■ 第30節10月24日に行われたJ1の第30節。一日でも早く残留を決めたいヴィッセル神戸がアルビレックス新潟と対戦。新潟は上位に食らいつくためにも落とせない。
ホームの神戸は<4-2-2-1-1>。GK榎本。DF石櫃、河本、北本、松岡。MF金南一、宮本、朴、吉田。FWボッティ、茂木。FW大久保はコンディション不良でベンチスタート。
アウェーの新潟は<4-2-2-2>。GK北野。DF内田、千代反田、永田、松尾。MF本間、三門、マルシオ・リシャルデス、松下。FW大島、矢野。DFジウトンは出場停止。
■ 松岡の決勝ゴール試合は両チームともに慎重な試合運びを見せる。ホームの神戸が主導権を握るが、アタッキングエリアでの精度を欠いて決定機は作れず。前半は0対0のままで終了。
神戸は、後半21分にFW大久保、後半29分にFW我那覇を投入。フォワードの枚数を増やした神戸は後半31分に右サイドからFW茂木がクロスを送り、中央に入り込んでいたDF松岡が反転して見事なシュートを決める。DF松岡はJリーグ初ゴール。
結局、伏兵のゴールを守り切った神戸が1対0で勝利。神戸は6試合ぶりの勝利を飾った。
■ J1残留に大きく前進大きな勝利を挙げた神戸は勝ち点「37」。16位の柏との差は「10」となって、次節にも残留が決定する可能性が出てきた。ここ5試合は勝利が無く、実に2ヶ月ぶりの勝利。FW大久保を欠く中で、貴重な勝ち点「3」となった。
カイオ・ジュニオール監督から和田監督を経て、三浦監督が就任。激動のシーズンとなったが、三浦監督になって、チームが落ち着いた。札幌時代は背の高い選手とFWダヴィの走力を生かしたリアクションサッカーがメインであったが、神戸で見せているサッカーは、いい意味で三浦監督らしくないサッカーである。
FW我那覇が本調子ではなく、トップに大型の選手がいないという事情もあるが、前線はFW吉田やFW茂木といった機動力のある選手を重視し、そこにMFボッティとFW大久保を絡めて攻撃するスタイルは、三浦監督らしくない新鮮なサッカーである。「三浦サッカーというとこういうスタイル」という色があったが、いろいろなチームを渡り歩いて、幅が広がっているような感じは受ける。
おそらく、オフには三浦監督好みの選手を連れてくるはずである。比較的、資金力のあるチームであるだけに、来シーズンは変身する可能性はある。
■ 久々の我那覇今シーズンから神戸に加入した元日本代表のFW我那覇は後半途中から出場。カウンターから何度かチャンスをつかんだが決め切れず。今シーズンは11試合ノーゴールとまだ結果は出ていない。
3年ほど前、オシムジャパンではレギュラーポジションをつかみかけていたが、いろいろな騒動があて、ここ数年は思うような結果が残せていない。まだ29歳であり、全く老け込む年ではないが、一度、道から外れるとリカバーするのは難しく、FW我那覇も度重なる怪我があって、非常に苦労している。
まずは、ベストコンディションに戻すことが先決。もしかしたら、来シーズン、神戸では居場所は無いかもしれないが、働き場所はいくらでもある。
■ 2トップと3トップ一方の新潟は2試合連続で0対1の敗戦。これで、優勝争いとACL出場権争いから大きく後退した。シーズン当初は、FWペドロ・ジュニオール、FW大島、FW矢野の3トップが機能し、新しいサッカーを見せていたが、FWペドロ・ジュニオールが退団し、2トップに戻したことで、普通のチームに戻ってしまった印象がある。
確かに、FW矢野とFW大島の2トップは面白い組み合わせであり、相手にすると嫌な2トップではあるが、上位を争うチームの2トップとしては、やや爆発力の点で物足りない。特に、FW大島はここまで30試合全てに先発出場しているが、わずかに2ゴールのみ。チームが困ったときにどのように得点を奪うかが、今の状況でイメージしにくい。
■ 鈴木淳監督とは契約更新せず終盤戦で2連敗。まだ、3位以内の可能性は残っているが、残り4試合の段階で、クラブは鈴木監督ト来シーズンは契約しないことを発表した。
今シーズンの6位という成績は立派な成績であり、4年間の実績を考えると引く手あまたの監督であることは間違いないので、本人が契約更新を拒否したのか、それとも、フロントが契約更新を拒否したのか、どちらに主導権があったのかは分からないが、いずれにしても、来シーズンは新体制でのスタートとなる。
鈴木監督は新潟で4年目。反町監督という地元では圧倒的な人気を誇るカリスマ監督の後を受けて、非常に難しい立場でのスタートとなったが、この4シーズンで残した結果は見事である。14位、6位、13位という結果で、ほとんど残留争いに参加することもなくシーズンを過ごしたという事実は、地方のクラブとしては、申し分ないものである。
■ アルビレックスの限界点来シーズン以降、どういう構想でチーム作りを行うのか分からないが、新潟の現在は難しい立場であることは間違いないところである。
例えば、今シーズン、このまま6位という順位で終わったとしたら、来シーズンは、ACL出場権獲得、ナビスコ等のタイトル獲得、といったあたりが現実的な目標となるが、地方のハンディキャップもあって、ここから先、上へ上へと突き進むのが正解なのかは断言できないところである。
鈴木監督が4年間という比較的、長い間、政権を握ってきたが、観客動員は2008年あたりから徐々に減ってきていて、ホームゲームが満員になることは少なくなってきている。クラブの成績も落ち着いてきているのも観客動員の減少の一因になっているのかもしれないが、お客さんの中にもマンネリ感は生まれてきている。
ここで、来シーズン、一気にタイトル争いに加わるようなことがあれば、再び、ビッグスワンが埋まるようになる可能性は高いが、今、ギャンブル的な補強をしてまで、上を目指すべき時期なのかは、はっきり言って分からない。これから、もう一段上のビッグクラブを目指すのか、このままの位置をキープし続けることを目標にするのかは、クラブが選択することである。上を目指すことも簡単ではないが、この位置をキープし続けることも、そう簡単ではない。
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鋭いご指摘だなあと、感服しながら拝読いたしました。
私は新潟サポですが、実は同じようなことを思っておりました。
優勝を狙える、ACLを目指せる、という騒ぎの中、でも実際にACLとなったりとなった場合、はたしてどこまで新潟は対応できるんだろうと懸念する自分がおりました(こんなことを言うと、ほかのサポの方に怒られそうですが)。
過密スケジュールに選手は対応できるのか、遠征費は捻出できるのか、サポはどこまで海外のスタジアムに駆けつけるのか。
どれもこれも地方の零細クラブ故の悩みなんですよね。
でも一方で、ここらで爆発的な快挙を成し遂げないと(J1に昇格した時のような)、なんとなく宙ぶらりんな状態になってしまっているのも事実。
こんな空気が蔓延して、選手たちの移籍志望につながりはしないかと心配しています。
鈴木監督も来年は契約しないとのことですし、このシーズンオフは相当メンバーが入れ替わってしまうのかな、なんていう懸念でいっぱいです。
そう言いながらも、残り3試合+天皇杯はぜひとも頑張ってもらいたいわけです。何らかのトロフィーを新潟に持ち帰ってもらえれば、それはとても幸せなことなわけです。
それがサポというもんなんだと思うのですが。
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