■ J3の第17節J3の第17節。5勝5敗6分けで勝ち点「21」のY.S.C.C.横浜はホームのニッパツ三ツ沢球技場でカマタマーレ讃岐と対戦した。讃岐は4勝4敗8分けで勝ち点「20」。16節を終えた時点でY.S.C.C.横浜は14位、讃岐は17位に位置する。J3の残留争いは熾烈を極めるが17位の讃岐と19位の北九州の差は「5」のみ。J2経験のある北九州は地力のあるチームなので讃岐としてはプレッシャーのかかる状況になっている。
ホームのY.S.C.C.横浜は「3-1-4-2」。GK児玉潤。DF二階堂、藤原拓、花房。MF冨士田、柳雄太郎、古賀俊、佐藤大、道本。FWカルロス・アローヨ、福田翔。大覚醒したFW福田翔は15試合で10ゴール。J3の得点王争いの中心にいる。3月末に加入したエクアドル出身のFWカルロス・アローヨはJリーグ初スタメン。ここまで4試合に出場している。MF佐藤大も5月末にJ2の町田から育成型期限付き移籍で加入した。
対するアウェイの讃岐は「4-1-2-3」。GK今村。DF川崎一、小松拓、宗近、臼井。MF長谷川隼、江口、岩岸。FW下川太、赤星魁、森勇人。つい先日、J3で得点王に輝いた経験のあるFW川西(富山)の獲得を発表したが試合に出場できるのは19節以降となる。深刻なレベルの得点力不足に陥っている中、FW赤星魁がスタメン出場。16節のFC琉球戦(A)でJリーグ初ゴールをマークしたFW森本ヒマンはベンチスタート。
■ 2対1で逆転勝利の讃岐は連敗を「3」でストップ試合はいきなり動いた。前半2分にMF道本のスルーパスから抜け出した左WBのMF古賀俊が中央に折り返すとMF佐藤大が左足で合わせてY.S.C.C.横浜が先制に成功する。新加入のMF佐藤大は2試合連続ゴールとなった。出鼻をくじかれる形になった讃岐だったが前半11分にスタメン抜擢のFW下川太の絶妙なスルーパスから抜け出した大卒1年目のMF岩岸が決めてすぐさま1対1の同点に追いついた。
直後の前半14分には相手の不用意なパスから初スタメンのFWカルロス・アローヨがキーパーと1対1に近い決定機を迎えたがループシュートは枠に飛ばすことはできなかった。前半30分にはMF道本のFKからMF佐藤大が合わせて勝ち越しか!?と思われたがオフサイド。命拾いした讃岐は前半40分に巧みなコントロールから抜け出したMF岩岸のパスからフリーのFW赤星魁が決めて2対1と逆転に成功する。
2022年はJFLの高知ユナイテッドで10ゴールを挙げたストライカーのFW赤星魁は今シーズン2ゴール目となった。前半は2対1で折り返した。迎えた後半はやや静かな展開になった。Y.S.C.C.横浜がボールを保持する時間が長かったが後半41分のMF古賀俊のシュートはポストに直撃する。2対1で逆転勝利の讃岐は連敗を「3」で止めて4試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した。Y.S.C.C.横浜は4試合勝ちなしとなった。
■ 1ゴール1アシストのMF岩岸残留争いに巻き込まれている讃岐にとっては大きな勝ち点「3」となった。開始2分でいきなり先制ゴールを許したがその後に2ゴールを奪って逆転勝利。16節を終えた時点ではわずか9得点のみ。J3ワーストの得点数なので先制されると相当に苦しくなるがいい形から2ゴールを奪って前半のうちに逆転まで持って行った。後半は守る時間が長くなったがしっかりと対応。危ない場面というのはそこまで多くなかった。
1ゴール1アシストのMF岩岸が逆転勝利の立役者になった。関西地区の少年サッカーの強豪として知られるディアブロッサ高田FC出身。星稜高ならびに同志社大を経由して2023年に讃岐に加入したがスタメンでプレーするのは2回目。8節以来のスタメンだったがチャンスを生かした。2つとも上手い抜け出しから決定機を作った。アシストの場面は自らシュートを打つことも出来たが味方に冷静にパスを出した。
逆転ゴールを決めたFW赤星魁は3節のSC相模原戦(H)以来。久しぶりのゴールとなった。ここ最近はFW森本ヒマンと激しいポジション争いを繰り広げているが16節を終えた時点ではともに1ゴールのみ。結果を残せずにベテランのFW川西の獲得が発表された。FW川西はJ3では確固たる実績のあるストライカーなのでこのままだと出番減は確実。ここで結果を出せたのは非常に大きい。最後はドフリーの状態だった。
185センチのFW赤星魁は下のリーグから這い上がって来た選手になる。2019年に大卒でいわきFCに加入したが当時の所属は東北1部リーグだった。2020年にJFLの高知ユナイテッドに加入して3年間プレーしたが先のとおりで2022年に2桁ゴールを記録。ここでの活躍が評価されて晴れてJリーガーになった。185センチの高さを生かした空中戦はJ3の中でも目立っており、ゴールを積み上げても何ら不思議はない。
■ 上位争いに踏みとどまるか?脱落するか?敗れたY.S.C.C.横浜は2023年のJ3でサプライズを起こしているが上位争いに踏みとどまるか?脱落するか?の分岐点を迎えている。今シーズンのY.S.C.C.横浜は好不調の波の激しいシーズンになっているが4試合未勝利の前は8試合無敗だった。開幕から7試合未勝利と出遅れた後、一気に盛り返して急浮上したがこれで5勝6敗6分け。黒星が先行した。上位陣との差はまだ小さいので何とか食らいつきたい。
前半2分に素晴らしい連携から先制ゴールを奪ったが2点目を奪えなかった。前半14分には初スタメンのFWカルロス・アローヨにビッグチャンスが訪れたが決められず。冷静に相手キーパーの動きを見てループシュートを狙ったと思うが少しだけ浮いてしまった。攻撃の中心であるFW萱沼をベンチスタートにして185センチのFWカルロス・アローヨを抜擢。大型ストライカーに期待を寄せたが前半のみで交代となった。
悔しい結果に終わったが5月末にJ2の町田から期限付き移籍で加入したMF佐藤大は2試合連続ゴール。評価を高めている。法政大出身でFW上田(セルクル・ブリュージュ)の1つ下。大学在学中に鹿島に加入したFW上田の後継者として期待を集めたがプロの世界では結果を残せず。2021年は1試合、2022年は8試合の出場のみ。2年間とも無得点。ほとんどチャンスはなかったがレンタル移籍先で輝きを放っている。
ストライカー系の選手になる。Y.S.C.C.横浜でも当初はフォワードの位置で試されたがここ最近は下がり目の位置で起用されている。右のインサイドハーフで起用されているがY.S.C.C.横浜は「ボール支配率」が非常に高いチームであり、攻め込む機会は多い。中盤の選手にもゴール前に顔を出してシュートチャンスに絡むことが期待されるので持ち味は出しやすいと考えられる。重要な選手の1人になりつつある。
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