■ 非常事態J2は残り7試合と大詰め目を迎えている。27勝7敗10分けで首位に立つセレッソ大阪は、4位の湘南との差が「7」に開いていて、2006年以来のJ1復帰の可能性が高まってきている。
しかしながら、終盤戦を迎えて怪我人が続出。右足を痛めているMF香川は3試合連続でベンチスタート。FW小松とMFマルチネスも怪我で欠場。ベテランのFW西澤もコンディションが万全ではなく、スタメン出場は厳しくベンチスタート。さらに、MF乾も愛媛戦と徳島戦の2試合が出場停止。非常事態となっている。
システムは<4-3-2-1>。GKキム・ジンヒョン。DF酒本、前田、羽田、石神。MF藤本、船山、山口螢。FW白谷、苔口、カイオ。セレッソU-18出身でプロ1年目の19歳のMF山口螢はJリーグデビュー戦。18試合ぶりの出場となるFW苔口は今シーズン5試合目の出場で、第4節以来のスタメン。そして、国見高校出身でU-20代表のFW白谷が今シーズン初出場で初スタメン。MF黒木とMF濱田もベンチから外れていて、フレッシュなスタメンとなった。
対する愛媛FCは<4-2-2-2>。GK山本。DF関根、柴小屋、アライール、松下。MF永井、渡邊、赤井、横谷。FW内村、ドド。新外国人のFWドドは3試合目の出場。リーグ6位の16ゴールを挙げているFW内村は、ここ6試合ゴールから遠ざかっている。DF三上は出場停止でDF松下が左サイドバック。GK山本は古巣のC大阪との対決となった。
■ 3対1の勝利!!!試合は、前半20分にC大阪が先制。左サイドで作って、FW白谷のラストパスをMF船山が得意の左足でミドルシュート。これがネットに突き刺さってC大阪が先制する。しかし、前半37分に愛媛は、左サイドの裏のスペースに駆け出したMF永井のクロスをFWドドがゴール前でうまく合わせて同点に追い付く。3試合目の出場のFWドドはJリーグ初ゴール。
追いつかれたC大阪だったが、前半40分にセットプレーから勝ち越しに成功。DF石神のコーナーキックをGK山本がパンチングでクリアするが、そのクリアボールを拾ったFW白谷がゴール前にいたMF藤本に優しいパスを送り、MF藤本が反転して強烈なシュート。これが決まって、2対1とリードを奪う。前半は2対1で終了。
後半11分にC大阪は切り札のMF香川を投入。なかなか追加点は奪えなかったが、後半41分にドリブルで相手を抜き去ったFWカイオのスルーパスからMF香川が裏に抜け出して、最後は、飛び出したGK山本もかわしてゴール。MF香川は2試合連続の途中出場でのゴールで通算26ゴール目。
結局、3対1でC大阪が勝利。同じ日に、3位の甲府、4位の湘南も勝利したため、6位以下のチームのJ1昇格の可能性が無くなって、J1昇格レースは、C大阪、仙台、甲府、湘南、鳥栖の5チームに絞られた。
対する愛媛は、8試合勝利なしとなった。
■ 来週にも昇格決定か?C大阪はこれで勝ち点「94」。4位の湘南が「87」で、残りは6試合なので、今後、C大阪が2連勝して、湘南が2連敗するようなことがあると、その時点で、C大阪のJ1復帰が決定する。C大阪は水曜日に徳島、日曜日に横浜FCと対戦。アウェーの2連戦が続くが、早ければ来週の日曜日に国立競技場で3位以内が確定する状況になった。
初の組み合わせとなるFWカイオ、FW白谷、FW苔口というトライアングルが先発。今シーズンの中では、最も苦しい先発メンバーであったが、FW白谷が2アシストの活躍。2年目のFW白谷は今シーズンは出番は全くなく、初出場であったが、クルピ監督の期待にこたえた。
20歳のFW白谷は決定力はゼロに近いが、アシスト能力は相当に高い。昨シーズンも、序盤はよく起用されていて、アシストが多かった。層が厚いポジションなので、出場機会がなかなか回って来ないのがつらいところであるが、U-20日本代表の実力を見せつけた。特に、2点目のMF藤本のゴールをアシストしたパスは冷静でかつ意外性にあふれていた。
■ ついに苔口卓也が覚醒したのか?今シーズン2試合目のスタメンとなったFW苔口は、2シャドーの一角として久々に先発フル出場。ゴールやアシストはなかったが、非常にいい出来だった。
抜群の身体能力を持つFW苔口は2005年に行われたオランダワールドユースの日本代表メンバー。立ち上げ当初はU-21の反町ジャパンにも選ばれていたが、C大阪で出番がなかなか回って来ず、五輪代表のリストからも消えてしまった。2008年はジェフ千葉にレンタル移籍したが、さしたる活躍は出来ずに2009年はC大阪に復帰。正念場の今シーズンも、なかなかチャンスは回ってきていないが、少ないチャンスを確実にものにしている印象はある。
スピードだけを見ると、J1、J2を合わせてもトップクラス。しかも、相手とのフィジカルコンタクトでも負けることはなく、左右両足でのパワフルなシュートも秘めている。こうして見ると、大変な逸材であるが、サッカーインテリジェンスが高くないのか、自分の生かし所を理解していないかのようなプレーが多かったが、この日のプレーは、そういったマイナス面を感じさせなかった。
179cmと高さもあってポストプレーもこなせるし、裏へ抜けた時のスピードは抜群で、誰も追いつくことは出来ない。何よりも試合を通してハードワークが出来ていて、守備面でも貢献度は高かった。MF乾とMF香川がいるため、出場機会はなかなか回って来ないが、このままMF乾の調子が上がって来ないのであれば、FW苔口をスタメンで起用することも検討しなければならないし、決してコンディションが万全ではないFWカイオの代役として、1トップの位置でも機能するかもしれない。
■ ほろ苦いデビュー戦C大阪U-18出身で、昨年度のユース大会準優勝の立役者であるMF山口螢がJリーグのデビュー戦。トリプルボランチの一角に入ったが、緊張したのか、動きが硬かった。
最初のプレーでターンした時に相手にボールを奪われたプレーで委縮してしまったのか、消極的なプレーが多く、消極的なプレーが更なるミスを生み出すという悪循環になっていた。前半にいい形でゴール前に飛び込むシーンもあったが、危険な奪われ方をする場面が多く、ほろ苦いデビュー戦となった。
クルピ監督は積極的に若手を起用するので、まだまだチャンスはあるはず。デビュー戦なので緊張してしまうのは仕方がないので、この次は、この経験を生かさなければならない。
■ 守備力の向上C大阪は第3クール初戦の水戸戦で0対1の敗戦を喫して以降の10試合で8勝2分け。この10試合で失点はわずかに「6」と、明らかに守備力が向上している。
アンカーに入ることの多いMF藤本の存在が大きいが、DF前田とDF羽田のセンターバックコンビの充実ぶりも見逃せないところ。4バックになったこともあって、DFチアゴがスタメンから外れる試合が増えているが、日本人だけで構成するディフェンスラインも安定感を増している。
システム変更によって、ウイングバックからサイドバックにポジションが変わったDF酒本とDF石神の運動量の多さも特筆すべき点であり、サイドバックながらウイングバックの時と変わらない頻度で攻撃に参加して、チャンスを作っている。
■ バルバリッチの5試合目9月15日に望月監督が解任されて、バルバリッチ監督が就任した愛媛FC。クロアチア出身で47歳の新指揮官の下、2010年シーズン以降を見据えた戦いが続いていくが、監督変更後の5試合で4敗1分け。2得点で7失点の成績。まだ、結果は出ていない。
補強期間も過ぎており、新たな選手補強も出来ない状況。FWドドが起用されるようになったこと以外、メンバーやシステムは大きく変わっていない。それほどのはなく、今シーズンは様子見の部分もあるだろう。
ただ、この試合に限っていうと、チャンスの数はC大阪と同じくらいであって、内容的にはそれほど悪くはなかった。序盤はやや相手を尊重し過ぎた感じはあったが、次第にボールを持てるようになって、チャンスを作ることが出来るようになった。
■ 初ゴールのドド先日の天皇杯ではすでにゴールを決めていたが、リーグ戦は2試合目の先発出場となったFWドドが初ゴールを記録。MF永井のクロスに対して、うまくゴール前に入りこんで、うまくクロスに合わせてみせた。
左足が得意で、フィジカルの強くて、スピードもある。見た目とは違って1990年生まれの19歳いうことで若さも魅力的で、まだ、伸びしろもありそうな選手。守備面でもサボるようなことはなく、必要最低限のチームプレーも出来る選手のようである。
そのFWドドと2トップを組むのが、スピードのあるFW内村。この日は何度かあったチャンスを決め切れなかったが、FW内村がボールを持つとC大阪側から見ると、非常に危険であった。この新しい2トップは二人だけでゴールを奪うだけのポテンシャルがある。
攻撃面での難点は、両サイドハーフが試合に絡めなかったところか。右MF赤井と左MF横谷がイマイチの出来で、2トップが孤立するシーンも多かった。出場時間は短かったが、サンフレッチェ広島からレンタル移籍中のMF内田は上手く前線と絡んでいたので、もっと早い時間帯にMF内田を投入していたら、面白かったかもしれない。
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Jリーグでは…、という意味ではないでしょうか。
白谷君、見返せるよう頑張って下さい。
こんにちは。コメントさせてもらいます。
「白谷の決定力はゼロに近い」というのは、サポーターからすれば、やや言い過ぎかなと思ってしまいます。
確かに、セレッソでは未だノーゴールで、決めきれない場面も多く見受けられます。
しかし、練習試合やサテライト、U-20代表でもコンスタントに得点を重ねていますし、以前、行われたU-20の8人制サッカーの大会では、得点王にもなりましたので、得点力はあるほうだと思います。
とはいえ、自分はセレッソサポーターだから、こういった情報を知っているのであって、そうでない管理人さんが、白谷に対して、そのような印象を持たれるのは無理もないと思われます。
今後、参考にしていただければ幸いです。
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