■ 46節10月21日の水曜日に行われた愛媛FCとカターレ富山の対戦。愛媛FCはバルバリッチ就任後、まだ白星が無い。チームとしても、8月30日の東京ヴェルディ戦以来の勝利を目指す。
対するカターレ富山はここ10試合で1勝7敗2分け。ここに来て、苦しい戦いが続いている。
ホームの愛媛FCは<4-3-3>。GK山本。DF関根、柴小屋、チアゴ、三上。MF渡邊、永井、赤井。FW内村、ジョジマール、ドド。いつもの<4-2-2-2>から3トップに変更。
アウェーの富山も<4-3-3>。GK橋田。DF西野、舩津、堤、中田。MF野嶋、川崎、上園。FW木本、永冨、石田。FW長谷川、GK中川は怪我で欠場中。こちらも3トップを採用。
■ 9試合ぶりの勝利試合はホームの愛媛FCが優勢。富山の3トップが機能しないのとは対照的に、愛媛FCの3トップはまずまずのプレーを見せる。しかし、FWジョジマールが決定機に決められず、前半は0対0で終了。
後半も愛媛FCペースで進んで、後半24分に左サイドからセットプレーのチャンスを獲得。これをMF赤井が直接決めて待望の先制ゴール。MF赤井は今シーズン10ゴール目。
結局、1対0で逃げ切った愛媛FCが勝利。実に9試合ぶりの白星を飾った。
■ バルバリッチ監督の初勝利シーズン途中に監督に就任した愛媛FCのバルバリッチ監督は6試合目で初勝利。いつもの<4-2-2-2>から<4-3-3>を採用。FWドド、FWジョジマール、FW内村という突破力のある3トップがそれぞれに持ち味を発揮して、富山を押し込んだ。
シーズンも残り少なくなって、今はいろいろと試すことが出来る時期であり、新監督のバルバリッチ監督も模索中である。同じシステムにこだわり過ぎた感のある前任者の望月監督とは違ったカラーで立て直しを図っている。
バルバリッチ監督の経歴を見ると、ボスニア・ヘルツェゴビナのNKシロキ・ブリイェグというチームをリーグ優勝に導いており、かなり期待の持てるキャリアを歩んでいるようにも思える。勝負は来シーズンからとなりそうであるが、停滞感のあったチームがどういう変化を見せるのかに注目したい。
■ 10ゴールの赤井秀一決勝ゴールを決めたのは愛媛FCの中盤の要であるMF赤井秀一。MF赤井秀一という名前を聞くと、何か事件が起こりそうな気分になるが、右足の精度の高さはJ2でもトップレベルで、この日も得意の角度から直接、ネットに叩き込んだ。
これで10ゴール目。中盤の底のポジションでのプレーも多い選手としては立派な数字であり、チームの成績は上がって来ないが、彼自身は、シーズンを通して安定したパフォーマンスを見せている。
■ 3試合目のスタメンのドド前節のセレッソ大阪戦で来日初ゴールを記録したFWドドは、この日は3トップの一角でプレー。3人ともセンターフォワードタイプではないので、誰が中央で、誰が右で、誰が左かという明確な決まりはなく、いろいろとポジションを変えながら、いい関係を築いた。
FWジョジマールと同じ左利きでブラジル出身。少し被る部分もあるが、FWドドの方がチャンスメーカータイプで、FWジョジマールの方がストライカーに近い。この日は、FWドドが右サイドでボールを持った時は可能性のあるプレーを見せていた。
19歳でブラジル人アタッカーというとセルフィッシュというのが定番であるが、FWドドはチームプレーも出来る選手で、自分が自分がというタイプではないようである。ややスピードに欠けるような気もするが、ドリブルは自分の間合いを持っていて、タメを作れる存在であり、チャンスとなるとゴール前に飛び込んでいくセンスと勇気もある。
■ さすらいの点取り屋の加入①ちょっと時系列が逆転するが、47節のFC岐阜戦の後、ギリシャ2部のイオニコスでプレーしていたFW福田健二の加入が決定した。すでに登録期限は過ぎているので、今シーズン中の出場は不可能であるが、11月からチームの練習に参加し、来シーズンに備えるという。
愛媛FCのフォワード陣でいうと、47節終了時点で18ゴールを挙げているFW内村がエース的存在であるが、FW内村は爆発的なスピードが武器のセカンドストライカータイプ。本来であれば、FW田中俊也がボックス内で存在感を示さなければならないところであるが、今シーズンは3ゴールのみ。
FW福田のコンディションがどの程度まで仕上がるのかは分からないが、ボックス内で仕事の出来るストライカーは絶対に必要だっただけに、戦力としても大きいといえる。
■ さすらいの点取り屋の加入②FW福田健二は1977年生まれ。U-22の日本代表に選出された経験を持っていて、1999年のシドニーオリンピックのアジア予選にも出場している。1998年は名古屋グランパスで33試合で16ゴール、1999年は24試合で10ゴール。ストライカーとして立派な成績を残しているが、2000年以降は低迷。2004年からは海外に活躍の場を求めて、パラグアイ、メキシコ、スペイン、ギリシャでプレーしている。
ストライカーという過酷なポジションで各国を渡り歩いてきた実績と経験は伊達ではなく、まさに、「さすらいの点取り屋」という称号がぴったりの選手である。また、想像を絶するような過酷な少年時代を過ごしてきた選手だからこそのタフな精神力を持つ選手として、サッカーに携わる全ての人が一目置く存在である。
「好きなサッカーで 世界に胸を張れる 選手になって下さい。」という言葉を胸に、今度は生まれた場所である愛媛でプレーすることになる。
■ 永冨がブレーキ対する富山はわずかにシュート3本。これでは、なかなか勝利するのは難しい。
2トップから3トップに変更になったが、こちらは185cmの長身FW永冨が中央に入って、その周りをFW石田とFW木本が動き回るのが基本スタイルとなるが、肝心のFW永冨が大ブレーキ。シュートへの意識が低く、チャンスシーンでもシュートを打つのを躊躇してボールを奪われるシーンが何度かあった。
FW長谷川が怪我で長期離脱中。2005年と2006年に所属した古巣の愛媛FCが相手ということもあって、FW永冨が頑張らなくてはいけない試合であったが、期待外れに終わった。
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