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【いわきFC×大宮】 21位 vs 22位。裏・天王山を制したのはいわきFC！ | | |　

■　J2の第16節

J2の第16節。3勝10敗2分けで勝ち点「11」のいわきFCはホームのいわきグリーンフィールドで大宮アルディージャと対戦した。大宮は4勝10敗1分けで勝ち点「13」。大宮が21位、いわきFCが22位となる。ともに自動降格圏に位置しており、J2の残留争いの行方を大きく左右するだろう注目の一戦となった。昼間の試合で20位に位置する山形がホームで5対0と大勝したので負けたチームは上との差が広がってしまう。

ホームのいわきFCは「4-2-2-2」。GK高木和。DF宮本英、家泉、遠藤凌、河村匠。MF鏑木、山下優、芳賀、山口大。FW谷村、有田稜。2トップを組んでいるFW谷村とFW有田稜はともに3ゴールを挙げてチーム内得点王になる。15節の秋田戦(H)でレッドカードを受けたDF嵯峨は出場停止。ボランチが本職のDF宮本英が右SBで起用された。作新学院大出身で大卒1年目のMF芳賀はJリーグ初スタメンとなった。

アウェイの大宮は「4-2-2-2」。GK笠原、DF貫、浦上、新里亮、袴田。MF石川俊、小島幹、柴山、茂木力。FWアンジェロッティ、室井。こちらもFWアンジェロッティとFW富山がチーム最多の3ゴールを挙げている。15節の岡山戦(A)の後半終了間際に同点ゴールを決めたFW富山はベンチスタート。同点ゴールをアシストしたMF柴山はスタメン出場となった。右SBはDF岡庭がベンチスタート。DF貫が起用された。

■　裏・天王山を制したのは・・・。

両チームの勝ち点差は「2」。いわきFCは勝てば最下位を脱出することが出来るが11節から5連敗中。長いトンネルに入っている。大宮は15節の岡山戦(A)で引き分けて連敗を「6」止めることが出来たが未勝利が続いている。勝利から遠い2チームの対戦となったが序盤は大宮が攻め込んだ。前半9分には大卒ルーキーのFW室井が右足で強烈なシュートを放ったが惜しくも枠を捉えることは出来なかった。

試合を優位に進めた大宮は前半16分に左CKを獲得するとニアでFWアンジェロッティがフリック。後ろに流れたボールを左SBのDF袴田が押し込んでアウェイの大宮が先制に成功する。DF袴田は今シーズン初ゴールとなった。1点を追ういわきFCは前半22分にエリア内でFW有田稜からボールを受けたMF山口大がドリブルで仕掛けてから左足でニアサイドを豪快に打ち破った。MF山口大はJ2初ゴールとなった。

追いついたいわきFCは後半14分にもMF山下優のFKからCBのDF遠藤凌が合わせて2対1と逆転に成功する。新潟からの期限付き移籍となるDF遠藤凌もJ2初ゴールとなった。追いつきたい大宮はMF泉澤やFW富山などを投入。同点ゴールを目指したが追いつくことは出来ず。J2の裏・天王山を制したいわきFCが最下位を脱出した。敗れた大宮はこれで8試合勝ちなし。ついに最下位となる22位に転落した。

■　21位の大宮 vs 22位のいわきFC

21位の大宮 vs 22位のいわきFCなので大きな注目が集まったがいわきFCが逆転勝利。6試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した。4月16日の群馬戦(H)以来の勝利となったがこの間は大いに苦労した。14節は清水に1対9で大敗した。さらに13節の甲府戦(A)ではいわきFCのDF速水と甲府のDF三浦颯が激突。治療を行っていた最中にいわきFCのサポーターが発した暴言は大きな話題を呼んだ。クラブとしても批判を浴びた。

苦しい時期を過ごしたことを考えるとこれまでの1勝とは意味合いが大きく異なる勝利となった。この日もセットプレーから先制ゴールを許す展開になったがMF山口大が個人技から同点ゴールをゲット。前半のうちに追いつくことが出来たのは良かった。いわきFCは16試合で13得点のみ。それなりにチャンスは作れているものの、仕留められない。決定力不足に泣く試合が多かったがMF山口大がチームを助けた。

いわきFCは大卒1年目や大卒2年目の選手が中心になっており、大学4年生のFW近藤慶やDF辻岡といった特別指定選手もたくさんの出場機会を得ている。プロとしての経験値が乏しい選手が大半を占めるので、一旦、勝てなくなると立て直すのはなかなか難しいと思うが裏・天王山を制してひとまず落ち着くことが出来るだろう。順位は21位のまま。降格圏のままで変わらなかったが大きな勝ち点「3」となった。

激しいサッカーが一部で批判を浴びているが良くも悪くもそういうサッカーしかできないチームなので外野の声を過度に気にする必要はない。同じスタイルで戦うしかない。次節は中3日での試合になるがアウェイの磐田戦になる。先のとおり、アウェイの清水戦は1対9で大敗している。磐田の調子が上がって来たタイミングで戦うことになったがいわきFCも久々に勝利をつかんで清水戦の時とは異なる心理状態だろう。

■　相馬監督が退任となっても何ら不思議はない状況

大宮はこれで8試合勝ちなし。6連敗の後、15節の岡山戦(A)で勝ち点「1」を獲得したが直接対決で敗れて最下位に転落となった。試合はどんどん進んでおり、早くも折り返しとなる21節が迫って来た。次節はホームの仙台戦になるがそれまでに相馬監督が退任となっても何ら不思議はない状況になっている。むしろ、仙台戦までに監督人事に関する動きが何もない方が不自然である。追い詰められた状況である。

この日は前半16分にCKから先制ゴールをゲット。いい形で先制に成功したがすぐに追いつかれてしまった。1失点目の場面は大宮の選手がボールを奪ったかに思えたがいわきFCの方に、再度、ボールがこぼれてしまった。人数は足りていたことを考えるとかなり勿体ない形の失点だった。最後はDF袴田が対応しているが敵・味方を含めてたくさんの選手が近くにいたので難しい対応を迫られてしまった。

大宮も16試合で13得点のみ。極度の得点力不足に苦しんでいる。FWアンジェロッティとFW富山が3ゴールを挙げているがフォワード不足は深刻なレベルである。開幕後にFW河田を鳥栖に放出しているがFW中野誠は怪我で離脱中。この日もFW室井を2トップの一角で起用したがフォワードに関しては選択肢が限られる。中央で起点になれるフォワードはおらず。FW矢島輝についてはベンチ外が続いている。

逆に2列目やボランチの駒は多い。非常にアンバランスな陣容になっている。大半のポジションにはそれなりにいい選手を抱えているが勝ち点獲得に貢献できるほどの特別な能力を持った選手は少ない。MF柴山やMF泉澤などはサイドアタッカーとしての能力が非常に高いので違いを生み出さないといけないがそこまでの活躍はできていない。監督交代が実施されたとしても劇的な改善は期待しにくい編成である。

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