■ 長良川競技場へ・・・岐阜公園を後にして、プレシーズンマッチが行われる長良川競技場に向かうが、中間地点には、鵜飼で有名な長良川がある。5月11日から10月15日が鵜飼の季節なので、今はオフシーズンとなる。鵜飼乗り場には、船がいくつか並べられているが、実に風流である。
#11 鵜飼乗り場 (長良川)

「長良川艶歌」は、1984年4月に五木ひろしが発売したシングル曲で、第26回の日本レコード大賞の大賞を受賞している。ミリオンセラーを記録するなど、大ヒットとなったが、手前の橋の付近には「長良川艶歌」のヒットを称えた記念碑が建てられている。
#12 長良川
長良川を渡ってすぐのところにFC岐阜のホームスタジアムである長良川競技場がある。プレシーズンマッチなので、たくさんのサポーターが集まっているわけではないが、名物である屋台村は、シーズンと同様にフルでお店が並んでいる。屋台村の充実度は、アウェーサポーターも満足できるレベルで、このスタジアムのウリになっている。
#13 屋台村
■ 両チームのスタメンホームのFC岐阜は「4-3-2-1」で、GK時久、DF杉山、DFデズモンド、DF関田、DF尾泉、MF李漢宰、MF服部、MF益山、MF染矢、MF美尾、FW井上平というスタメンとなった。チームトップの10ゴールを挙げたFW佐藤洸がV・ファーレン長崎に移籍したので、誰が代役を務めるのか、注目されているが、結局、1.5列目タイプのFW井上平が1トップで起用されて、その下にMF染矢とMF美尾が並ぶ形となった。
一方のアウェーの京都は「4-4-2」で、GKオ・スンフン、DF安藤、DF染谷、DFバヤリッツァ、DF福村、MF秋本、MF工藤、MF駒井、MF山瀬功、FW宮吉、FW三平というスタメンとなった。こちらは新加入のFW三平の起用法が注目されているが、この日は、FW宮吉と2トップを組む。また、MFチョン・ウヨンの抜けたアンカーはMF秋本が起用されて、その前にMF工藤とMF駒井とMF山瀬功が並ぶ形となった。
岐阜市と京都市はそれほど距離は離れていないので、京都サンガのサポーターもたくさん来場していた。東海道新幹線はJR岐阜駅は通らないので、若干不便であるが、名古屋駅を経由すると、新幹線を利用した場合は1時間程度で岐阜まで来ることができる。また、ノーマルに普通電車を利用しても、2時間弱なので、日帰りでサッカー観戦できる距離にある。
#14 京都サンガのサポーター
■ スコアレスドロー試合中は冷え込んできて、雪もチラついていたが、大方の予想通りに京都がボールを支配して、FC岐阜が守る展開となる。アクシデントが発生したのは、前半30分過ぎで、FC岐阜の大黒柱のMF服部が負傷して交代を余儀なくされる。代わって新加入のMF清本が投入されるが、FC岐阜はボールを保持できなくなって、前半はシュートシーンをほとんど作れず。0対0で前半を折り返す。
後半も京都がボールを支配するが、京都もFW三平やFW宮吉のところにボールが入らなくて、効果的な攻撃はできない。MF駒井の突破から何度かチャンスを作りかけたが、FC岐阜のDFデズモンドとDF関田の中央の守備は堅くて、GK時久を脅かすシーンはほとんどなくて、京都の方もなかなか決定機を作れず、0対0のままで試合が進んでいく。
京都は、MF中村やFW久保を投入するが、JFLのHONDA FCから加入のMF中村は、大木監督の期待に応えるパフォーマンスはできず、途中出場ながら途中出場となってしまう。京都は終了間際にCKから決定機を迎えるが、FC岐阜の選手がゴールライン上でクリアして先制ならず。結局、両チームともゴールを挙げることはできず、試合は0対0で終了した。
#15 スタジアム (バックスタンドから)
■ 1トップは誰がベターか?ホームのFC岐阜は、フォワードに問題を抱えている。1トップで起用されたFW井上平はよく頑張ったが、ターゲットになるタイプではないので、ロングボールを蹴っても、簡単に跳ね返される場面が多かった。徹底してショートパスをつなぐやり方をするならば、動き出しのいいFW井上平がフォワードでも可能性を感じるが、最終ラインやキーパーからロングボールを蹴るシーンが多くて、中途半端だった。
終了間際には、新加入のFW杉本と大卒2年目のFW中島が起用されて最後の時間帯は2トップになったが、落ち着いてパス出しができる選手は多くないので、前線の選手には、ある程度の高さが無いと苦しい。FW杉本にしても、FW中島にしても、ゴールというのは期待しにくいので、難しいところであるが、今のサッカーで、1トップを採用するのであれば、FW杉本やFW中島の方がベターだと感じる。
新戦力の中では、鳥取から加入のMF美尾は好プレーを見せた。最大のチャンスだった後半のFKのシーンは壁に当ててしまったが、キープ力とアイディアは、FC岐阜の中では図抜けていた。前半にトリプルボランチだった時間帯は左サイドで起点になっていたが、MF服部が負傷交代してポジションが変わった後は、存在感は薄くなったが、大きな戦力になるだろう。
■ 強固な中央の守備攻撃に関しては、MF美尾を除くと、プラス要素が少ないので、劇的な変化は期待しにくいが、ゴール前の迫力については、FW佐藤洸とFW樋口がいなくなったので、さらに低下している。この試合も、決定機はほとんど作れなかったが、このままでは、J2に残留するのは難しいと思うので、新外国人2人を含むフォワード陣の奮起は不可欠である。
一方の守備陣は、昨年よりも整備されている。昨年も悪くはなかったが、トリプルボランチ気味の布陣になって、さらに、フォワードに献身的なプレースタイルのFW井上平を起用していることもあって、前線からのプレスが激しくなっている。「高い位置でボールを奪ってカウンター」というシーンは無かったが、頑張るタイプの選手が多いので、ボールをつなぎたいチームにとっては、厄介な相手である。
藤枝から加入のDFデズモンドは、かなりやれるのではないか。ガーナ出身でセリエAのインテルに在籍した経験を持っているが、186センチと大型センターバックで、身体能力は高くて、足元もまずまずである。DF関田も185センチの大型センターバックであるが、2人とも足が長くて、無理が効くタイプなので、中央の高さと強さが、今シーズンのFC岐阜の最大のセールスポイントになるだろう。
#16 プレシーズンマッチ
■ 開幕戦の相手はG大阪一方の京都は、ボールは保持して、ポゼッション率は高かったが、攻めきれなかった。決定機も、前半と後半にMF山瀬功がフリーでシュートを放ったシーンと、最後のCKのシーンくらいだったので、決定機はほとんどなかった。FW三平とMF山瀬功が加わって、期待は膨らんでいるが、攻撃陣はしっくりきておらず、相手を圧倒することはできなかった。
FC岐阜もフォワードの人選で苦労しているが、京都も同様である。もちろん、こちらは、FW三平がいて、FW久保がいて、FW宮吉がいて、FWサヌもいるので、FC岐阜側から見ると「贅沢な悩み」のように思えるが、FW三平はチームに馴染んでおらず、FW宮吉も存在感はなかった。途中出場のFW久保はキレのある動きを見せていたが、フォワードの軸を誰にすべきか、試行錯誤が続いている。
注目のMF山瀬功は2列目で起用された。MF工藤、MF山瀬功、MF駒井の3人が2列目に入って、自由にプレーしたので、いくつかコンビネーションで打開するシーンはあったが、パスが合わないシーンも多くて、十分に機能したとは言い難い。ただ、実績のある選手で、さらには、移籍1年目でモチベーションは上がっていると思うので、レギュラーとして活躍できるのではないか。
J2の開幕戦は1週間後の3月3日に予定されているが、FC岐阜はホームで横浜FCと対戦して、京都はアウェーの万博競技場でG大阪と対戦する。いきなり昇格候補同士の対戦となるが、優勝候補筆頭のG大阪を勢いに乗らせないことは重要で、J2の今シーズンの行方を占う大事な試合である。京都にしても、開幕戦でG大阪を叩くことができると、勢いに乗ることができるので、1/42以上の重みをもっている。
#17 ポスター

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