■ 送別試合黄金時代のジュビロ磐田の中心選手の1人で、J1通算で419試合に出場して100ゴールを挙げている元日本代表のMF藤田俊哉選手の送別試合が5月23日(木)に国立競技場で行われた。現役時代はジュビロ磐田、ユトレヒト、名古屋グランパス、ロアッソ熊本、ジェフ千葉の5チームでプレーして、日本代表では24試合に出場して3ゴールを挙げている。
最後の千葉では4試合の出場にとどまったが、磐田・ユトレヒト・名古屋・熊本では中心選手として活躍した。言うまでもなく、彼がもっとも輝いたのは磐田時代である。抜群のテクニックを持っていて、飛び出しの技術は超一級品だった。フォワードの選手以外でJ1通算のゴール数が三桁に到達している選手は、彼以外にいないという事実がその凄さを表わしている。
通算のVゴールの数は「9」で、これは史上最多タイの記録だという。「いいところでゴールを決めることの出来る選手」という印象も強いが、どんなポジションでも活躍できる選手だった。2トップ下でプレーした時にもっとも力を発揮するタイプであるが、磐田ではアウトサイドでプレーすることが多くて、フェルフォーセン監督のときは、アンカーでプレーすることもあった。
さらに、J2の熊本に移ってからは、北野誠監督によってセンターフォワードで起用される機会が増えた。1トップというか、ゼロトップというか、未知のポジションだったと思うが、中途半端なポジションを取って相手チームを撹乱した。結局、2009年と2010年の2年間、熊本でプレーしたが、随所に違いを感じさせるプレーを見せて、若いチームを引っ張った。
#1 ジュビロスターズ vs ジャパンブルー
■ 聖地・国立競技場霞ヶ丘にある国立競技場は言わずと知れたサッカーの聖地である。日韓W杯で使用するために、全国各地に巨大スタジアムが誕生した後は、あまり使用されなくなったが、20世紀には、数々の名勝負が繰り広げられた。「新・国立競技場」の建設の話も出ているが、どんなにモダンなスタジアムを作ったとしても、素直に受け入れられることはないだろう。
もちろん、「陸上トラックがあること」、「屋根に覆われている部分が少ないこと」、「グルメが充実していないこと」、「老朽化が進んでいること」など、残念な部分もいくつかあるが、ここのスタジアムというのは、それ以外の全てのスタジアムとは異なる独特の雰囲気を持っている。その「重み」が桁違いなので、特別な場所と表現するしかない。
考えてみると、国立競技場に行くのは久々である。2007年にG大阪と川崎Fが顔を合わせた
ナビスコカップの決勝を観た記憶が強烈に残っているが、それ以降では、2009年の
J2の東京Vと徳島の試合を国立競技場で観戦したのが最後だと思う。なので、約4年ぶりの聖地となるので、かなりテンションが上がった。
#2 千駄ヶ谷門
■ アクセスは最高レベル都営地下鉄大江戸線の国立競技場駅とJR中央線の千駄ケ谷駅と信濃町駅の3つが利用可能な駅となる。千駄ケ谷駅は代々木駅の隣で、代々木駅の隣は新宿駅と原宿駅なので、東京のど真ん中にある。埼玉スタジアムはアジア屈指のサッカースタジアムで、日本代表の試合が開催されることが多くなっているが、アクセスでは国立競技場の方が優れている。
また、日産スタジアムは東海道新幹線の新横浜駅から徒歩圏内にあるので、新幹線を利用する人にとっては便利なところにある。特に、外国人にとっては、分かりやすいスタジアムと言えるが、東京都に住んでいる人にとっては、ちょっと離れた所にあるので、「東京のど真ん中に巨大スタジアムを作ろう。」という動きがあるのも理解できる。
周辺は国立競技場だけでなく、ヤクルトスワローズの本拠地である神宮球場、秩父宮ラグビー場、東京体育館などがあって、東京体育館では、今週末に車椅子バスケットボールの関東ブロック予選会が行われるという。この日は、神宮球場では試合の予定はなかったが、このあたりは、プロアマを含めて、いろいろなスポーツが行われている「スポーツのメッカ」である。
#3 国立競技場の周辺
■ 引退試合引退試合に関して、Jリーグの規定では、「公式試合および天皇杯全日本サッカー選手権大会において通算500試合以上の出場実績を達成した選手、またはJリーグで活躍し、Jリーグの発展に著しく貢献した選手を対象として開催する。」と記されている。
過去にこれが適用されて、引退試合が開催されたのは、木村和司、ラモス瑠偉、福田正博、北澤豪、井原正巳、澤登正朗、本田泰人、城彰二、秋田豊、名波浩、林健太郎、宮本恒靖の12人で、今回の藤田俊哉が13人目となる。したがって、本当に一握りのエリートだけに認められた権利だと言える。
この中では、
2007年の澤登正朗、
2008年の城彰二、
2009年の秋田豊、
2010年の名波浩の引退試合を生で観ているので、5回目となる。どの引退試合も豪華メンバーが終結して、新旧のスター選手の共演となったが、今回の藤田俊哉の送別試合も負けず劣らずの豪華メンバーが国立競技場に終結した。
#4 国立
■ 豪華メンバーが終結ジュビロ磐田OBを中心としたチーム「ジュビロ・スターズ」は、黄金時代の磐田の主力選手がチームの中心を担っており、すでに現役を引退している選手では、中山雅史、武田修宏、名波浩、福西崇史、田中誠、鈴木秀人、山西尊裕、井原正巳ら、現役選手では、FC岐阜の服部年宏、東京Vの高原直泰と西紀寛、VVVのFWカレン・ロバートが参加した。
一方の「ジャパン ブルー」は、サッカー日本代表経験者を中心としたチームで、引退した選手では、中田英寿、名良橋晃、秋田豊、北澤豪、本田泰人、前園真聖、小倉隆史ら、現役選手では、横浜FCの三浦知良、フィテッセの安田理大、ワンダラーズの小野伸二、サウザンプトンの吉田麻也、タンパベイの山田卓也、VVVの大津祐樹らが参加した。
ジュビロ・スターズを率いるのは、アテネ五輪監督の山本昌邦氏で、1990年代中盤に若者の支持を集めたEAST END×YURIのメンバーだったGAKU-MC氏もゲストで参加した。ジャパン・ブルーを率いるのは松木安太郎氏で、スキマスイッチの常田真太郎氏、ミュージシャンのナオト・インティライミ氏、ポルノグラフィティの岡野昭仁氏がメンバーに加わった。
【出場予定選手】
■ジュビロ スターズ(ジュビロ磐田OBを中心としたチーム)
(監督)山本昌邦氏
(GK)大神友明氏、山本浩正氏
(DF)田中誠氏、鈴木秀人氏、茶野隆行氏、山西尊裕氏、井原正巳氏、大岩剛氏
(MF)名波浩氏、福西崇史氏、服部年宏選手(FC岐阜)、平野孝氏、三浦文丈氏、
西紀寛選手(東京ヴェルディ)、佐伯直哉氏
(FW)中山雅史氏、武田修宏氏、松原良香氏、高原直泰選手(東京ヴェルディ)、
布部陽功氏、川口信男氏
(その他)GAKU-MC氏
■ジャパン ブルー(サッカー日本代表経験者を中心としたチーム)
(監督)松木安太郎氏
(GK)小島伸幸氏、土肥洋一氏
(DF)名良橋晃氏、秋田豊氏、落合正幸氏、安田理大選手(SBVフィテッセ・アーネム)、
三浦淳寛氏、山田卓也選手(タンパベイ・ローディーズ)、米山篤志氏、坂本將貴氏、
吉田麻也選手(サウサンプトンFC)
(MF)中田英寿氏、小野伸二選手(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC)、本田泰人氏、
安英学選手、小林慶行氏、澤登正朗氏、北澤豪氏
(FW)三浦知良選手(横浜FC)、安永聡太郎氏、前園真聖氏、小倉隆史氏
(その他)ナオト・インティライミ氏、常田真太郎氏(スキマスイッチ)
#5 送別試合

(後編に続く。)
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