■ 第14節J1の第14節。2勝2敗4分けのアルビレックス新潟と、4勝1敗3分けのサンフレッチェ広島の対戦。
ホームの新潟は「4-2-2-2」。GK東口。DF酒井高、千葉、鈴木、石川。MF小林慶、本間、藤田、曹永哲。FWミシェウ、ブルーノ・ロペス。MF藤田が右サイドハーフ、DF石川が左サイドバック。MF曹永哲が怪我から復帰してスタメン出場。DF酒井高、DF鈴木、MF曹永哲がU-22代表チームに選ばれており、次節以降の4試合を欠場する。
対するアウェーの広島は「3-6-1」。GK西川。DF横竹、森崎和、盛田。MFトミッチ、中島、ミキッチ、服部、ムジリ、李忠成。FW佐藤寿。日本代表のDF森脇は出場停止。FW李忠成はリーグ戦で4ゴールをマークしている。DF水本は長期離脱中。MF森崎浩はコンディション不良で欠場。
■ サンフレッチェ広島が勝利試合は13:00キックオフで、暑さとの戦いとなった。序盤は両チームとも「省エネサッカー」で、動きの少ない展開となる。スローテンポで試合は始まったが、前半15分あたりを過ぎると、広島が、チャンスを作るようになる。一方の新潟はカウンターが中心。広島も「攻」から「守」への切り替えが今一つで、新潟もシュートチャンスを作るようになる。
0対0で迎えた後半開始から、新潟は、FWミシェウに代えて、FW川又を投入し、高さのある2トップに変更。後半はどちらかというと新潟ペースで進んでいく。やや劣勢となった広島は、MF高萩、MF石川、FW山崎を投入。フレッシュな選手を次々にピッチに送り出すと、彼らがいい動きを見せて、試合の流れを変えていく。
スコアレスドローも見えてきた後半44分。試合を決める決勝ゴールが生まれる。まず、新潟がカウンターのチャンスを迎えるが、DF酒井高の判断が遅れて中盤でボールを失うと、広島が逆カウンター。FW山崎がボールを運んで左サイドに流れたFW佐藤寿にパスを送ると、FW佐藤寿が得意の左足でミドルシュート。これが鮮やかに決まって広島が先制する。FW佐藤寿は今シーズン3ゴール目。
結局、試合は、広島が1対0で勝利。今シーズン5勝目を挙げた。
■ FW佐藤寿人が決勝ゴール0対0で終わりそうな雰囲気も漂う展開だったが、エースの決勝ゴールで広島が勝利。ここから、J1は連戦が続いていくが、幸先のいいスタートを切った。
試合を決めたのは、FW佐藤寿人。前半から、ペナルティエリア周辺で鋭い動きを見せており、あと一歩でシュートまで持ち込めそうだというシーンを何度も作っていり、新潟のDFがうまく捕まえきれていなかったが、最後の最後でフリーになってミドルシュートを突き刺した。
FW佐藤寿は、2008年シーズンから1トップでプレーしているが、今シーズンから、MF李忠成がシャドーに入るようになって、相手のマークも分散するようになって、チャンスシーンも増えてきている。これまでの試合は、なかなかチャンスに決めきれていなかったが、さすがの「勝負強さ」で勝ち点「3」をもたらした。
■ 途中出場の3人が奮闘広島は、怪我人も多く、MF青山敏、DF水本が離脱中。さらには、MF森崎浩、DF森脇も欠場。台所事情は厳しかったが、途中出場の3人が奮闘して、試合の流れを引き寄せた。新潟も、後半になると、FW川又、MF三門、MF田中亜を投入してきたが、3人共に動きはいまひとつで、ポジティブな変化を与えることができなかった。交代選手の働き具合は、対照的だった。
また、スタメンで起用されたDF横竹、DF盛田の両ストッパーも落ち付いた守備で貢献した。攻撃参加するシーンはほとんどなかったが、1対1の守備で粘り強い対応を見せた。選手が入れ替わっても、クオリティが落ちないことは、このチームの特徴の1つである。
■ 機能しなかった右サイド新潟は終了間際にミスから失点。次節から、五輪予選のため、主力3人がチームを離れるので、勝って流れをつかみたかったところであるが、厳しいスタートとなった。
シュートの本数自体はほぼ同じで、新潟にもチャンスはあったが、気になったのは、ラストパスの精度で見劣りしたことで、クロスも簡単に跳ね返されるシーンが目立った。広島のラストパスも狙いすぎて相手にカットされることは多かったが、新潟のラストパスは質の低いものが多く、有効ではなかった。
右サイドが十分に機能しなかったのも誤算で、右サイドハーフにMF藤田、右サイドバックにDF酒井高を起用。攻撃力のある選手を2枚並べてきたが、左サイドとコンビネーションも悪くて、ぎこちなかった。今後、DF酒井高が代表のため不在となるので、また、違ったコンビを起用することになるが、MF藤田を右サイドハーフで起用すると、サイドに張るタイプなので、うまく連携を取らないと、サイドバックは攻撃参加しにくくなる。
■ FWミシェウがブレーキ新潟はコンディション不良のため、スタメンから外れるのではないか?と言われてきたFWミシェウをスタートから起用してきたが、非常にミスが多くて、チャンスをつぶしてしまった。結局、前半だけで交代となったが、いい形で攻めているときに、安易にボールを失うことが多く、これでは、味方は信頼してボールを預けることが難しくなる。
後半から、FWミシェウを下げてFW川又を起用してきたが、FW川又もイマ一つで、FWブルーノ・ロペスと重なってしまうことが多く、ゴール前でクロスを合わせることができず、不本意なままで終わってしまった。しばらく、MF曹永哲がいなくなるので、FWミシェウ、FW川又といったところが頑張らないと厳しくなるが、不安な出だしとなってしまった。
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