■ 第16節J2の第16節。6勝2敗1分けで首位に立つジェフ千葉と、1勝7敗1分けで最下位のFC岐阜の対戦。千葉は、ホームでは4戦全勝。ホームでの4試合で10ゴールを挙げている。
千葉は「4-2-3-1」。GK岡本。DF山口慶、竹内、ミリガン、青木良。MF佐藤勇、伊藤、太田圭、米倉、深井。FWオーロイ。MFマット・ラム、MFファン・ゲッセルはベンチ外。MF太田圭が右サイドでスタメン出場。MF深井はリーグトップタイの5ゴールを挙げている。
対するアウェーのFC岐阜は「4-2-2-2」。GK村尾。DF野田明、田中、秋田、野垣内。MF三田、橋本、菅、染矢。FW嶋田、押谷。FW佐藤洸、FW西川はベンチスタート。新加入のMFブルーノがベンチ入り。GK野田恭は怪我で離脱中。
■ ジェフが快勝試合は、立ち上がりからホームの千葉ペース。FC岐阜のミスに乗じて、立て続けにチャンスを作ると、前半29分にも高い位置でFC岐阜のDF秋田からボールを奪う。細かいパスをつないでから、MF米倉が右足でミドルシュートを決めて先制する。MF米倉は5試合ぶりのゴールで今シーズン4ゴール目。しかし、FC岐阜も反撃。前半34分にMF染矢のコーナーキックからDF田中が豪快なヘディングシュートを決めて1対1の同点に追いつく。DF田中は今シーズン初ゴール。前半は1対1で終了する。
追いつかれた千葉だったが、後半14分にMF深井がやや右寄りの位置でボールを持つと、ドリブルで相手をかわしてから左足で強烈なミドルシュートを決めて2対1と勝ち越しに成功する。MF深井は3試合連続ゴールで、リーグ戦は6ゴール目となった。
さらに、千葉は後半19分にもMF深井のコーナーキックからDFミリガンが決めて3点目を挙げる。DFミリガンはJリーグ初ゴール。ビハインドのFC岐阜は、途中出場のMFブルーノを中心に攻め込むが、何度かあったチャンスを生かし切れず。結局、3対1で千葉が勝利し、勝ち点「22」。首位を守った。一方のFC岐阜は1分けを挟んで6連敗。最下位に沈んでいる。
■ ホームは5連勝最下位のFC岐阜を3対1で破った千葉はこれでホームでは5連勝。アウェーでは5試合で2勝2敗1分けなので、イーブンの成績であるが、ホームで強さを発揮しており、混戦のJ2で首位をキープしている。
昨シーズンと比べると、FWオーロイが加入したのが大きいが、スタメンが固まっていて、落ち着いて試合に臨めているのも大きい。唯一、右サイドハーフだけは定まっておらず、MF太田圭にするのか、MFマット・ラムにするのか、MF伊藤にするのか、MF林にするのかというところで、ドワイト監督も悩んでいるが、怪我人も少なくて、他のポジションは完全に固定されている。
千葉はFWオーロイを筆頭に、年齢の高い選手が多いので、過密日程となる夏場を乗り切れるかという点で不安が残るが、コロコロとスタメンが変わるチームは、安定した成績を残すのは難しいので、ドワイト監督のメンバー固定は納得できるものである。
■ MF深井が1ゴール1アシスト千葉は、FWオーロイのゴールが止まっていて、4月24日のFC東京戦以来ノーゴールが続いているが、左サイドで起用されているMF深井が6ゴールを挙げて得点ランキングトップタイと好調で、攻撃を引っ張っている。昨シーズンまでは、スタメンだったり、ベンチだったり、起用方法が定まらなかったが、スタメンに固定されたことで精神的にも安定しており、見事に期待に応えている。
最近のサッカー界の傾向として、サイドハーフの選手は、利き足とは逆のサイドに置くことが多く、左利きであれば右サイド、右利きであれば左サイドに置くことが多いが、MF深井は左利きにも関わらず、左サイドで起用されている。最近のトレンドとは反対で、面白いところであるが、左サイドから、そのままのタイミングでクロスを上げるプレーでたくさんのチャンスを演出しており、大きな存在感を示している。
■ 新加入のMFブルーノが奮闘一方のFC岐阜は、先制ゴールを奪われるまでは消極的なサッカーで、ミスも多く、一方的に攻め込まれたが、先制ゴールを許してからは開き直ったのか、チャンスを作れるようになった。1対1に追いついてからは、MF菅が裏に抜け出してシュートを放つなど、逆転するチャンスもあった。ここ数試合と比べると、内容は良かったといえる。
目立ったのは、途中出場のMFブルーノ。6月初めにチームに正式加入したばかりであるが、すでに2試合目の出場。スピードもあるが、メリハリのある動きで、うまくボールを呼び込んでいて、20分強のプレー時間で、数回のチャンスを作った。
■ 中村太レフェリー首位のチームと最下位のチームの対戦となったが、両チームにそこまでの差はなく、共にシュート数も多く「熱戦」になったが、やや水を差したのがレフェリーで、中村太レフェリーの判定に対して、両チームがナーバスになって、スタジアム内も、時間が経つにつれて不穏な空気になった。後半に、千葉のF竹内が異議でイエローカードを受けたシーンが象徴的だが、流れを読めておらず、試合のテンポも悪くしてしまった。
サッカーの場合、マイボールなのか、相手ボールなのか、ファールなのか、ノーファールなのか、PKなのか、PKでないのか等、どちらともいえるケースも多く、気の毒なところもあるが、毅然とした態度で判定を下していれば、プレーヤーも、サポーターも、納得するものであるが、自信なさげで、試合をコントロールできなかった。前半にあったFWオーロイのゴール取り消しが発端で、明らかにおかしなジャッジが続いたという訳でもなかったが、ほとんどの判定に両チームからクレームがつくという最悪の展開になってしまった。
中村太レフェリーというと、昨シーズンの天皇杯でも笛を吹いていて、MF河野らが退場になるなど、大荒れとなった東京ヴェルディと町田ゼルビアの2回戦で試合を裁いていて、今シーズンから、本格的にJリーグでも笛を吹いているが、ここまでは、J2レベルとはいいがたいレフェリングが多い。ただ、32歳と若いレフェリーで、レフェリーの世代交代も必要な時期になっているので、これらの試合をバネにレベルアップを期待したいところである。
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