■ 第47節10月25日に行われたJ2の第47節。まさかの8連敗中の水戸ホーリーホックがアウェーでカターレ富山と対戦。富山もここ11試合で1勝8敗敗2分けと低迷中。1つでも順位を上げてシーズンを終えるためにも、ホームで勝ち点「3」が欲しい試合である。
ホームの富山は<4-3-3>。GK橋田。DF西野、舩津、堤、中田。MF野嶋、上園、川崎。FW木本、永冨、石田。GK中川、MF朝日、FW長谷川の主力3人は怪我で欠場。FW永冨を中央に置いて、その脇をFW木本とFW石田が走り回るイメージの3トップ。MF永山が欠場し、MF上園がボランチに入る。
対するアウェーの水戸は<4-4-2>。GK本間。DF保崎、星野、大和田、小澤。MFキム・テヨン、菊岡、遠藤、堀。FW吉原、荒田。19ゴールを挙げているFW高崎は欠場。MFキム・テヨンの1ボランチ気味でMF菊岡、MF遠藤、MF堀が前目に位置する。DF星野は7試合目のスタメン。
■ 水戸が逃げ切り試合は前半からアウェーの水戸が優勢。後半15分過ぎからビッグチャンスを立て続けに逃した後の前半20分に、右サイドからのクロスをFW荒田が決めて先制、さらに、その直後にもFW吉原がミドルシュートを決めて2対0とリードを奪う。FW荒田は9試合ぶりのゴールで13点目。FW吉原は10試合ぶりのゴールで9点目。前半は2対0で終了。
富山は後半18分にスーパーサブのFW桜井を投入。すると、後半22分にFW桜井の突破からPKを獲得。DF西野が決めて1点差に迫る。しかし、水戸は後半32分に中央に入り込んだMF堀がヘディングシュートを決めてで3対1と突き放す。MF堀は今シーズン初ゴール。
1対3となった富山は後半37分にFW石田のゴールで再び1点差に迫るが、反撃はそこまで。結局、3対2で水戸が勝利し、連敗を「8」でストップさせた。富山は3連敗となった。
■ ようやく連敗ストップ第3クールの初戦でC大阪にアウェーで勝利。J1昇格レースに食い込む勢いだった水戸であるが、ここから1勝2分けの後、失意の8連敗。5試合連続のノーゴールと、どうしようもない状況だった水戸であるが、ようやく攻撃陣が爆発して3対2の勝利を飾った。
FW高崎は欠場したものの、FW荒田とFW吉原が1ゴールずつ。サイドアタッカーのMF堀もゴールを決めて計3ゴール。守備陣もDF大和田を中心に踏ん張って、久々に攻守がかみ合った試合を見せた。2対0の状況から1点差に追い上げられたときはチームが浮き足立ったが、MF堀の3点目のダメ押しゴールが大きかった。
■ ホーリーホックのサッカーに感じたもの①第3クールの2試合目となる36節の岡山戦で4対2の勝利を飾った後、水戸は10試合で8敗2分け。この間の10試合で4得点20失点。これでは勝てないのも仕方がない数字である。
J2では降格という制度が無いという理由もあって、中位以下のチームの中で「引いて守ってカウンター」という現実的なサッカーを見せるチームはほとんどなく、それぞれが自分たちの色を出して戦おうとする。下位の横浜FCしかり、栃木SCしかり、ファジアーノ岡山しかり。
むしろ、仙台や甲府、湘南といった戦力的に優位の上位クラブの方が堅いサッカーを見せる印象がある。これは、移行期間特有の現象であると思われるが、いずれにしても失うものの無いチームがアグレッシブに戦える土壌があることが、ここ数年のJ2の全体的なレベルを促したことは否定できない。
その点で言うと、水戸のサッカーはかなり現実寄りである。これは木山監督のサッカー哲学にも関係するかもしれないが、つなぐサッカーやキレイなサッカーを志向しておらず、トップのFW高崎にまず当てて攻撃をスタートさせる現実的なサッカーである。かつての国見高校も「ロングボールが多過ぎる。」、「フィジカルに頼ったサッカーをし過ぎる。」といわれたが、系統的には水戸のサッカーもよく似ている。
■ ホーリーホックのサッカーに感じたもの②残念ながら、水戸は急失速してしまった。もし、水戸が最後まで昇格レースに食い込んでいたら、木山監督のサッカースタイルはもっと大きくクローズアップされたはずであるが、こういう状態になってしまったので、木山監督のサッカーが正しかったのか、昇格を狙えるだけのものがあったのか、疑問視される部分もある。
188cmのFW高崎のフィジカルの強さはJ2レベルを超えており、彼のストロングな部分をクローズアップさせる攻撃のやり方はは正しいが、あまりにもそれだけに頼り過ぎた感もある。FW高崎といえども過密日程の中、あれだけ前線でハイボールの勝負をしなければならないと疲労してしまう。実際にここ4試合はコンディションが不良でスタメンからも外れている。彼のパフォーマンスがダイレクトに成績に結びついたともいえる。また、攻撃が一本調子だっただけに、相手にとっては研究しやすかったともいえる。
ここ数年、「ボールも人も動くサッカー」がもてはやされている。「ボールも人も動くサッカー」をしていればOKというような風潮もあるが、それとは真逆である。FW高崎はレンタルの身なので浦和レッズへの復帰が濃厚であり、木山監督の去就も分からないが、もし木山監督が留任ということになれば、同じような思考のもとで、ちょっと違うアプローチを試みてほしいところ。花開く可能性があると思う。
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