■ 桃太郎のお話有名な「桃太郎」は、桃から生まれた桃太郎が、お婆さんからきび団子を貰って、イヌとサルとキジを従えて、鬼ヶ島まで鬼を退治しに行く物語である。「桃太郎」、「猿蟹合戦」、「舌切雀」、「花咲じいさん」、「かちかち山」の5つを『日本五大おとぎばなし』という。
桃太郎は紀元前3世紀頃に活躍した、第7代天皇・孝霊天皇の息子、吉備津彦命がそのモデルであると言われています。吉備津彦命は神武天皇の頃に、吉備を支配し人々を苦しめていた温羅を討ち、吉備の支配者になったという伝説があります。
温羅は元々は百済の王子でしたが、日本に渡り吉備の人々を苦しめていました。この温羅が拠点とし様々な悪事を働いた城を、人々は恐怖の意味を込めて「鬼の城」と呼んでいました。現在でも岡山県では鬼の城跡を見ることができます。
昔の人々は、鬼のように人々を苦しめていた温羅を討った吉備津彦命を讃え、この出来事を忘れないように「桃太郎」の話を作ったのでしょうか。詳しい資料や史実が残っていないため、吉備津彦命と温羅の物語が事実かどうかは分かりません。
http://iroha-japan.net/iroha/D02_folktale/02_momotaro.html
物語の成り立ちについては、さまざまな説があるというが、上のような話も伝わっており、全くのフィクションというわけではないようである。
#1 桃太郎のからくり博物館
■ 4年ぶりの岡山岡山をホームタウンに活動しているJ2のファジアーノ岡山も、「桃太郎」とつながりがある。ホームスタジアムの岡山県総合グラウンド陸上競技場は、以前は、桃太郎スタジアムと呼ばれていた。また、チーム名の「ファジアーノ」は、イタリア語で「雉(きじ)」を意味する。
私ごとではあるが、今回が、4年ぶりの岡山訪問となる。4年前の2008年に桃太郎スタジアムに来たときは、ファジアーノ岡山はJFLに所属していて、悲願のJリーグ昇格に向けてラストスパートに入っていた時期だったが、あれから4年が経過し、J2でも五分以上の成績を残せるチームに育ってきた。
J2初年度の2009年は18チーム中で18位と最下位に沈んだが、中堅選手やベテラン選手に頼り過ぎることなく、新卒の選手をたくさん獲得して、未来を見据えてチームを強化してきたことが、ここに来て実を結んでおり、MF千明、MF石原などが主力級に成長し、さらには、MF仙石、DF後藤、DF植田、FW川又など、他クラブでは力を出し切れなかった選手のポテンシャルを引き出すことにも成功している。
#2 Kankoスタジアム

J2は残り10試合となったが、岡山は12勝8敗12分けで勝ち点「48」を稼いでいて、「10位」に位置する。プレーオフ圏内となる6位の京都サンガとの差は「7」なので、逆転不可能な数字ではないが、成績もさることながら、今シーズンの岡山は、若い選手がアグレッシブにプレーして、エキサイティングな試合を見せている。
J2の中では、「旬なチーム」の1つと言えるので、地元がどういう風な感じになっているのか、興味があったので、ちょっと寄り道をして、大阪から岡山に向かった。新幹線を利用すると、新大阪から岡山までは約45分なので、あっという間であるが、今回は、青春18きっぷを利用して、のんびりと行くことを選択した。
長居から大阪までは約30分で、大阪から神戸を通って、姫路を超えて岡山に着くまで約3時間。あまり電車の接続が良くないので、思っていた以上に時間がかかった。ちなみに、岡山から広島へ行くのも、3時間くらいかかるので、「岡山→大阪」と「岡山→広島」は似たような距離であり、所要時間も同じくらいである。
#3 岡山駅
■ 倉敷美観地区久々の岡山ということで、「桃太郎」にちなんだところを回りたかったが、「鬼の城」などは、かなり遠くて、車が無いと大変なので、泣く泣く断念して、隣の倉敷市に足を運んでみた。岡山から倉敷までは、快速電車で約15分なので、すぐ近くである。
倉敷というと「観光地」として有名で、「美観地区」には、たくさんの観光客が訪れる。目指したのは「美観地区」であるが、倉敷市には、『西日本を代表する工業都市』という一面もあるという。ちなみに、東北楽天ゴールデンイーグルスの星野仙一監督は、倉敷市の出身で、「星野仙一記念館」は美観地区の中にある。
#4 倉敷美観地区(1)

このあたりは、江戸時代は幕府の天領だったということで、江戸時代から明治時代にかけての街並みが保存されており、落ち着いた雰囲気を味わうことができる。美術館などもたくさんあって、非日常的な空間である。
#5 倉敷美観地区(2)

美観地区の中にある「大橋家住宅」は、『倉敷町屋の典型を示す代表的な建物』で、国の重要文化財に指定されている。水田・塩田を開発して大地主となって、冨を蓄えたという。ここも観光名所の1つになっているが、正面から見ると、普通の家のようにも見える。
#6 大橋家住宅
■ kankoスタジアムということで、倉敷の美観地区を見て回った後、岡山に戻って、kankoスタジアムに向かった。前述のとおり、もともとは、桃太郎スタジアムという名前だったが、「カンコー学生服」をブランドとする尾崎商事が命名権を取得したため、「kankoスタジアム」と名前が変更になった。
kankoスタジアムは岡山駅の西口から徒歩で約15分の距離にある。東海道新幹線の主要駅で、ここまでスタジアムまでの距離が近いところは、横浜市の日産スタジアムくらいで、アクセスは抜群である。ほとんど一本道なので、迷う心配もないので、アウェーサポーターには優しいスタジアムである。
JRのダイヤを調べてみると、のぞみ98号は名古屋行きで、21:44に岡山駅を出発する。名古屋駅に到着するのは、23:20なので、名古屋の人でも、十分に日帰りでサッカーを楽しむことができる。
#7 岡山駅前

(後編に続く。)
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