■ J1の第14節J1の第14節。2勝8敗3分けで勝ち点「9」の横浜FCはホームのニッパツ三ツ沢球技場で川崎フロンターレと対戦した。川崎Fは5勝5敗3分けで勝ち点「18」。10位と苦しんでいる。横浜FCは開幕から10試合未勝利と大きく出遅れたがここ3試合は2勝1敗。ようやく結果が出るようになってきた。川崎Fは3連勝を達成したが13節の多摩川クラシコで敗れて連勝は止まった。このカードも「神奈川ダービーの1つ」になる。
ホームの横浜FCは「3-4-2-1」。GKブローダーセン。DF吉野恭、岩武、マテウス・モラエス。MF井上潮、和田拓、山根永、林幸多郎、山下諒、長谷川竜也。FW伊藤翔。13試合で6ゴールを挙げているFW小川航は累積警告で出場停止。MFユーリ・リマ・ララも出場停止となった。さらにCBのDFンドカ・ボニフェイスはベンチ外。DFマテウス・モラエス、MF長谷川竜也、FW伊藤翔などがスタメン出場となった。
アウェイの川崎Fは「4-1-2-3」。GK上福元。DF山根視、山村和、車屋、登里。MF橘田、瀬古樹、大島僚。FW家長、宮代、遠野。FWマルシーニョはベンチ外。多摩川クラシコで退場処分を受けたMF脇坂は出場停止。GKチョン・ソンリョンとMFチャナティップはベンチスタートとなった。13試合で4ゴールのFW宮代がチーム内得点王になる。元・日本代表のFW小林悠はこの日もベンチから出番を待つことになった。
■ 18位のG大阪との差は「2」から「5」へ試合は大方の予想どおりで「川崎Fがボールを保持して横浜FCが守る展開」になった。前半26分にはFW遠野、前半37分にはFW家長にシュートチャンスが訪れた。劣勢の展開になった横浜FCだったが前半30分あたりを過ぎるといい形でボールを奪ってカウンターを仕掛ける場面が増えた。前半38分には古巣対決となるMF長谷川竜也が左足でロングシュートを放ったがクロスバー直撃。惜しいシーンを作った。
前半43分にはFW伊藤翔に決定機が訪れたがオフサイド。チャンスを作れるようになった横浜FCは直後の前半44分にFW伊藤翔のパスを受けたボランチのMF井上潮が個人技からシュートを決めてホームの横浜FCが先制に成功する。1対0で迎えた後半3分には右WBのMF山根永が裏のスペースに出したパスに対して快速アタッカーのMF山下諒が相手をスピードでぶっちぎってシュート。大きな追加点を奪った
2点を追う川崎Fは後半23分に同じく古巣対決となるMF瀬古樹の直接FKで1点を返したがその後に訪れたいくつかの決定機は生かせず。2対1で逃げ切った横浜FCは2連勝。ここ4試合の成績は3勝1敗となった。18位のG大阪との差も「2」から「5」に広がった。敗れた川崎Fは痛い2連敗。首位の神戸との差は「12」まで広がった。14試合で5勝6敗3分けで勝ち点「18」。17得点/18失点で得失点差もマイナスとなった。
■ ここ4試合で勝ち点「9」横浜FCは好調。ここ4試合で勝ち点「9」を積み上げた。開幕から10試合未勝利だったので「今年のJ1の降格枠の1つは横浜FCで決まり」という空気だったが状況は大きく変わった。横浜FCが勝ち点を積み上げていることを最も苦々しく思っているのは最下位のG大阪だと思うがその差は「5」まで広がった。当然、G大阪は地力のあるチームなので全く油断はできないが下との差が広がったことは安心材料になる。
横浜FCは強豪の川崎Fを相手に非常にいい戦いを見せた。「ほぼプラン通りの戦いができた。」と言える。前半の立ち上がりはボールを保持されたが徐々に慣れていった。カウンターからチャンスを作れるようになったが前半終了間際に先制ゴールをゲット。「テクニシャン系の選手であるMF井上潮ならでは」と言えるファインゴールだった。ボランチの選手がゴール前に進出して奪ったゴールなので価値は高い。
後半3分に生まれたMF山下諒の2点目のゴールは圧巻だった。MF山根永が裏のスペースに浮き球のパスを出したがDF車屋の方がボールの近い位置にいた。普通では届かない状況だったが持ち味である快速を生かしてDF車屋を振り切って突進。最後のシュートは落ち着いていた。1点目のMF井上潮のゴールはテクニカルなシュートだったが2点目のMF山下諒のシュートは彼の良さであるスピードが最大限に発揮された。
スピードを生かしたカウンターは横浜FCの武器になったがMF山下諒だけでなく右WBのMF山根永のスピードや運動量も目立った。もともとはフォワードの選手だったがC大阪U-23のときは左サイドハーフでプレー。群馬に移籍してからは左右のWBでプレーする機会も増えた。横浜FCでは主にWBで起用されている。スピードがあって果敢に仕掛けることができる選手なので「3-4-2-1」の横浜FCに合った選手である。
■ 早くも今シーズン6敗目となった敗れた川崎Fは2連敗。早くも6敗目となった。トータルでは5勝6敗3分けで勝ち点「18」。波に乗ることが出来ない。今シーズンの川崎Fは「ボール支配率」は高くて56.8%。J1で1位となるが「シュート数」は12位、「枠内シュート数」は15位。「30mライン進入回数」が1位、「ペナルティエリア進入回数」が2位であることも加味すると『ゴール前の迫力や精度やアイディアが不足しているのは明らか』である。
ベテランのFW小林悠は6試合で1ゴールのみ。FWレアンドロ・ダミアンは2試合で無得点。どちらも開幕前に怪我をして戦線から離脱したが年齢的な衰えも心配されている。FW宮代ならびにFW山田新にかかる期待は大きいがJリーグのMVPと得点王に輝いた実績のあるFWレアンドロ・ダミアンやFW小林悠が比較対象になるのはキツイ。FW宮代は14試合で4ゴールを挙げているがFW山田新は14試合で1ゴールとなる。
「主力の高齢化」と「世代交代の遅れ」が今シーズンの川崎Fの低迷の要因と言えるが神戸や横浜FMなど上位チームとの差がこれだけ広がってしまうと逆転優勝はかなり難しい。幸いにして川崎FにはFW山田新、MF永長、DF高井幸、MF大関、MF名願、DF松長根など有望視される若手はたくさん控えていることを考えると「先を見据えて積極的に若手を起用する。」というのもあり得る選択の1つになってきた。
「鬼木監督の交代」を主張する人も増えているが今の難しい状況で次の監督にバトンタッチするのはあまり宜しくない。ピークを過ぎた選手も少なくない状況。「次代を担う若手の成長を待つしかない状態」であり、鬼木監督には若手をきちんと育ててから次の監督にバトンを渡すことが期待される。これだけの長期政権になっているので次の監督がやりやすい環境を整えることも鬼木監督の重要な仕事と言える。
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