サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

最近のエントリー (20記事)

　2023/01/07 【J1編】順位予想バトル 2023年版受付は終了しました。 (現在の参加者：195名)・・・31名分 up!!!
　2023/01/08 【J2編】順位予想バトル 2023年版受付は終了しました。 (現在の参加者：149名)・・・25名分 up!!!
　2023/01/09 【J3編】順位予想バトル 2023年版受付は終了しました。 (現在の参加者：63名)・・・18名分 up!!!
　2023/11/29 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)

お勧めしたいエントリー (15記事)

【U-22アジア大会：日本×パレスチナ】テクニシャンのMF谷内田哲平。圧巻の2試合連続の直接FK弾！ | | |　

■　アジア大会のGLの2試合目

中国の杭州で行われているアジア大会のGLの第3節。日本が入ったD組は3ヶ国で構成されているので日本は2試合目となるがGLの最終戦となる。初戦はカタールと対戦して3対1で勝利した日本は決勝Tをかけてパレスチナと対戦した。9月22日に行われたカタール vs パレスチナはスコアレスドローだったので2節を終えた時点で日本が勝ち点「3」、パレスチナとカタールはどちらも勝ち点「1」を獲得している。

日本は「4-2-2-2」。GK藤田和(栃木SC)。DF吉田真(鹿屋体育大)、DF馬場晴(札幌)、DF山崎大(広島)、DF奥田勇(桃山学院大)。MF谷内田(京都)、MF山内翔(筑波大)、MF松村優(鹿島)、MF小見(新潟)。FW西川潤(鳥栖)、FW内野航(筑波大)。初戦のカタール戦ではMF谷内田とFW内野航太郎とDF山崎大がゴールを決めている。10番のFW西川潤は2点目のFW内野航太郎のゴールをアシストしている。

ベンチスタートになったのはGK小畑(仙台)、GK山田大(岡山)、DF今野息(法政大)、DF関根大(拓殖大)、DF根本健(流通経済大)、MF重見(福岡大)、MF松岡大(グレミオ・ノヴォリゾンチーノ)、MF角(筑波大)、MF日野(拓殖大)、MF佐藤恵(ブレーメン)、FW鮎川(大分)の11人。初戦はスタメンだったMF松岡大とMF佐藤恵はベンチスタートとなった。FW木村勇(金沢)が辞退したのでFW鮎川が追加招集されている。

■　MF谷内田哲平が2戦連発のFK弾！

試合は圧倒的に日本がボールを保持して攻め込む展開になった。前半12分にはMF谷内田のCKから横浜FM入りが内定している右SBのDF吉田真がヘディングシュートを放ったが惜しくもクロスバーに直撃する。前半18分には相手の最終ラインでの不用意な横パスをカットしたFW内野航太郎が倒されてFKを獲得。さらに相手の5番の選手にはレッドカードが提示された。前半の早い段階で日本は数的優位となった。

ここで得たFKは左利きの選手が狙うには絶好の位置だったが右利きのMF谷内田がキッカーを任されて鮮やかにネットを揺らした。MF谷内田は初戦のカタール戦でも直接FKで先制ゴールを奪っているので2戦連発となった。これで相当に有利な状況になった日本だったが前半27分にボランチのMF山内翔が2枚目のイエローカードを受けて退場。日本も同じように10人になった。その後は10対10の戦いになった。

10対10になった後も基本的な流れは変わらず。パレスチナは引いて守ってカウンターというサッカーを見せた。後半14分にこの試合における最大のピンチを迎えたが栃木SCのGK藤田和が判断良く前に出てきて好セーブを見せた。追加点の欲しい日本だったがなかなかチャンスを作れず。内容的には全く良くなかったが1対0で勝利した。2連勝の日本が首位通過。パレスチナは0勝1敗1分けで2位通過となった。

■　ラウンド16の相手はミャンマー代表

2連勝の日本はGLを突破してラウンド16でミャンマーと対戦することになった。順当に勝ち進んだ場合、準々決勝は北朝鮮、準決勝はイラン、決勝は韓国となる。「今大会最強」と言われる韓国ならびに開催国である地元の中国と別のブロックになったのは大きい。A組のミャンマーは1勝1敗1分けで3位通過を果たしたが2戦目の中国戦は0対4で大敗している。「日本との戦力差は相当に大きい。」と思われる。

2010年以来で2度目の金メダル獲得に向けてトーナメント表でいいポジションに入ることが出来たが、先のとおり、内容は非常に良くなかった。初戦の出来はかなり良かったと思うが2戦目は一転して低調なパフォーマンスに終始した。早い段階で相手に退場者が出て相手が10人になったことは多分に影響していると思うがキレイにパスが回るシーンはほとんどなかった。さらには軽率なミスもたくさん発生した。

勿体なかったのは前半27分のMF山内翔のレッドカードになる。その前にも相手を倒してイエローカードを受けていたがこの場面ではMF小見のリターンパスが弱くなったことがそもそものきっかけだった。カウンターを食らいそうになったところをファールで止めて2枚目のイエローカードが出てしまったが「味方のミスをリカバーしようとして退場になってしまった。」という状況なのでかなり気の毒な退場だった。

アジア大会は各選手にとってはアピールの絶好の場である。初戦はベンチスタートだったMF山内翔にとってはようやく巡ってきたスタメンの機会だった。気持ちは入っていたと思うが前半27分で退場。次節も出場停止になる。1枚目のイエローカードは自身のボールコントロールのミスがきっかけだったので「自分の責任」と言えるが2枚目についてはアンラッキー。当事者であるMF小見も責任を感じているだろう。

■　レッドカードを誘発したのはFW内野航太郎

MF山内翔が退場して日本も10人になったがパレスチナの基本的な戦い方は変わらず。結局、最後までパレスチナのサッカーは変わらなかった。「後半30分あたりまで我慢をして最後の15分や20分に勝負をかけるという狙いか！？」と思ったが相手は「1点差負けであればOK」という状況。割り切って2位通過を狙っていた。0対2で敗れるとカタールの方が上になるので失点することは許されない状況だった。

結局、日本もパレスチナも無理をすることなく後ろでボールをつなぐ場面が多かった。展開などを考えると致し方ないところもあるが相手との実力者は明らかだったことを考えるともっと攻守にアグレッシブなサッカーを展開するべきだった。すでに触れた通りで今大会は各選手にとってはアピールするチャンスの大会である。そのことを考えると「勿体ない試合」と言えるがMF谷内田は大きなアピールに成功した。

MF山内翔が退場した後はアンカーの位置でプレーした。「4-4-1」のような布陣になったがうまくバランスを取った。直接FKでのゴールは鮮やか。初戦で直接FKを決めているが今回はゴール右寄りの位置。レフティのFW西川潤が蹴る確率の方が高い位置でのFKだったが志願をしたのか、FW西川潤の助言だったのか、ベンチからの指示だったのか、MF谷内田がキッカーを務めて鮮やかにネットを揺らした。

FKを奪うとともに相手を退場に追い込んだのはFW内野航太郎だったが相手の不用意なミスを見逃さなかった。初戦では2点目のゴールを奪っているが今回も大きな仕事をした。FW熊田ならびにFW木村勇が怪我で辞退してFW鮎川が追加招集されたが大型フォワードはFW内野航太郎のみ。彼にかかる期待は大きい。左SBのDF奥田勇のクロスからヘディングでゴールを狙ったシーンは非常に惜しかったと言える。