■ グループC カタールで行われるアジアカップは1月7日に開幕する。
グループCに入ったのは、
・ 韓国 (40位)
・ オーストラリア (26位)
・ バーレーン (93位)
・ インド (142位)
の4チームである。
① 韓国
→ 日韓大会で4位、南アフリカ大会でもベスト16と結果を残した韓国代表であるが、近年、アジアカップでは結果は残していない。1956年、1960年と2連覇を果たしているが、以後、アジア制覇の経験はなく、1992年が予選落ち、1996年がベスト8、2000年と2007年が3位、2004年がベスト8と日本やサウジアラビアと比べると、大きく見劣りする。その理由としては、韓国が中東の国を苦手としてことが挙げられる。
メンバーは日本でもおなじみの顔が並んでいるが、注目はやはりMFパク・チソン。イングランドのマンチェスター・ユナイテッドでプレーする国民的スター選手は、リーグで首位を走るメガクラブでも11試合に出場して4ゴールと結果を残している。今大会限りでの代表引退を示唆しており、初のアジア制覇へモチベーションも高いだろう。同じくプレミアリーグのボルトンでプレーするFWイ・チョンヨンも18試合に出場して2ゴール。主力として活躍している。
また、セルティックのMFキ・ソンヨンにも注目したい。1989年生まれのロンドン世代で186㎝と長身のプレーメーカーで精度の高い右足のキックを持つ代表の中心選手である。Jリーグ組は京都サンガのDFカク・テヒ、セレッソ大阪のGKキム・ジンヒョンとMFキム・ボギョンの3人。2010年途中まで鹿島アントラーズでプレーしていたDFイ・ジョンスもメンバーに入っている。
不安材料はFWパク・チュヨンの不在。フランスの強豪のモナコで17試合で6ゴールとチームのエースストライカーとして活躍しているが、ゴール後のパフォーマンスのときに負傷し、メンバー決定後に辞退することになった。日本と同様にアタッカータイプは豊富であるが、センターフォワードタイプは人材を欠いており、ゴールゲッターの出現が待たれるところである。
② オーストラリア
→ FIFAランキングはアジア最高の26位。南アフリカ大会では1勝2敗でグループリーグ敗退に終わったが、日本と同組になった2006年ドイツW杯では1勝1敗1分けで突破。ベスト16入りを果たした。長らくオセアニアに所属しており、W杯出場は1974年、2006年、2010年の3回のみである。
2006年にアジアサッカー連盟に加入し、アジアカップは前回の2007年大会が初出場。優勝候補と言われたが、準々決勝でワールドカップのリベンジに燃える日本にPK戦の末に敗れてベスト8どまりだった。南アフリカ大会のアジア最終予選では日本と同グループになって、1勝1分け。すでに両国とも本戦出場が決定していたオーストラリアでの試合で2対1の勝利を飾っている。
大黒柱はプレミアリーグのエバートンでプレーするMFケーヒル。19試合で9ゴールを挙げており、プレミアリーグの得点ランキングで4位と好調を維持している。「日本キラー」としても知られており、2006年のドイツ大会で2ゴール、2008年のアジア予選でも2ゴールと、劇的なゴールを挙げている。イングランドのリーズ等でプレーし、世界的なアタッカーだった国民的スターのFWハリー・キューウェルもメンバーに入っているが、すでに32歳になっており多くは期待できない。
不安材料はチームの高齢化である。FWキューウェル、MFケーヒル、MFクリナ、DFエマートン、DFニール、GKシュウォーツァーらお馴染みの選手は30歳を超えており、若い世代にタレントは少ない。さらには、2010年のJリーグの得点王である名古屋グランパスのFWケネディも怪我で欠いている。今大会では生きのいい若手の台頭が望まれる。
チームを率いるのは2007年、2008年に浦和レッズを指揮したオジェック氏。浦和ではアジアを制覇したが、リーグ戦では結果を残せずに2008年のシーズン開幕まもなく、解任されてしまった。Jリーグ組では浦和のDFスピラノビッチがメンバーに入っている。ベテランのDFニールと、2010年のアジア最優秀選手のDFオグネノフスキの壁は高く、出場機会はなかなかめぐってこないかもしれない。
③ バーレーン
→ W杯出場はないが、2010年の南アフリカ大会の予選では、プレイオフ出場決定戦でサウジアラビアを下し、ニュージーランドとの大陸間プレーオフに進んだが、惜しくも敗退。悲願の本大会出場はならなかったが、近年、着実に力をつけている新興勢力であり、日本ともたびたび対戦しているお馴染みの国である。
持ち味はフィジカルの強さを生かした堅い守備とカウンターであり、日本も苦戦することが多かった。アジアカップ予選では同じグループに入っており、1勝1敗。2009年1月にカタールで行われた試合はカタールが1対0で勝利し、2010年3月に行われた試合は日本が2対0で勝利している。アジアカップ予選ではFWイスマイールが5ゴールを挙げている。
背番号「10」を背負うのが、日本でも名前が知られているMFサルミーン。2005年3月に埼玉スタジアムで行われたドイツ大会のアジア最終予選の後半にクリアし損なってオウンゴールを献上し、0対1で敗れたことで悲劇の主人公となった。
アジアカップは3大会連続4回目。印象的なのは2004年大会で4位になっているが、準決勝でジーコジャパンと対戦。前半に不可解な判定でMF遠藤保仁がレッドカードで退場するアクシデントが発生し苦しい戦いになったが、試合終了間際にDF中澤佑二のヘディングシュートで追いつくと、延長戦でFW玉田が決勝ゴールをマーク。4対3で日本が勝利したが、大会屈指の好ゲームとなった。今大会は、オーストラリア、韓国と同じグループに入っているが、番狂わせを起こすだけのポテンシャルはある。
④ インド
→ 人口が12億人と言われる大国であるが、サッカーの実力は今一つ。FIFAランキングは今大会に出場するチームの中では最も低い142位であり、大会最弱国という評価になっている。アジアカップは7大会ぶり3回目。1964年のアジアカップで準優勝を果たしているが、W杯出場経験はない。
今大会の出場を決めたAFCチャレンジカップでは。アフガニスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ミャンマーといった国と対戦し、見事に優勝を果たしている。
チームを率いるのはイングランド国籍を持つボブ・ホートン氏であるが、名前を知られている選手は少なく、グループリーグで勝ち点を取れれば大きな成功といえるだろう。
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