■ 第22節 リーガエスパニョーラの第22節。FCバルセロナとアトレチコ・マドリーの対戦。バルセロナは19勝1敗1分けで勝ち点「58」。2位のレアル・マドリーが21節でオサスナに敗れたため、勝ち点差は「7」に広がって独走態勢に入った。リーガでは15連勝中で勝つと新記録となる。
ホームのバルセロナは<4-1-2-3>。GKビクトル・バルデス。DFダニエウ・アウヴェス、ピケ、アビダル、マクスウェル。MFブスケツ、シャビ、イニエスタ。FWペドロ、メッシ、ビジャ。FWペドロは12ゴール、FWメッシが21ゴール、FWビジャが14ゴールと3トップが爆発している。
対するアトレチコ・マドリーは9勝9敗3分けで2連敗中。南アフリカW杯の得点王でウルグアイ代表のFWフォルランが調子を落としており、この試合はベンチスタート。アルゼンチン代表のFWアグエロの1トップ気味の布陣。FWアグエロは今シーズン7ゴールを挙げている。
■ バルサが3対0試合は立ち上がりからバルセロナがボールを支配してアトレチコ・マドリーを圧倒する。
前半17分にFWメッシが右サイドからカットインし、横に流れながらシュートコースを左足でシュート。これが決まってバルセロナが先制。さらに前半28分にもFWビジャのスルーパスを受けたFWメッシが決めて2点リードを奪う。アトレチコ・マドリーは前半はシュート1本だけ。バルセロナが2対0とリードして折り返す。
後半開始からアトレチコ・マドリーはFWフォルランを投入。チャンスを作り始めるが、後半34分にもFWメッシのスルーパスからFWビジャがシュート。GKにはじかれたボールをFWメッシが押し込んで3点目。FWメッシは今シーズン4回目のハットトリックを達成。
結局、バルセロナが3対0で圧勝。リーグ新記録の16連勝を達成した。一方のアトレチコ・マドリーは3連敗。9勝10敗3分けと負けが先行してしまった。
■ バルサ圧勝ホームのカンプノウにアトレチコ・マドリーを迎えたバルセロナだったが、前半からアトレチコ・マドリーを圧倒し、3対0で勝利。まったく危なげない試合運びで16連勝となった。
シーズン当初はワールドカップ後遺症もあって思うような試合運びが出来なかったバルセロナであったが、国内リーグでは敵なしの状態で、22試合で70得点11失点。1試合平均で3ゴールを超えている。この試合の解説は元日本代表の岡田武史氏であったが、岡田氏も呆れるほどの強さであった。
この試合はMFプジョルが欠場したことでDfアビダルがセンターバックに回って、DFマクスウェルが左サイドに入ったが、スキがありそうなのは左サイドバックのMFマクスウェルくらいであり、怪我人も少ないのでメンバーも変わらず連携も申し分ない。
■ メッシがハットトリックアルゼンチン代表のFWメッシは3ゴールを挙げてハットトリックを達成。今シーズンは19試合で24ゴール目。22試合で24ゴールを挙げているレアル・マドリーのFWクリスチャーノ・ロナウドと超ハイレベルな得点王争いを繰り広げており、リーガ記録のシーズン38ゴールの更新も十分に考えられる。
1点目のドリブルからのシュートは、今シーズン、もう何度も見た形からのゴールであり、アトレチコ・マドリーのDFもFWメッシにくらいついてきたが、相手DF3人を外して左足でシュート。このあたりでFWメッシがボールを持ったらどうしようもない。
南アフリカW杯のアルゼンチン代表のように、メッシ・メッシ・メッシのチームだったならば、現代サッカーのレベルであれば何とか対応することも出来るが、バルセロナはFWメッシだけのチームではなく、流れるようなパスワークからFWメッシにいい状態でボールを渡す作業も苦にしない。3トップの真ん中に入っているというのも相手にとっては厄介であり、今のところ、手の打ちようはない。
相手の良さを消すことに長けている解説の岡田氏は「ゾーンで守るのは無理なので、思い切ってマンマークにしたらどうか?」という感想を述べていたが、普通に守っていたら、3点や4点は取られてしまう。
■ メッシはマラドーナを超えるか?90年代の中盤以降、アルゼンチン人で才能のあるアタッカーは、例外なく、「マラドーナ2世」という有り難くない形容をされてきた。覚えているだけでも、MFオルテガ、MFガジャルド、MFアイマール、FWリケルメ、MFダッレサンドロ、FWサビオラといった有名どころが、20歳前後の頃から才能が高く評価されて「マラドーナの後継者」と言われてきた。
それぞれ、アルゼンチン代表になって欧州のクラブでも活躍したが、本当の意味でマラドーナに近づけた選手はいなかったが、ここ最近のメッシは「いつかマラドーナを超えるのでは?」と思わせるだけのプレーを見せている。(そうなるためには、クラブチームだけなく、代表チームを世界一に導く必要があるが・・・。)現代にも「超」のつくスーパースターは何人かいるが、彼らのシーズンのベストプレー集のトップ5に入りそうなプレーを、FWメッシはたったの1試合で表現することが出来る。
残念ながら、マラドーナの時代は今ほど幸せな時代ではなかったので、マラドーナのプレーはリアルタイムで見ることはかなり難しかった。よって、簡単に比較するのは難しいが、マラドーナは本当に今のメッシ以上のプレーをしていたのだろうか?だとしたら、凄すぎるが・・・。
関連エントリー 2008/02/03
欧州至上主義を憂う。 2009/05/08
夢のようなサッカーが「未来のフットボール」にならなかった理由 2009/10/20
FWダヴィのせつないカタール生活 2010/10/07
フットボール史上最高のプレーヤーは誰か?を考える。 2010/12/23
意外と高かったJリーグの枠内シュート率 2010/12/22
意外と高かったJリーグの枠内シュート率 (欧州5大リーグ_個人別)
- 関連記事
-