■ J3の第10節J3の第10節。4勝2敗3分けで勝ち点「15」のFC今治はホームの今治里山スタジアムで同県のライバルである愛媛FCと対戦した。愛媛FCは5勝1敗3分けで勝ち点「18」。FC今治が7位、愛媛FCが2位なのでどちらも昇格争いに参加している。両チームはちょうど1週間前の5月7日(日)に行われた天皇杯の愛媛県予選の決勝でも対戦したがこの時はFC今治が1対0で勝利して本大会への進出を果たした。
ホームのFC今治は「4-1-2-3」。GK伊藤元。DF松本雄、市原、照山、二見。MF三門、山田貴、近藤高。FWマルコス・ヴィニシウス、中川風、安藤一。FWドゥドゥとFWマルコス・ヴィニシウスはともに8節のYS横浜戦(A)でレッドカードを受けて退場。9節は出場停止だった。両選手はともに3ゴールを挙げてチーム内得点王になる。キーパーはGKセランテスが欠場中。GK伊藤元が2試合連続スタメンとなった。
対するアウェイの愛媛FCは「4-2-3-1」。GK辻。DF三原秀、森下怜、小川大、山口竜。MF谷本、矢田、曽根田、佐々木匠、茂木駿。FW松田力。10番のFW松田力はここまで9試合で5ゴールを挙げている。CBは7試合連続スタメン中だったDF大城蛍がベンチスタート。DF森下怜が開幕戦以来のスタメンを飾った。途中出場で結果を残しているFWベン・ダンカンならびにMF行友はベンチから出番を待つことになった。
■ 伊予決戦は3試合を終えて1勝1敗1分けJリーグの舞台では3度目となる伊予決戦となる。昨シーズンは1勝1敗。どちらもホームスタジアムで勝利している。今シーズンはここまでどちらも上位争いに参加しているので「昇格争いのライバルには絶対に負けられない。」というシチュエーションでの試合となったがほぼ互角の展開で進んでいく。シュートチャンスはFC今治の方が多かったが愛媛FCは高確率で得点につながりそうな決定機をいくつか作った。
前半19分に愛媛FCはショートカウンター。MF茂木駿のパスを受けたFW松田力のシュートがネットを揺らしたがオフサイドと判定されてゴールは認められなかった。直後の前半20分にはFC今治のFWマルコス・ヴィニシウス・インディオに決定機が訪れた。前半40分に愛媛FCはFKのチャンスを得るとキッカーのMF茂木駿が距離のある所からシュート。いいコースに飛んで行ったがキーパーが好セーブを見せた。
0対0で迎えた後半はFC今治がセットプレーを中心にチャンスを作った。右ウイングのFWマルコス・ヴィニシウス・インディオがターゲット役になる機会が多かった。やや受け身の展開になった愛媛FCはFWベン・ダンカンなどを投入。攻撃的なポジションの選手を入れ替えたが大きなチャンスは作れなかった。試合は痛み分けのドローだった。これでJリーグの舞台での伊予決戦は3試合を終えて1勝1敗1分けとなった。
■ バチバチしたダービーに発展する可能性今週末のJリーグはダービーマッチがたくさん組まれている。FC今治と愛媛FCもダービーマッチを戦うことになったが「伊予決戦」は大きな可能性を秘めたダービーと言える。当然、Jリーグでの実績や経験値は愛媛FCの方がかなり上になるがここに来てFC今治が急速にクラブ力を上げている。新スタジアムも誕生した。数年以内に所属のカテゴリーやクラブ力でFC今治が愛媛FCを上回っても何らおかしくない。
岡田氏が携わっていることもあって注目度はFC今治の方がはるかに上。拠点とする街は松山市の方がかなり規模は大きいが今治市も街としての存在感はある。「FC今治が台頭してきたことを快く思っていない愛媛FCのサポーター」や「FC今治のことを脅威に感じている愛媛FCのサポーター」は少なくないと思われる。昨今の流行りである友好的なダービーではなくてバチバチしたダービーに発展する可能性はある。
ホームで引き分けたFC今治はここ最近は勝ったり負けたりを繰り返している。波に乗りきれない序盤戦になったが10試合で13得点/13失点。チャンスはたくさん作れているにも関わらず、仕留められないケースは多い。エースストライカーのFW中川風が怪我をしてしばらくプレーできなかったのは痛かったが得点源の1人になることが期待されるFWドゥドゥがここまで3ゴールのみ。ゴール数に関しては期待以下と言える。
伊予決戦で大きな存在感を発揮したのはFWマルコス・ヴィニシウス・インディオだった。決定力が高い選手とは言えないがシュート意識は高くてこの日もたくさんのシュートを放った。得意としている左足のシュートだけでなくヘディングでのシュートが多いのが大きな特徴と言える。176センチなのでJリーガーとしては標準的なサイズになるがとにかく空中戦が強い。ヘディングでの競り合いを得意にしている。
■ 4節以降の6試合ではわずか4失点愛媛FCは開幕戦で敗れた後、無敗が続いている。これで9試合負けなしとなった。順位は2位から3位に後退したがいい位置につけている。開幕戦で岩手を相手に5失点して敗れたときはどうなることかと思われたがその後の9試合でわずか7失点のみ。4節以降の6試合ではわずか4失点となる。この日はDF大城蛍がベンチスタート。DF森下怜が開幕戦以来となるスタメン出場となったが問題は発生しなかった。
キーパーも7節以降は39歳のGK徳重ではなくて25歳のGK辻が起用されているがいいプレーを見せている。昨シーズンまでの通算成績はJ2で11試合、J3で1試合に出場したのみ。キャリアのほとんどをサブキーパーとして過ごしてきたがようやく巡ってきたチャンスを生かしている。187センチの長身。ビルドアップもまずまず出来るキーパーなので後ろからつなごうとする愛媛FCのサッカーに合った選手と言える。
守備の中心になっているのは大卒2年目のDF小川大になる。昨シーズンはJ3で13試合に出場したが今シーズンはここまで10試合すべてでフルタイム出場を続けている。最終ラインの要になっている。昨シーズンの1節と2節は左SBで起用されており、CBとSBの両方をこなせる選手になるが左利きでスピードもある。180センチなのでCBとして考えるとやや小さいが左SBとして考えるとかなりの大型SBになる。
先のとおり、FC今治には負けられない事情がある。仮にFC今治がJ2に昇格して愛媛FCがJ3のままで停滞するようだと愛媛県内での立場などが逆転することも十分に考えられる。愛媛FCの県内での人気や知名度や浸透度などは全く十分ではないことを考えると「FC今治に先を越されること」は何が何でも避けなければいけない。愛媛FCが昇格に失敗してFC今治にJ2昇格を許すようだとクラブとして致命傷になり得る。
★ 現在の投票数 → 116票
→ 最大で10チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2023/01/15 【J3編】 2023年のブレイク候補の若手プレーヤー (1位-10位) (独断と偏見で選んだ)
2023/01/17 【J3編:2023年の順位予想】 14:奈良、15:相模原、16:八戸、17:讃岐、18:福島、19:沼津、20:YS横浜
2023/01/18 【J3編:2023年の順位予想】 7:岐阜、8:琉球、9:北九州、10:鳥取、11:岩手、12:FC大阪、13:宮崎
2023/01/19 【J3編:2023年の順位予想】 1:鹿児島、2:今治、3:愛媛、4:松本山雅、5:長野、6:富山~
2023/01/22 【J3編:補強】 今オフの勝ち組はどこだ!?~充実補強の鹿児島と長野。昇格組の奈良とFC大阪も勝ち組か!?~
2023/02/04 【J3編:順位予想】 2023年の大予想 ~14:奈良、15:相模原、16:八戸、17:讃岐、18:福島、19:沼津、20:YS横浜~
2023/02/05 【J3編:順位予想】 2023年シーズンの大予想 ~7:岐阜、8:琉球、9:北九州、10:鳥取、11:岩手、12:FC大阪、13:宮崎~
2023/02/06 【J3編:順位予想】 2023年シーズンの大予想 ~1:鹿児島、2:今治、3:愛媛、4:松本山雅、5:長野、6:富山~
2023/05/14 【YouTube】 投稿済みの動画 (タイトル一覧へ)
- 関連記事
-