■ 女子W杯が開幕ドイツで開催される女子W杯が開幕。ニュージーランド、メキシコ、イングランドと同じグループに入っている「なでしこジャパン」が、初戦でニュージーランドと対戦した。
なでしこジャパンのFIFAランキングは4位で、グループBの中ではトップ。ニュージーランドは24位、メキシコが22位、イングランドは10位。日本としては、初戦のニュージーランド戦、第2戦のメキシコ戦に連勝して、イングランド戦の前にGL突破を決めておきたい。
佐々木監督率いる日本代表は「4-2-2-2」。GK海堀。DF近賀、熊谷、岩清水、鮫島。MF阪口、澤、大野、宮間。FW永里、安藤。2トップの一角のFW永里はドイツのポツダムでプレーしており、FW安藤は、ドイツのデュイスブルクでプレーしている。大黒柱のMF澤は、5大会連続でW杯メンバー入り。国際Aマッチで75ゴールを挙げている。18歳のMF岩渕はベンチスタート。
■ 日本は辛勝スタート試合は開始6分に日本が先制する。右サイドのMF大野が高い位置でボールを奪うと、裏に飛び出したFW永里に絶妙のラストパス。これを、FW永里が相手GKとDFと競り合いながら、うまく足で合わせてゴールに流し込む。幸先よく日本が先制に成功する。
これで日本ペースになるかと思われたが、その後は苦戦。前半12分には、左サイドを崩されて、クロスを上げられると、ファーサイドの選手にヘディングで決めて1対1の同点に追いつかれる。日本は、その後、MF大野が何度かゴール前でシュートチャンスを迎えるが決められず。前半は1対1で終了する。
暑さもあって、思うような攻撃ができない日本は、MF大野に代えて18歳のMF岩渕を投入。MF岩渕がドリブルで仕掛けるようになって、リズムがよくなってくる。すると、後半23分にそのMF岩渕のドリブルからゴール前の絶好の位置でフリーキックを得ると、MF宮間が直接ネットを揺らして、2対1と勝ち越しに成功する。
終盤にニュージーランドも同じような位置でフリーキックのチャンスを得るが、シュートは大きく枠を外れてしまう。結局、苦戦しながらも、日本が2対1でニュージーランドに勝利して白星発進。メキシコとイングランドの強いあが1対1のドローに終わったため、グループ首位に立った。第2戦でメキシコと対戦するが、勝つと決勝トーナメント進出が決定する。
■ 不安の残る戦い方FIFAランキングで4位まで上昇してきた女子の日本代表は、本気で優勝を狙える位置に来ているが、初戦は、想像以上に苦しんだ。前半6分にFW永里のゴールで先制したときは、もっと楽な展開になると思ったが、ドイツの暑さも影響して、動きが止まってきて、ニュージーランドに同点ゴールを許した。
2トップで先発したFW安藤は、精力的な動きでチャンスを作ったが、FW永里はボールを失う回数も多く、先制ゴールを決めたものの、今一つの出来。なでしこらしいパスワークもほとんど見られず、この先に不安を感じる内容だった。
■ ボランチのMF澤穂希大黒柱のMF澤穂希は、あと1つゴールを決めると、FW釜本邦茂の国際Aマッチの通算ゴール数に並ぶということで、今大会での記録更新が期待されるが、さすがに32歳になって、動きも落ちてきている。
ポジションは一つ下がって、ボランチとなったが、それでも、かなり自由に動いている。MF澤がゴール前に進出して、シュートシーンに絡むプレーは、チームの武器の1つなので悪いわけではないが、「上がり過ぎ」の感もあって、バランスは良くなかった。もう一人のMF阪口にかかる負担は相当に大きい。
先日、親善試合で対戦した韓国や、この日のニュージーランド程度のチームであれば、MF澤がポジションを開けていても大きな問題にはならないが、もっと攻撃力のあるチームと対峙したときは、かなり不安で、もっと強い相手になると「ボランチ・MF澤」のままでは、厳しくなる可能性は高い。今後、MF佐々木監督がどのようなチームマネージネントを行って、修正を図るか?上位に進出できるかどうかのカギとなるだろう。
■ 決勝ゴールのMF宮間あや嫌な流れになっていた日本を救ったのは、MF宮間のフリーキック。絶好の位置だったので、入りそうな予感が漂っていたが、キック精度の高さを見せて、期待通りにネットを揺らした。なでしこは、何度もMF宮間のフリーキックに助けられてきたが、この日も、MF宮間のプレースキックに救われる形になった。
グループBでは、日本の実力が№1なので、ドロースタートでも、GLを突破するチャンスは十分に残っていたが、グループBは、決勝トーナメントの1回戦でグループAの1位 or 2位のチームと対戦する。そのグループAでは、地元のドイツが首位通過することが確実視されているので、グループBで2位になってしまうので、いきなりドイツと対戦することになる。
日本としては、それだけは避けたいので、何としても、グループBを首位通過しなくてはならないが、もっとも組みやすい相手とみられていたニュージーランドに思わぬ苦戦。セットプレーではチャンスを作られていて、どう転ぶか分からない状況になっていたので、MF宮間のゴールは本当に大きかった。
■ 流れを変えたMF岩渕真奈決勝ゴールを生むフリーキックを得たのは、MF岩渕のドリブルで、MF岩渕が入ってから、日本は攻撃が鋭くなっって、チャンスができるようになった。
MF岩渕は、フル代表に入ってから、1年半ほどしか経っていないので、周りに遠慮しているのか、シュートが打てそうなところで、パスを選択するシーンも多く、十分にフィットしているとは言い難いが、ドリブルで1人・2人と簡単にかわしていけるのは魅力で、相手は警戒せざる得ない。
なでしこジャパンというと、これまでは、もっとパスが回るチームだったが、今回のチームは、そこまでチームとして成熟しておらず、ゴールを奪うには「個の力」が必要になってくる。今後、MF岩渕の「個の力」にも期待したいところである。
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