う。どちらも十分に満足できるクオリティーで、スタジアムグルメに関しては、「日本のサッカースタジアムの中でトップクラス」と言えるのではないか。
#12 美味だれ焼き鳥 (上田市の名物)

#13 鳥取のサポーター

((中)に続く。)
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