■ J2の第14節J2の第14節。4勝9敗で勝ち点「12」の大宮アルディージャはホームのNACK5スタジアムで徳島ヴォルティスと対戦した。徳島は1勝5敗7分けで勝ち点「10」のみ。大宮が19位、徳島が22位。残留争いに巻き込まれている2チームの対戦となった。ただ、チーム状態は対照的。大宮が5連敗中であるのに対して徳島はここ3試合は負けなし。エンジンがかかってきた。13節はホームで清水と対戦して1対1のドローだった。
ホームの大宮は「4-2-2-2」。GK笠原、DF岡庭、浦上、袴田、茂木力。MF石川俊、小島幹、山崎倫、柴山。FWアンジェロッティ、室井。怪我人が続出している大宮はFW中野誠とMF大澤が欠場中。FWアンジェロッティも怪我で離脱していたが12節の千葉戦(A)で戦列に復帰してきた。柏から期限付き移籍中のFWアンジェロッティは8試合で3ゴールを挙げている。DF茂木力とFW富山が2ゴールを挙げている。
対するアウェイの徳島は「3-1-4-2」。GKホセ・アウレリオ・スアレス。DF森昂大、石尾、安部崇。MF白井永、西野太、西谷和、玄理吾、杉本太。FW柿谷、森海渡。こちらはここ3試合負けなし中。調子が上がって来たこともあってメンバーが定まって来た。ここに来てDF石尾、DF森昂大、MF玄理吾などが主力としてプレーするようになった。元・日本代表のFW柿谷はここまで12試合で3ゴール。チーム内得点王となる。
■ 下位同士の直接対決下位同士の直接対決はアウェイの徳島ペースになった。立ち上がりからボールを支配して攻め込むと前半12分にMF白井永がいいところでボールを受けて前進。右サイドの裏を取ったFW森海渡に絶妙なスルーパスを出すと抜け出したFW森海渡の折り返しをFW柿谷が合わせてアウェイの徳島が先制に成功する。FW柿谷は今シーズン4ゴール目。ここ7試合で4ゴールといよいよ量産体制に入りつつある。
さらに前半21分に左ストッパーのDF安部崇が得意の左足でロングパス。上手くボールを収めたFW森海渡が右足でミドルシュートを放つとこれが豪快に決まって大きな追加点を奪った。前半は2対0で折り返した。2点を追う大宮は後半12分にMF柴山とDF岡庭を下げてMF泉澤とDF貫を投入。中盤と最終ラインのテコ入れを図ったが後半31分にGKホセ・アウレリオ・スアレスのロングキックから徳島が大チャンスを作った。
FW森海渡が胸で落としたボールに反応したFW柿谷が絶妙なタイミングでリターンパス。ボールを受けたFW森海渡がコース隅にシュートを決めてダメ押しの3点目を奪った。3点を追う展開になった大宮は後半36分にCKからこぼれ球をMF泉澤が決めて1点を返したが焼け石に水だった。3対1で完勝した徳島は最下位を脱出した。敗れた大宮は泥沼の6連敗となった。大宮は21位と自動降格圏に転落した。
■ FW森海渡が2ゴール1アシスト!ようやくエンジンがかかってきた徳島はこれで4試合負けなし。20位に浮上してひとまず降格圏を脱出した。下位同士の直接対決だったが攻守に相手を圧倒した。特に前半は徳島が思い通りのサッカーを見せてゴールも奪った。開幕からずっと勝ちがなくていろいろな選手を試したがようやく結果が出るようになってメンバーも固まって来た。当面の間はこの日のスタメン11人が主力として起用されるだろう。
FW柿谷とFW森海渡の2トップがここに来て大爆発している。この日はFW森海渡が2ゴール1アシスト、FW柿谷が1ゴール1アシストを記録した。オフにたくさんのフォワードを獲得して「フォワードが最大の強みの1つ」と言われたが結果につながらず。もどかしいシーズンになっていたが2人の関係性は非常に良くてJ2の中でもトップクラスの2トップと言える。どちらもスピードがあって裏への飛び出しに長けている。
FW森海渡はこれで9試合で3ゴールとなった。期待されながら序盤は結果を出せずに苦しんだが量産体制に入りつつある。柏の時から特大のポテンシャルを秘めた選手として大きな注目と期待を集めたがポテンシャルは並外れたものがある。ポストワークやヘディングはあまり得意ではないが185センチの長身でありながらスピードがあって右足のシュートはパンチ力がある。スピードだけでなくパワーも武器となる。
FW柿谷は4ゴール目。13試合で4ゴール2アシストなのでまずまずのレベルで結果が出ている。こちらは復活が期待されるシーズンだったがとにかくコンディションが良くて切れがある。33歳になったが年齢を感じさせないほどのスピードとキレがある。C大阪時代の末期や名古屋時代と比べてもはるかにコンディションは良さそう。若くて才能ある選手がたくさんいる徳島ではまとめ役としても重要な存在になっている。
■ 日本人中心のメンバー構成ホームで敗れた大宮は泥沼の6連敗となった。8節を終えた時点では4勝4敗。まずまずのスタートを切ったが9節から痛恨の6連敗となった。6連敗中のここ6試合でわずか2得点のみ。心配されていたフォワード陣が結果を残せておらず。14試合を終えて11得点のみとなる。先のとおり、21位に転落したが6連敗となると相馬監督のクビが飛んでも全くおかしくない。次の15節はアウェイの岡山戦となる。
各種のスタッツを見ると「シュート数」と「枠内シュート数」はともにJ2で8位。まずまずのレベルでチャンスを作れているが仕留められない。絶対的なストライカーはいないのでチャンスの数を増やさないといけないが現状はなかなか厳しい。飛躍が期待されたユース出身のMF柴山やMF山崎倫はやや伸び悩んでおり、大卒1年目ながら全14試合に出場しているFW室井もまだリーグ戦は無得点。結果を残せていない。
財政的な問題もあって昨シーズンあたりから日本人中心のメンバー構成で「J1復帰」を目指しているが、やはり、攻撃の中心になれる外国人選手と守備の中心になれる外国人選手がいないと上位争いに参加するのは難しい。MF山崎倫、FW室井、MF高柳郁、MF大澤などがチャンスを与えられているがチーム内で高いレベルの競争が行われているとは言い難い。消去法的な起用法になっている箇所もいくつかある。
3失点を喫した守備陣は簡単に裏を取られる場面が目立ったがボールを持った選手へのプレスがかからないので自由にボールをコントロールされてイージーな状態でパスを出されてしまう。3失点はキーパーからのロングキックだったのでそこに強いプレスをかけるのはなかなか難しいが1失点目はMF白井永、2失点目はDF安部崇に自由を与えてしまった。パサーとしての評価が高い選手をフリーにするのは良くない。
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