■ 初めての代表入り岡田監督は「1度何かしたらノーチャンスというのはどうか。小さい過ちを犯して反省してない人より、大きな過ちを犯して反省している人の方が立派という考え方もある」と話したという。
この考え方は間違いではない。彼は、事件を起こしてクラブから解雇された。プレーする機会を失った。1年間の出場停止処分を受けた。あの時点で全てのものを失った。
大分に加入してからの菊地のプレーは、十分に代表入りするだけの資格のあるプレーを続けていたのも事実である。B代表的な編成ではあるが、1984年生まれで最年長になるMF菊地をこのタイミングで呼んだというのは、岡田監督が、相当に期待をかけていることの証明だろう。「反省していないのではないか?」という声も聞こえるが、本当に反省していなかったならば、中途半端な気持ちでプレーしているのであれば、あれだけのパフォーマンスは出来ないだろう。
岡田監督にとってもかなりのギャンブルである。召集すれば、非難を浴びることは確実であるからである。一方で、召集しなければ、周囲の雑音に惑わされなくても済むのである。召集しない方が、何かと都合がいい。ただ、それだけのリスクを背負いながらも、日本代表に呼ぶだけの価値を示していたということだろう。
■ 2007年6月の出来事事件が発覚したのは、2007年6月14日のことである。木曜日の出来事だったと思うが、偶然にも、その2日後の16日の土曜日に、日産スタジアムで、当時、J1だった横浜FCとジュビロ磐田の試合を観戦することになっていたので、なおさら驚いた。
当日、その試合の空気は尋常ではなかった。サッカー界では前代未聞の不祥事であり、MF菊地の同期のMF成岡の同点ゴールが決まっても、FW前田遼一の逆転ゴールが決まっても、ジュビロ磐田のイレブンには笑顔は無かった。通常よりもはるかにマスコミの数ははるかに多く、異様な雰囲気だった。異常な雰囲気だった
この事件でジュビロ磐田が失ったものは、1人の日本代表クラスのボランチだけでなく、他にも多くのものを失った。それは、サポーターと選手間の信頼関係であったり、表立って見えないものも含んでいた。その部分も忘れてはならない。
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ただ、あれから、まだ2年半しか経過していない。時間が経てが、その傷が癒えるというわけでもないが、時期尚早だったような気もする。非常にデリケートな話である。
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初めてコメントさせていいだきます。
岡田さんの選手選考については、このインタビューが興味深いかと。(それ以外でも岡田武史という監督がわかるかもしれない)
http://money.jp.msn.com/newsarticle.aspx?ac=IT20091214010&cc=07&nt=25
人にどう思われるとか、人にどう思われたいとか、それを考えて選考することはないと、それじゃダメだと。
磐田サポーターですが、菊地に関しての考え方は変わりません。
まず、反省してるかどうかに関しては、彼は一年間の出場停止期間を利用して海外でプレーした「逃亡犯」です。道義的に許されることではありません。
「本当に反省していなかったならば、中途半端な気持ちでプレーしているのであれば、あれだけのパフォーマンスは出来ないだろう。」
との意見にも同意できません。彼はサッカー選手として一流なのは知っていますし、そもそも彼が悪いことをしたという自覚があるかどうかも疑問です。
お金をもらってサッカーをするということの責任をもっと重く受け止めるべきです。彼の逮捕でジュビロはネスレ日本という大スポンサーを失いました。そしてその後の低迷はご存知のとおりです。
正直岡田氏の見識を疑います。
J3様
いつも楽しく拝見させて頂いております。
今回が初のコメントとなります。
貴殿と同じく、菊池の召集は妥当の範疇にあったと思います。
但し、直前の記事にてメディアの退化を論じる程の貴殿でありますから、このような明らかな色者選考に論の矛先をぶつけるべきでないと感じました。
つまり、勿論彼の召集が論議の的となるべきと存じますが、それよりも鹿島の野澤、小笠原が候補100人にすら入っていないという現実に、日本代表選考の歪みを感じざるを得ません。そういった事象に目を向けず、何故この記事をお書きになったのでしょうか。
貴殿は商業マスコミではありませんから、バイアス無しに記事を書ける筈ですし、今やサッカーファンに対し多くの影響を与える、更に言えば啓蒙出来るだけの影響力を持つメディアと認識しております。
僕は貴殿のように、自らの意見を常日頃からどこかに発表する立場ではありません。そういう意味では完全に分不相応な批評と存じますが、何卒長文乱文をご容赦下さいませ。
これからのご活躍を心よりお祈りしております。
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