■ 第24節J1の第24節。13勝6敗4分けで勝ち点「43」の浦和レッズ(3位)と、10勝10敗3分けで勝ち点「33」のアルビレックス新潟(10位)が埼玉スタジアムで対戦した。23節に優勝を争うライバルの横浜FMに0対3で完敗した浦和は、首位の横浜FMとの差が「4」となった。一方の新潟は、ホームのビッグスワンで川崎F(22節)と磐田(23節)に2試合連続で逆転勝ちするなど、今、もっとも勢いのあるチームの1つと言える。
ホームの浦和は「3-4-2-1」。GK加藤。DF森脇、那須、槙野。MF鈴木啓、阿部、平川、宇賀神、柏木、マルシオ・リシャルデス。FW興梠。東アジアカップの日本代表のMF原口がベンチスタートになって、MFマルシオ・リシャルデスが16節の川崎F戦(A)以来のスタメンとなった。元新潟のMFマルシオ・リシャルデスは今シーズン4試合目のスタメンで、ここまで23試合で5ゴール。5ゴール全てが途中出場で記録している。
対するアウェーの新潟は「4-2-2-2」。GK東口。DF川口、大井、舞行龍ジェームズ、金珍洙。MF三門、レオ・シルバ、成岡、田中亜。FW田中達、川又。エースストライカーのFW川又は21試合で15ゴールを挙げている。2001年から2012年まで12年間、浦和でプレーしたFW田中達にとっては、久々の埼玉スタジアムで試合となる。ここまで21試合に出場して1ゴールを挙げている。
■ 浦和が1対0で逃げ切る!!!試合の立ち上がりは浦和がペースを握る。横浜FM戦の完敗がモチベーションとなったのか、アグレッシブなプレーで試合を主導権を握る。しかしながら、ここ7試合で5勝1敗1分けと好調の新潟も負けずに対抗して、古巣対決となるFW田中達が思い切りよくミドルシュートを放って、浦和のGK加藤をひやりとさせる。ただ、前半はともにゴールは生まれず。0対0でハーフタイムに突入する。
勝ち点「3」が必須の浦和は、後半11分にボランチのMF鈴木啓に代えて、アタッカーのFW原口を投入。攻撃的な布陣に変更すると、後半17分にボランチの位置に下がっていたMF柏木のパスからFW興梠が決めて先制に成功する。FW興梠は今シーズン9ゴール目で、ここ6試合で5ゴールと量産体制に入っている。新潟はCBのDF舞行龍ジェームズがFW興梠の動きを捕まえられずにドフリーにしてしまった。
ビハインドとなった新潟は後半20分にMF成岡に代えて、新戦力のMFホージェル・ガウーショを投入。4試合連続で途中出場となる彼のところにボールが集まってくるが、イージーなミスが目立って、攻撃のリズムを壊してしまう。結局、試合は1対0でホームの浦和が逃げ切って、勝ち点「3」を獲得した。一方の新潟は、相性の良くない浦和にノーゴールで敗れて、連勝は「2」でストップした。
■ お得意様を相手に勝利過去の両チームの対戦成績というのは、浦和が圧倒している。J2時代を含めると浦和が16勝3敗4分けとリードしているが、2勝2敗のイーブンだった2000年のJ2での対戦結果を除いたJ1での対戦成績に限定すると、浦和が14勝1敗4分けと圧倒している。2010年と2011年は新潟の方が順位が上であり、同じくらいの戦力だった時期もあるので、対戦成績にここまでの差があるというのは、意外である。
浦和としては、お得意様を相手に勝ち点「3」を得ることができたが、ゴール前のチャンスの数は同じくらいで、どちらが勝ってもおかしくない展開だった。相性の良さを感じさせる結果となったが、ここに来て、大事なところでFW興梠にゴールを生まれるようになったことは大きい。シーズン序盤は周りを生かそうとする意識が高くなりすぎて、ストライカーっぽくなかったが、最近は、積極的なプレーも増えてきた。
鹿島のときは、2トップの一角でプレーすることがほとんどで、FWマルキーニョスと2トップを組んでいた時期が最も輝いていた。そのときは、サイドに流れるプレーが多くて、「ポストプレーが得意」というイメージはあまり無かったが、浦和で新境地を開いた。鹿島に残っていても、それなりの活躍はできたと思う。リスクの高い移籍ではあったが、「自身の可能性を広げる。」という意味では、成功と言えるのではないか。
この試合は、日本代表のザッケローニ監督が視察に訪れていたが、グアテマラ戦とガーナ戦のメンバーに選ばれている選手は、浦和にも、新潟にもいない。直前の試合なので、埼玉スタジアムを選んだというのは、意外な気もするが、FW興梠もフル代表に召集されても、全くおかしくない。他の候補選手と比べるとゴール数は少ないが、ポスト役になれて、裏へ飛び出すこともできる。貢献度では負けていない。
■ MFホージェル・ガウーショがブレーキ一方、新潟の中で、フル代表に呼ばれる可能性を持った選手の1人と言えるFW川又は、ここまで15ゴールを挙げているが、この日は不発だった。「最近の15試合で15ゴール」と誰よりもハイペースでゴールを量産しているが、なかなかいいパスを引き出すことができなくて、らしいプレーはほとんど無かった。ザッケローニ監督が視察に訪れていたので、アピールする絶好の機会だったが、ノーインパクトに終わった。
新潟は連勝は「2」でストップしたが、内容は悪くなかった。失点シーンはコミュニケーション不足だったのか、ぽっかりと穴があいてしまって、FW興梠がフリーになっていた。ただ、それ以外では、崩されるシーンはほとんど無くて、攻撃においても、ある程度のところまで、形を作ることができた。ボランチのMFレオ・シルバのプレーが利いていて、苦手としている埼玉スタジアムで互角の勝負に持ち込んだ。
誤算だったのは、途中出場のMFホージェル・ガウーショの出来があまりにも悪かったことである。22節の川崎F戦と23節の磐田戦でも、ビハインドの状況で投入されて、チームは逆転勝利を飾った。磐田戦でダメ押しの4点目を決めているが、逆転に至る過程の中では、あまり絡めていなかった、なので、微妙なところもあるが、「運を持っている選手」なのかと思っていたが、この日は、完全にブレーキになった。
ブラジルリーグと比べると、Jリーグは中盤のプレッシャーがきつくて、スピード感はある。そのあたりに対応できるかどうかが、ブラジル人助っ人がJリーグで成功できるかどうかの分かれ目となる。ドリブルで相手を剥がすプレーができるので、新潟には見当たらないタイプで、アジャスト出来たら、貴重な戦力になると思うが、まだ十分ではないようで、浦和のプレスの標的となった。どこまで対応力があるのか、注目したい。
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