■ 雨模様の西京極西京極での、京都サンガと清水エスパルスの対戦。試合前から雨が降り続いていて、真夏のナイトマッチとは思えないほどの寒さの中での試合となった。メインスタンドの観客は、子供とその保護者ばかり。もう少し、20代や30代の観客がほしいところだ。
清水のスタメンは、今シーズンのベストのメンバーが揃った。一方の京都は、新外国人のピニェイロが左サイドハーフでスタメン、DF角田が欠場で、DF登尾が右サイドバックに入った。
■ サンガが劇的な勝利前半は、清水のペース。MF兵働とMF藤本が再三、ペナルティーエリアの少し外側からミドルシュートを放つ。その精度も非常に高く、サンガはあわやの場面を多く作られる。FWパウリーニョの個人技には可能性を感じたが、左サイドバックの三上と左センターバックの児玉の連携が悪く、単純なパスミスも多かった。
前半は押され気味のサンガだったが、後半は持ち直す。主役は、右サイドハーフのMF加藤大志。FC東京の石川や、ジュビロ磐田のMF太田と同様、サイドのスペシャリストである。
石川ほどのダイナミックさはないが、小気味よいドリブルの切れ味は石川以上。クロスボールがどこに飛んでいくのか分からないあたりは、ちょっと石川に似ている。前半は、下がり気味で対応した山西の前に決定的な仕事は出来なかったが、後半になって、エスパルスの山西が勝ち点3を狙って攻撃参加をはじめると、加藤大志の活躍の場面が多くなってくる。
京都は、右サイドの奥のスペースは加藤の仕事場として、意識的にあけておく作戦。前半も、何度か、ボランチの斉藤から、右の加藤のスペース目掛けて、素晴らしいサイドチェンジのパスが飛んでいた。
■ 劇的な結末それでも、最後のクロスの精度を欠き、「0対0かな・・・。」という雰囲気になってきた、後半36分に、サンガが先制する。
MF中払の折り返しを、FWアンドレがボレーシュート。待望の先制点で盛り上がるスタンドだが、あっさりとエスパルスが追いつく。「やっぱり今日も勝てないか・・・。」という感じのスタンドだが、その直後のプレーでサンガがPKをゲット。
絶好のチャンスにキッカーはFWアンドレだったが、これをGK西部がファインセーブ。勝ち越しのチャンスを逃したサンガだったが、そのすぐ後、混戦からFWパウリーニョが執念の勝ち越しゴール。
パウリーニョのゴールの時間と第4審判のロスタイム表示の時間が重なって、何分のロスタイムなのか確認できない中だったが、加藤とパウリーニョがうまく時間を使って、そのまま2対1で終了。サンガは今シーズン2勝目を挙げた。
■ もう一歩のエスパルス京都にとっては、今シーズンのベストゲームだっただろう。いい試合をしていても、いきなり集中が切れて失点を喫して、勝ち点を取れないという状況が続いていただけに、この勝利は大きい。
MFピニェイロの能力はまだよく分からないが、FWアンドレは本物。ポスト役のアンドレと、自由に動き回るパウリーニョのコンビは、他チームの脅威になるだろう。不安視される守備でも、この試合はFWチョ・ジェジンを完封。徐々に、戦力が整いつつある。
エスパルスは、前線の二人がこの試合ではいまひとつだった。エスパルスには、いいタレントもいて、このままいけば、J1でも中位はキープできるだろうが、もっと上を目指すならば、やはり、爆発力が足りない。
- 関連記事
-