■ 第28節プレミアリーグの第28節。22勝3敗2分けで首位を独走するマンチェスターUが、ホームでノーウィッチと対戦した。ノーウィッチは7勝9敗11分けで勝ち点「32」を挙げているが、11月17日(土)に行われたノーウィッチのホームゲームは1対0でマンチェスターUに勝利している。マンチェスターUは、次の火曜日にCLのレアル・マドリー戦の2ndレグを控えているので、できるだけ省エネで勝ち点「3」を取りたい試合である。
ホームのマンチェスターUは「4-2-2-2」。GKデ・ヘア。DFスモーリング、エヴァンス、ヴィディッチ、エブラ。MFアンデルソン、キャリック、バレンシア、香川真司。FWルーニー、ファン・ペルシー。日本代表のMF香川は2月13日のレアル・マドリー戦以来の先発出場となった。ここまで11試合で2ゴールを挙げている。FWファン・ペルシーは19ゴールを挙げている。
対するアウェーのノーウィッチは「4-2-2-2」。GKバン。DFマーティン、ターナー、バソング、ガリド。MFハウソン、ジョンソン、スノッドグラス、ピルキントン。FWフラハン、ホルト。こちらは185センチのストライカーのFWホルトがチームトップの5ゴールを挙げている。MFピルキントンは11月17日(土)の試合で決勝ゴールを挙げている。
■ 4対0でマンチェスターUが勝利!!!火曜日にCLのレアル・マドリー戦を控えており、メンバーを少し入れ替えたマンチェスターUは、前半からボールを支配するが、引いて守るノーウィッチの守備を崩せない。しかし、前半終了間際に右サイドからMFバレンシアがクロスを入れると、FWファン・ペルシーはきちんとボールをコントロールできなかったが、フリーになっていたMF香川が浮き球をダイレクトで決めてマンチェスターUが先制する。
後半になると、ノーウィッチも人数をかけて攻撃をするようになって、決定機も作ったが、後半31分にマンチェスターUはカウンターからFWルーニーが右サイドを抜け出すと、中に入ってきたMF香川に正確なラストパスを送って、MF香川が右足で流し込んで2対0とする。MF香川は今シーズン4ゴール目で、プレミアリーグでは初の複数得点達成となった。
さらに後半42分にも、MF香川→MFウェルベック→FWルーニー→MF香川とパスが渡ってMF香川が決定機を迎えると、巧みなコントロールから落ち着いて決めて3点目。C大阪時代の2009年の水戸戦以来のハットトリック達成となった。結局、後半ロスタイムにもFWルーニーが決めて4点目を挙げたマンチェスターUが4対0で勝利。CLのレアル・マドリー戦に向けて、弾みのつく勝利となった。
■ 2度目のハットトリックCLのレアル・マドリー戦はトップ下でスタメン出場となったが、あまりいいプレーはできず、後半19分で交代となった。先週のQPR戦はベンチからも外れたので、久々の出場であり、MF香川にとっては大きなチャンスの試合だったが、ハットトリックという最高の結果を残した。チームの出来自体はそれほど良くなくて、ノーウィッチを相手に攻めあぐねたが、MF香川の活躍で4対0というスコアになった。
1点目はラッキーなところもあったが、2点目と3点目は素晴らしい連携からゴールが生まれた。ともにFWルーニーのアシストによるものだったが、彼はMF香川の動きを見てくれているので、いい動きをすれば、いいパスが出てくる。3点目のゴールは、チャンスのきっかけを作ったのも、MF香川のダイレクトパスだったので、組み立てからフィニッシュまで全てに絡むことができた。
いずれもおしゃれでテクニカルなゴールだったが、2点目のゴールはキーパーの動きをよく見た見事なゴールだった。FWルーニーから完璧なボールが来たので「合わせるだけ」というシーンだったが、軽く合わせてキーパーの逆を取って冷静に流し込んだ。ゴール前に入っていったときの冷静さというのが、MF香川の武器であるが、2点目あるいは3点目のゴールは「らしいゴール」だったと言える。
■ 向上している味方との関係これで一気にゴール数を重ねてリーグ戦では5ゴール目となった。「1試合2ゴール」というのは、それほど珍しくは無いが、ハットトリックとなると、プレミアリーグ全体でも、年に数回程度だと思うので、3ゴール以上になると、多くの人の記憶に残る。したがって、2点だけにとどまらず、最後に3点目を取れたというのは、大きな意味を持つだろう。
怪我から戻ってきて、約2ヶ月ほどが経過したが、試合を重ねるごとに味方との連携が良くなってきて、いいタイミングで味方からパスが出るようになってきた。もちろん、アタッキングサードに入ったときは、自己主張の強い選手が多いこともあって、リターンパスが戻ってくることは少ないが、下がり目の位置であれば、欲しいタイミングでパスが出てくるようになってきた。
当然、アタッキングサードで仕事をしなければならない選手なので、低いところまで下がり過ぎるのは良くないが、もともと、「たくさんボールに触りたい。」と思うタイプの選手である。ボールを触れないと不安になってくるタイプだと思うので、試合中にボールにたくさん触ることができれば、自分自身を落ち着かせることができて、プレーにリズムが出てくる。
MF香川が下がり目の位置でボールを受けることは、効果的な場合もあるし、効果的でない場合もあるので、チームにとってプラスに働かないときもあるが、「ボールが欲しい。」と思ったタイミングでボールに触れる機会が多くなるとプレー中のストレスが減ってくるので、タッチ数というのが、MF香川の良し悪しを図るバロメータとなる。
■ 次はレアル・マドリー戦MF香川はプレミアリーグでは12試合目の出場だったが、これまでは11試合で2ゴールという成績だったので、期待されたほどの数字ではなかったが、この試合の結果をカウントすると、12試合で5ゴールとなる。1試合で一気にゴール数を伸ばしたが、12試合で5ゴールとなると、2列目の選手としては、十分すぎるほどの数字であり、成績も持ち直してきたと言える。
次は大一番のレアル・マドリー戦となる。サンチャゴ・ベルナベウでのアウェー戦は1対1のドローだったので、0対0でも、マンチェスターUは勝ち抜くことができる。なので、「失点をしないこと」を最優先に考える可能性もあるが、一方で、相手がレアル・マドリーなので、守りきることは難しいため、「できるだけ攻撃の時間を増やしたい。」と考える可能性もある。
前回の試合は、前半の45分間はMF香川がトップ下に入って、FWルーニーが右サイドに回ったが、次のオールド・トラフォードでの試合は、果たしてどういうメンバーで、どういう並びにするのか。いろいろな可能性が考えられるが、ノーウィッチ戦でハットトリックと圧巻のパフォーマンスを見せたことで、当然、MF香川もスタメン候補に入ってくるだろう。
アウェー戦は十分なパフォーマンスはできず、メディアから酷評されてしまったが、C大阪のときから、逆境に強い選手であり、追い込まれたとき力を発揮する選手である。ノーウィッチ戦はプレッシャーのかかるシチュエーションだったが、見事に跳ね除けて、十分すぎるほどの結果を残したので、今度のレアル・マドリー戦も、逆境に強いところを見せてほしいところである。
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