◆ 誤解を招く恐れのある文章表現先のゼブレッタ氏のコラム「
浦和の横断幕問題で考えるスポーツと政治の関係」について、李選手の発言内容について誤解を招く恐れのある文章表現がありましたのでエントリー致します。
(以下ゼブレッタ氏のコラムより引用)
ーさて二つ目は李選手の発言。
『自分は日本代表ではなくアジア代表』『韓国代表になれなかったから日本代表になった』細かい文言は違えども、過去にこのような発言をしています。ー
(以上ゼブレッタ氏のコラムより引用)
数年前のアジアカップで李選手が活躍した際、私もサッカーマガジン紙面で(恐らくゼブレッタ氏も読んだであろう)特集インタビュー記事でそのような文章を読んだ記憶があります。このような事態になるとは夢にも思わず、残念ながら引用元の号は廃棄していますが。
しかし今思い返してみても、少なくとも私の読んだ記憶では、李選手の発言のニュアンスはこうでした。
「自分の出自で悩んだ時期もあったが、今では逆に2つの国にルーツを持つという希有な存在であるというアイデンティティがあり、だからこそ日本の代表であるという意識以上に、アジアの代表であるという誇りを持ってプレイしていきたい」という、前向きなニュアンスであった記憶しか私にはありません。
さらにウィキペディアにも引用されているように、李選手は「韓国のU-19で韓国代表メンバーから(在日であることへの)差別を受けた」経験を吐露しています。そのような思いを経験した在日四世の彼が、韓国代表より日本代表を選ぶほうがむしろ道理があると私は思いますが、いかがでしょうか。
◆ 横断幕問題の真相は???すなわちゼブレッタ氏の引用方法が、意図的か否かは別として、李選手のごく一部の発言のみを引用することで、あたかも李選手が”日本を韓国より貶めている””韓国で通用しないから仕方なく日本代表になった”とネガティブなニュアンスで発言したかのように歪曲した、と読み手が受けとらざるを得ない文章になっております。可能であればゼブレッタ氏には、李選手の細かい文言まで提示することが求められます。
さて、現在の私の考えですが、かずのこ氏のコラム
「【推理】 なぜ「JAPANESE ONLY」の横断幕を掲げたか?」が最も真相に近いのではないか、という印象があり、当初は短絡的に李選手に結びつけることしかできなかった自分を恥じていますし、むしろ多くの日本人が反射的に憶測したであろうことは逆に、この問題が日本人にとって根深いものであることの証左です。
いずれにしろ真相究明のためには、クラブ側から掲げた者から事情聴取した内容の発表が為されれば一番いいのですが、しかしそれが誰もが納得する発表で、ハッピーな結末なのかは、難しい問題でもあります。しかし一番はっきりしていることは、この件で誰よりも一番傷ついたのは”李選手であること”それだけは間違いありません。