■ 第33節J1の第33節。14勝11敗7分けで勝ち点「49」の柏レイソルと、11勝15敗6分けで勝ち点「39」のヴィッセル神戸が日立柏サッカー場で対戦した。ACL出場を目指す柏は6位で、残留を目指す神戸は15位。14:30キックオフの試合で16位のG大阪が引き分けに終わったので、神戸はこの試合に勝つと残留が確定する。
ホームの柏は「4-2-3-1」。GK菅野。DF藤田優、増嶋、近藤、橋本。MF茨田、大谷、レアンドロ・ドミンゲス、田中順、ジョルジ・ワグネル。FW工藤。ユース出身で4年目のFW工藤は31試合で13ゴールを挙げている。また、MFレアンドロ・ドミンゲスは10ゴール、MFジョルジ・ワグネルは6ゴール、MF田中順は5ゴールを挙げている。
対するアウェーの神戸は「4-2-2-2」。GK徳重。DF奥井、北本、伊野波、相馬。MF田中英、橋本、野沢、小川。FW田代、大久保。こちらは西野監督を解任して安達監督が指揮を執るようになって2試合となるが、FW都倉が出場停止のため、FW田代がスタメンとなった。FW田代は16試合で6ゴール、MF小川は26試合で9ゴールを挙げている。
■ 柏がホーム最終戦を飾る試合はホームの柏のペースで進んでいく。復帰して2試合目となるMFレアンドロ・ドミンゲスを中心に攻撃を仕掛ける。勝つと残留が決まる神戸だったが、ボールを保持できずなかなかシュートまで持っていけない。そんな中、アクシデントが発生したのは前半37分で、ドリブルで中央を突破するFW工藤に対して後ろからMF田中英がチャージして引き倒すと、このプレーでMF田中英に2枚目のイエローカードが出て退場。神戸は10人となる。
0対0で迎えた後半も柏のペースとなる。ボールの保持率はさらに高まって、ハーフコートゲームのような感じで押し込んでいくと、後半26分にようやく先制ゴールが生まれる。左サイドでボールを受けたMFジョルジ・ワグネルが距離のあるところから左足でシュートを狙うと、これがコース隅に決まって柏が先制する。MFジョルジ・ワグネルは今シーズン7ゴールとなった。
最低でも勝ち点「1」が欲しい神戸は、後半36分に逸材と言われる高校3年生のMF松村を投入。すると、ロスタイムに右サイドでボールを受けたMF松村が積極的なドリブルから左足でシュートを放つが、これは惜しくも枠を外れて、同点とはならず。結局、試合は1対0でホームの柏が勝利してホーム最終戦を飾った。一方の神戸は、J1残留を決めることができなかった。
■ 柏は4位に浮上2年連続のACL出場を目指す柏がホームで貴重な勝ち点「3」を獲得した。前半で相手が10人となったので、非常に有利な状況となって、ボールポゼッションでも圧倒したが、DF伊野波を中心とした堅い守備の前に苦しんだが、MFジョルジ・ワグネルの左足がさく裂して、黄金の左足から決勝ゴールが生まれた。
この日は、MFレアンドロ・ドミンゲスは今一つの出来で、神戸の選手に囲まれてボールを失うシーンも多かったが、もう1人、試合を決めることのできるタレントを有しているのが、柏の強みである。距離のあるところからシュートを放ったので、難易度の高いシュートだったが、いいコースに飛んで行って、GK徳重も防ぐことはできなかった。
今シーズンも、優勝争いと残留争いに注目が集まっているが、ACL出場権争いも熾烈である。ずっと、浦和が3位をキープしてきたが、33節で鳥栖に1対3で敗れたため、5位まで転落して、ホームで鹿島に1対2で敗れた名古屋も6位まで順位を下げている。
鳥栖と柏と横浜FMが勝利したため、3位に浮上した鳥栖が勝ち点「53」で、4位の柏と5位の浦和と6位の名古屋が勝ち点「52」で、7位の横浜FMが勝ち点「50」となった。7位の横浜FMは苦しい立場であるが、最終節はホームで鳥栖と対戦するので、ここで勝つと、鳥栖を上回ることができる。柏は4位に位置するが、3位の鳥栖が引き分け以下に終わる可能性はあるので、最終節で鹿島に勝利して、出場権を獲得したい。
■ 残留を目指す神戸一方の神戸は、「勝つと残留が決まる。」という試合だったが、なかなかチャンスを作れなかった。11人対11人の状況でも劣勢だったが、前半37分にMF田中英が退場した後は、さらに苦しくなった。数的不利になった後、しばらくの間は、DF伊野波やMF橋本らが中心となって無失点に抑えていたが、MFジョルジ・ワグネルへのマークが少し甘くなったところを突かれて決勝ゴールを奪われた。
神戸は、試合を通して4本のシュートしか打てなかったが、もっともゴールの可能性を感じたのは、終了間際のMF松村のシュートである。ドリブルでシュートコースを作って左足を振り抜くと、相手ディフェンスの間を通ってゴール隅に決まりそうな軌道だったが、惜しくも枠の外で同点とはならなかった。しかしながら、ポテンシャルの高さを感じさせるプレーだった。
5月16日に行われたナビスコカップの清水戦で、「プロ初出場で初ゴールを決めた」として注目を集めたが、リーグ戦は初出場となるので、「秘密兵器」のような扱いとなったが、DFとして登録していたというのも、面白いところである。柏がどこまでの情報を得ていたのか分からないが、DF登録の選手がピッチに入ってくると、選手あるいはスタッフが戸惑う可能性もある。
結局、神戸は残留を決めることが出来ず、最終節にかけることになったが、優勝を決めた広島との対戦となる。相手がどれほどのモチベーションを持って戦ってくるのかで、難易度は大きく変わるが、引き分け以下に終わると、G大阪や新潟に追い抜かれる可能性があるので、勝たなければならない試合である。今シーズンの広島は守備も堅いので、難しい試合になると思うが、ホームのサポーターの後押しを受けて、早い時間に先制ゴールが欲しい。
西野監督の解任については、指揮を執った最後の数試合は、勝てそうな雰囲気が無かったので、「このまま、西野監督に任せていても、残留は難しい。」と考えて決断を下したと思うので、同意できるところもあるが、仮にJ2降格となると、大きな批判を浴びるのは、間違いない。最終節の広島戦は、神戸にとっても大事な試合となる。
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