■ 第2節アルゼンチンではコパ・アメリカが開幕。当初は日本代表も参加する予定にしていたが、震災の影響でJリーグが延期になったこともあって不参加が決定。延期になった未消化分を7月で消化することになった。すでに、J1は13試合を消化しているが、この試合は第2節に予定されていた試合で、3月12日に開催予定の第2節となる。
ホームのアルビレックス新潟は2勝5敗6分けで15位。開幕4試合は2勝2分けと好スタートを切ったが、その後の9試合は0勝5敗4分けで、9試合未勝利が続いている。前節はホームでC大阪と対戦したが、終了間際にDF酒本に同点ゴールを許してドロー。16節の仙台戦に続いて、あと少しのところで勝ち点「3」を逃してしまった。
システムは「4-2-2-2」。GK小澤。DF酒井高、鈴木、千葉、石川。MF本間、菊地、三門、田中亜。FWミシェウ、ブルーノ・ロペス。日本代表のGK東口、韓国代表のMF曹永哲は怪我のため欠場。大分から加入のMF菊地はリーグ戦で3試合目のスタメン。MF田中亜もリーグ戦は3試合目のスタメンとなった。FWブルーノ・ロペスがチームトップの4ゴールを挙げている。
対するモンテディオ山形は、2勝9敗2分け。勝ち点「8」で17位と降格圏内に位置する。広島に2対3、横浜Fマリノスに0対2で敗れて、現在2連敗中。システムは「4-2-2-2」。GK植草。DF園田、西河、石井、小林亮。MF佐藤、船山、廣瀬、伊東。FW大久保、太田。山形では新加入のFW大久保が3ゴールを挙げて、チームトップ。
■ アルビレックスが快勝試合の立ち上がりから攻め込んだホームの新潟が前半13分に先制する。左サイドでMF田中亜が倒されてフリーキックを得ると、これをMF田中亜が自ら右足で決めて先制に成功する。MF田中亜は今シーズン初ゴール。J1通算では5ゴール目となった。
その後も新潟ペースで進む。FWミシェウがキレのあるプレーを見せて、攻撃をリードすると、前半25分ににコーナーキックからMF田中亜のグラウンダーのボールにFWミシェウが右足で合わせて決定機を作るが、惜しくもポスト直撃でゴールならず。対する山形はFW大久保を起点にゴールに迫っていくと、前半30分あたりからチャンスを作り始める。前半33分には右サイドからのクロスをFW大久保が頭で合わせるが、シュートはポスト直撃。前半は1対0で新潟がリードして終了する。
1点リードの新潟は、後半4分に追加点を挙げる。右サイドのDF酒井がオーバーラップしてクロスを入れると、FWブルーノ・ロペスがヘディングシュート。これはクロスバーに当たるが、ゴール前につめていたMF田中亜が頭で押し込んで2点目を挙げる。MF田中亜は2ゴール目。
ビハインドの山形は、DF石川、MF宮崎らを投入し、ゴールを狙うが、なかなかシュートまで持っていけない。結局、開幕戦のアビスパ福岡戦以来の複数ゴールをマークした新潟が2対0で勝利。10試合ぶりの勝利を飾って、勝ち点「3」を獲得した。一方の山形は3連敗。今シーズン10敗目となった。
■ MF田中亜土夢 2ゴールの活躍クラブワーストとなる「9試合勝利なし」と泥沼に入り込んできた新潟は、広島戦、仙台戦、C大阪戦と最近のホームは3試合は連続で終了間際に失点し、勝ち点を取りこぼす失態を演じており、嫌な流れを断ち切れずにいたが、MF田中亜の活躍で2対0で快勝し、今シーズン3勝目となった。
MF曹永哲、GK東口と主力中の主力がが怪我で離脱しており、厳しいチーム事情であるが、MF曹永哲の代役で左サイドの攻撃的MFに入ったMF田中亜が2ゴール。MF田中亜は、2007年にカナダで行われたU-20の世界大会で活躍したが、伸び悩み気味で、過去の5シーズンで4ゴールのみ。2ゴール以上を記録したシーズンもなかったので、1試合で2ゴールも自身初。殻を破る「きっかけ」となりそうな試合となった。
圧巻だったのは、1点目のフリーキックからゴールで、左サイドで直接狙うには難しい位置かと思われたが、思い切って右足で狙うと、ポストに当たるか、当たらないかのギリギリのコースを突いてネットを揺らした。コースが見事だったので、山形のGK植草はどうしようもなかった
■ FWミシェウが活躍新潟では、FWミシェウがキレのあるプレーを見せていたのも収穫で、FWミシェウ、MF田中亜、MF三門の3人が、うまくFWブルーノ・ロペスをサポートしてチャンスにつなげることができた。
オフに、MFマルシオ・リシャルデスが浦和レッズに移籍したので、FWミシェウは、今シーズンから10番を付けているが、イージーなミスが多く、10番らしい働きはできず。攻撃でブレーキになる試合が多かったが、この日は判断も正確で、運動量も多く、守備でも貢献した。
新潟では、攻撃に変化を付けられるのが、FWミシェウくらいなので、新潟にとっては重要な存在であるが、好不調の波が激しいのがネックで、全幅の信頼を置くのは難しいが、この日のようなプレーをコンスタントに続けるようだと、チームにとっては助かる。
■ MF菊地は低調なプレー一方、怪我等で出遅れていたMF菊地がボランチでスタメン出場。スタメンは今シーズン3回目で、MF本間とダブルボランチを組んで、どんなプレーを見せるか注目されたが、動きに本来の鋭さはなく、運動量も少なめで、MF菊地の良さはあまり発揮されなかった。
幸いにして、山形の中盤には、攻撃面で脅威になれる存在がいなかったので、大きな穴にはならず、無失点で切り抜けることはできたが、MF菊地の最大の長所であるアプローチの早さを見せるシーンもなく、FW大久保とのバトルで苦戦を強いられたDF鈴木をサポートすることもできなかった。もっと攻撃力のあるチームと対峙したら・・・と考えると、かなり不安になる出来だった。
■ FW大久保が奮闘一方の山形は、ロングボールを中心に反撃を試みて、試合の終盤にはゴール前に迫っていくシーンも作ったが、「決定機」と呼べるシーンはほとんどなくて、結局、最後までネットを揺らすことは、できなかった。
収穫といえるのは、最前線のFW大久保が奮闘していることで、190㎝の高さを生かしたプレーでしっかりと前線で起点になった。ロンドン五輪代表でレギュラーポジションを確保している新潟のDF鈴木大輔とのマッチアップが注目されたが、FW大久保が上優るシーンが多く、攻撃では、唯一、相手の脅威となっていた。
ただ、FW大久保の周りでプレーするFW廣瀬、MF伊東、FW太田あたりのプレーは物足りないレベルで、FW大久保の奮闘に応えることはできなかった。これで、山形は14試合で10ゴールとなって、リーグでワーストタイとなった。昨シーズンも34試合で29ゴールと少ないゴール数だったが、昨シーズンの数字も下回っており、このくらいの得点力のままであると、降格圏を抜け出すのは厳しい。
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