■ J2開幕戦J2の開幕戦。昨シーズン6位の横浜FCと、18位のカターレ富山の対戦。横浜FCはオフにFW藤田祥、MFファビーニョ、DF飯尾、DF藤田優らを獲得し、J1再昇格を目指す。一方の富山は、FW長谷川、MF上園、MF長山、DF濱野、GK中川らチームを支えてきたレギュラー級の選手が引退し、新しいスタートを切った。
ホームの横浜FCは<4-2-2-2>。GK関。DF柳沢、飯尾、中野、宮崎。MFファビーニョ、カイオ、藤田優、佐藤。FW藤田祥、難波。MF佐藤は中央大学出身のルーキーで開幕スタメンを飾った。MFカイオがボランチの位置に下がって、FW藤田祥とFW難波の2トップ。44歳のFW三浦知はベンチスタート。
対するアウェーの富山は<3-3-3-1>。GK内藤。DF足助、吉井、池端。MF平出、西野、谷田、朝日、黒部、大西。FW苔口。ヴァンフォーレ甲府から移籍のDF池端、MF大西はスタメンスタート。アンカーはFC東京から加入のMF平出。MF黒部がトップ下で、FW苔口の1トップ。FW苔口は昨シーズン5ゴール。今シーズンから背番号「10」を背負う。
■ 黒部が決勝PK試合はアウェーの富山がペースを握る。<3-3-3-1>という特異なシステムが機能し、ダイナミックな展開からチャンスを作る。しかし、前半17分に横浜FCが先制する。左サイドのDF中野からのサイドチェンジのボールをMF藤田優が中央に頭で落とすと、富山のMF谷田がクリアを失敗。チェックにきたDF柳沢にボールが当たってゴール前でフリーになったFW藤田祥の元へ。フリーのFW藤田祥が落ち着いて左足で決めて先制する。
しかし、富山も前半32分に相手のミスを突いて同点に追いつく。横浜FCのDF宮崎のボールを奪ってカウンター。FW苔口が俊足を飛ばしてGKと1対1になると、最初のシュートは左ポストにはじかれるが、こぼれ球を自ら押し込んで同点ゴール。前半は1対1で終了する。
後半21分に横浜FCはFW三浦知を投入。しかし、富山は後半25分にロングパスで抜け出したFW苔口が相手のGK関に倒されてPKを獲得。これをMF黒部が決めて逆転に成功する。終盤はホームの横浜FCが攻め込むが、同点ゴールには至らず。結局、アウェーの富山が2対1で勝利。開幕白星スタートとなった。
■ <3-3-3-1>システムメンバーが大きく入れ替った富山が格上の横浜FCを下して好スタートを切った。
富山は昨シーズンの終盤から<3-3-3-1>というシステムを採用している。これは、大木武監督が今シーズンから京都サンガで採用しているシステムと同じであり、ヴァンフォーレ甲府で監督とコーチだった二人がチェレンジしているというのも面白いが、京都の場合、選手が接近していて、FWディエゴを中心にショートパスで崩そうとしているのに対して、富山はもっとフィールドを広く使っていて、同じ<3-3-3-1>でもスタイルは異なっている。この差はかなり面白いところである。
人の配置で言うと、表記上、アンカー(MF平出)と両ウイングバック(MF西野、MF谷田)が同じ「3」に組み込まれるのも興味深く、MF西野とMF谷田がどういう高さのポジションを取るのかが気になるところであるが、二人はかなり高めのポジションで、最終ラインに組み込まれることもなかった。かなり攻撃重視のサッカーといえる。
■ 背番号「10」のFW苔口キーとなるセンターラインは、センターフォワードにFW苔口、トップ下にMF黒部、アンカーにMF平出を置いているが、シーズンの始めにしては十分といえるほど機能しており、特にFW苔口は1ゴールに加えてPKもゲットし、大車輪の活躍を見せた。
FW苔口は2007年までセレッソ大阪でプレーし、2008年はジェフ千葉、2009年はセレッソ大阪でプレー。2010年からはカターレ富山でプレーしているが、出場機会を得たことでプレーも安定し、セットプレーのキッカーも務めるなど、多彩な力を示している。2年ほど前までは「Jリーグでもトップレベルといえる快足を生かせていない。」ということで非難されることも多かったが、ハードワークもできるようになって、見違えるような選手になった。
180㎝と高さはあるもののCFタイプではなくて、イレギュラーな起用方法ではあるが、スピードだけでなく、味方を使うことも上手くなっているので、攻撃においてもっとも重要な選手になった。
■ カイオのボランチ一方の横浜FCは黒星スタートとなった。注目されたのは、「MFファビーニョとダブルボランチを組むのは誰か?」という点であるが、岸野監督の選択はFWカイオ。フォワードでプレーすることの多かったカイオのポジションを下げて対応した。
かなり意表を突くものではあったが、といっても、もともと、MFカイオの本職は中盤であり、セレッソ大阪時代の2008年の終盤にクルピ監督がフォワードにコンバートした選手であり、運動量もあって、献身的なプレーもこなす。違和感は少ないのかもしれないが、
ただ、MFカイオが積極的に前に上がって行く分、MFファビーニョの攻撃参加が控えめになっていて、もったいないという感じもする。1試合目なので、しばらく様子を見る必要はあるが、まだ十分には機能していない。
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