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【町田×徳島】 8試合未勝利でJ3降格の危機。ラバイン監督の解任はあるのか？ | | |　

■　J2の第28節

J2の第28節。16勝4敗6分けで勝ち点「54」の町田ゼルビアはホームの町田GIONスタジアムで徳島ヴォルティスと対戦した。徳島は5勝9敗13分けで勝ち点「28」。残留圏ギリギリとなる20位に位置する。19位の栃木SCならびに21位の金沢とは全く同じ勝ち点「28」なので「初のJ3降格」の危機を迎えている。首位の町田は1試合消化が少ない中、2位の磐田との差が「6」。3位の東京Vとの差も「6」と縮まってきた。

ホームの町田は「4-2-3-1」。GKポープ・ウィリアム。DF鈴木準、チャン・ミンギュ、池田樹、翁長。MF宇野、松井蓮、バスケス・バイロン、高橋大、エリキ。FW藤尾。夏に獲得したDF鈴木準とMFバスケス・バイロンがスタメン出場。ボランチは青森山田高出身で高卒2年目のMF宇野が今シーズン初スタメンを飾った。FWミッチェル・デュークはベンチスタート。U-22日本代表のFW藤尾がスタメンで起用された。

アウェイの徳島は「3-1-4-2」。GKホセ・アウレリオ・スアレス。DF森昂大、石尾、長谷川雄志。MF白井永、エウシーニョ、西谷和、児玉駿、杉本太。FW柿谷、森海渡。柏から期限付き移籍中のFW森海渡は22試合で9ゴールを挙げているがここ6試合無得点。一時と比べると勢いが落ちてきている。FW柿谷も26試合で7ゴールを挙げているが最近はゴールペースが落ちている。FW棚橋はベンチスタートとなった。

■　首位の町田 vs 20位の徳島

首位の町田 vs 20位の徳島という好対照の2チームの対戦になったがホームの町田ペースで進んでいく。FW藤尾を起点に厚みのある攻撃を見せた。前半13分のMF松井蓮の決定機は決められなかったが前半32分にFW藤尾が高い位置でボールを奪ってショートカウンター。FW藤尾のパスを受けたMFエリキが落ち着いて決めてホームの町田が先制に成功する。FWエリキは今シーズン15ゴール目となった。

先制ゴールを許した徳島だったが直後の前半35分にFW柿谷を起点にチャンスメイク。FW森海渡のパスを受けた右WBのMFエウシーニョが決めて1対1の同点に追いついた。MFエウシーニョは今シーズン初ゴールとなった。追いつかれた町田は前半42分にFW藤尾、後半19分にもFW藤尾がセットプレーから決定的なシュートを放ったがいずれもC大阪U-18の先輩でFW柿谷がゴールライン上でスーパークリアを見せた。

何度か勝ち越しのチャンスを逃した町田だったが後半28分にFW藤尾が右サイドで粘ってグラウンダーのクロスを入れると戻ってきたMFエウシーニョに当たってコースが変わってゴールイン。痛恨のオウンゴールとなった。2対1で勝利した町田は3試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した。敗れた徳島は8試合勝ちなし。すぐ下の21位の金沢の試合は日曜日の夜に行われるので自動降格圏に転落する可能性が出てきた。

■　この日はFW藤尾の活躍が目立った。

27節を終えた時点で首位の町田と2位の磐田ならびに3位の東京Vの差が「6」。1試合消化が少なくなるが「6差」となるとプレッシャーはかかってくる。町田にとっては嫌な空気になりつつあったので大きな勝ち点「3」となった。シュート数は町田が17本だったのに対して徳島はわずか3本のみ。90分を通して町田はほぼ試合を支配した。スコアこそ、2対1と僅差だったが内容面では大きな差があったと言える。

町田はここ2試合で計5失点。東京Vとの東京クラシック(=25節)は2対2のドロー、先の27節の千葉戦(H)は1対3で敗れた。黒田監督から相当に強いゲキが飛んだと思われるがこの日は町田らしいハードなサッカーを最後まで続けた。後ろからボールをつなぎたい徳島に強烈なプレスをかけてミスを誘発する場面はたくさんあった。「ここ数試合はあまり見られなかった町田らしさが戻ってきた。」と言うことが出来る。

この日はFW藤尾の活躍が目立った。残念ながら自らのゴールはなかったが惜しいシーンはたくさんあった。この日は1人で何と7本のシュートを放ったが前線で起点となる働きもしっかりとこなした。1点目のMFエリキのゴールはアシストして2点目のオウンゴールもFW藤尾のクロスから。C大阪U-18の1つ先輩にあたる徳島のCBのDF石尾とマッチアップする機会が多かったが「FW藤尾の完勝だった。」と言える。

注目の新戦力のMFバスケス・バイロンとDF鈴木準はともにスタメン出場したがこの2人が入って右サイドからの攻撃は迫力が増した。特に右SBのDF鈴木準はこれまでこのポジションで起用されることが多かったDF奥山と比べるとはるかに攻撃に特徴のある右SBである。精度の高い右足のクロスは早くも町田の大きな武器になっている。右SHのMFバスケス・バイロンとのコンビネーションも良好と言える。

■　ここ8試合の成績は0勝3敗5分け

敗れた徳島はこれで8試合勝ちなし。ここ8試合の成績は0勝3敗5分けとなる。10試合連続で1得点以下。今シーズンもなかなか点が取れない。FW森海渡とFW柿谷が揃って爆発した時期に勝ち点「3」を積み重ねたがFW森海渡の勢いが止まってFW柿谷の得点も伸びなくなった。先のとおり、そもそもとしてシュートチャンスをほとんど作れておらず。この日もシュートは3本のみ。決定機と呼べるシーンはほとんどなかった。

日曜日の夜の試合で21位の金沢と22位の大宮が対戦する。下位同士の直接対決がどういう結果になろうとも徳島にとってはポジティブではない。最下位の大宮が勝利して大宮との差が縮まるのも徳島にとっては宜しくない話である。ラバイン監督の解任や交代を主張する人は増えてきたがこれだけ攻撃の形を作れない試合が続くとサポーターのフラストレーションは溜まる。いい形を作れないのは大きな問題である。

FW森海渡のスピードや決定力、FW柿谷の技術やアイディア、MF西谷和のドリブルは徳島の武器になっているが現状はこのくらい。それ以外のところからいい形をほとんど作れない。「ボール支配率」はJ2で1番高くなるが「シュート数」や「枠内シュート数」や「30mライン進入回数」などはいずれもJ2で下の方。効果的なパス回しが出来ているとは言い難い。週明けに監督交代が発表されても何ら不思議はない。

危機的な状況と言えるがMFエウシーニョが復帰してスタメンでプレーできたことは数少ない収穫と言える。J2の試合に出場するのは今シーズン5試合目。これまで長い時間プレーする機会はほとんどなかった。右WBは若手のMF西野太が起用される機会が多かったが経験豊富なMFエウシーニョの方が安心感はある。ビルドアップでの貢献度も高くて得点力もある。ゴールシーンはさすがの決定力だった。

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