■ 騒動はおさまらず・・・不適切なツイッターのつぶやきが元で起こった佐藤峰樹さんの騒動は、まだ、静まっていない。エル・ゴラッソを発刊しているスクワッド社は、「不適切だった。」として謝罪を行って、『エンパの花道』というコラムを連載していたフットボリスタは、前回掲載のコラムをもって連載が終了することを発表したが、騒ぎは続いている。
佐藤峰樹さんについて、エル・ゴラッソは「弊社のデザイナー」と表現しており、フットボリスタは「社外の方」と表現しているので、結びつきとしては、エル・ゴラッソの方がはるかに強かったと思われるが、エル・ゴラッソの方は、難しい判断を迫られている。
今回の件で、最も残念だったのは、こういう考え方を持った人が、エル・ゴラッソであったり、フットボリスタに関わっていたということである。個人的には、エル・ゴラッソも、フットボリスタも、興味がある号に関しては、今後も買いたいと思うが、イメージダウンは必至である。
問題視されている発言というのは、たとえ、心の中で思っていたとしても、公の場で発言しないのが、普通であるが、エル・ゴラッソにしても、フットボリスタにしても、既存のメディアに対抗すべく野心の強い人たちが結集して立ち上がった新規メディアだと思うので、そういう発言をしない人間であることはもちろんのこと、日本サッカーに思い入れのある人たちだけで、紙面(誌面)作りを行ってほしかった。
「新しい文化を作りたい。」という考えを支持して、「エル・ゴラッソやフットボリスタを応援したい。」という気持ちで定期的に購入していた人は多いと思うので、こういう人たちを裏切るような結果になったのは、間違いない。今後の展開が注目される。
■ ユーモアか、中傷か。佐藤峰樹さんの真意は分かりかねるが、この件に関して、同じくらい理解できないのは、「ユーモアが認められない世の中になった。」、「毒を吐くことが許されない窮屈な世の中になった。」という風な感じで、逆に、世間の反応に対して、苦言を呈したり、疑問を感じている人たちに対してである。
確かに、「叩きやすいもの」を見つけたときの世間の反応というのは、おぞましいと思う。また、ネット社会でなかったら、ここまでの騒動に発展することは無かったと思うが、今も、昔も、人を見下したり、バカにすることによって、笑いを取ろうとしたり、持論を展開しようとすることは、(少なくとも、日本においては、)受け入れられない。この点は、いつの時代も変わらないと思う。
Jリーグでも、対戦相手を揶揄するような行動をとって、サポーター同士のいざこざが発生することが、年に数回程度は起きている。こういうとき、必ず、出てくるのは、「欧州や南米では当たり前。」、「ユーモアが認められないのはおかしい。」、「いい子ばかりでは、スタジアムはつまらなくなる。」という意見であるが、ピント外れと言わざる得ない。
「自虐的なネタで笑いを取る。」というのは全く問題ないと思う。また、知性を感じる笑いというのもある。こういうのは、ユーモアとして、ほとんど全ての人に受け入れられると思うが、相手のチームや相手の選手をバカにすることで笑いを取ることは、ユーモアでも何でもない。「ユーモアの意味を正しく理解していない人たち」と考えざる得ない。
こう書くと、「こういったこともサッカーの一部である。」、「日本人は心の余裕がなくなった。」、「度量が狭くなった。」と反論する人も出てくるが、他者を見下すような言動をとる人というのは、傍から見ると、「醜い人」、「小さい人」に思えるものである。相手を傷つけないことは当たり前であるが、同じように、自分のことも大切にしてほしいと思う。
関連エントリー 2008/11/20
もう一度行きたくなる日本のサッカースタジアム 10選 2008/11/21
もう一度行きたくなる日本のサッカースタジアム 番外編 2010/06/03
日本サッカーの偏差値を下げてしまっている人 2011/05/30
残念なジュビロサポーターの横断幕 2012/06/18
日本代表の応援にどこまで求めるのか? 2012/12/10
それ相応なフロントとサポーターの関係 2012/12/26
サッカーダイジェストとサッカーマガジン 2013/01/04
エル・ゴラッソの佐藤峰樹さんの騒動
- 関連記事
-