■ J1の第13節J1の第13節。2勝5敗5分けで勝ち点「11」。16位の柏レイソルはホームの三協フロンテア柏スタジアムで横浜FCと対戦した。横浜FCは1勝8敗3分けで勝ち点「6」のみ。最下位に位置する。16位の柏 vs 18位の横浜FCという今年のJ1の残留争いの行方を大きく左右するだろう注目の一戦となった。17位のG大阪は1勝7敗4分けで勝ち点「7」。18位の横浜FCは勝てば暫定ながら最下位を脱出することが出来る。
ホームの柏は「4-2-3-1」。GK松本健。DF片山瑛、立田、古賀、三丸。MF椎橋、高嶺、戸嶋祥、マテウス・サヴィオ、小屋松。FW細谷。12試合で8得点のみ。極度の得点力不足に苦しんでいるがFW細谷は12試合で4ゴール、MFマテウス・サヴィオは12試合で3ゴールを挙げている。キーパーはGK松本健が7試合連続スタメンとなった。12節の新潟戦(A)ではビッグセーブを連発するなど勝ち点「1」に大きく貢献した。
対するアウェイの横浜FCは「3-4-2-1」。GKブローダーセン。DF岩武、ンドカ・ボニフェイス、吉野恭。MFユーリ・リマ・ララ、井上潮、近藤友、林幸多郎、伊藤翔、山下諒。FW小川航。ここ最近は3バックを採用しており、DFンドカ・ボニフェイスを中心とした守備陣は整備されてきた。エースのFW小川航は12試合で5ゴールを挙げているがここ6試合無得点。ベテランのMF伊藤翔が今シーズン初スタメンとなった。
■ 「シックス・ポイント・マッチ」を制したのは・・・。大きな注目が集まった「シックス・ポイント・マッチ」はホームの柏ペースで進んでいく。立ち上がりから厚みのある攻撃を見せてチャンスを作り続けた。前半20分にはFW細谷とMFマテウス・サヴィオに連続して決定機が訪れた。さらに前半33分にはMFマテウス・サヴィオに決定機が訪れたがゴールライン上でDFンドカ・ボニフェイスがスーパークリア。柏は圧倒的に攻め込みながらフィニッシュの精度を欠いた。
後半開始から横浜FCはMFユーリ・リマ・ララを下げてMF三田啓を投入。テコ入れを図ったが後半も引き続いて柏ペースになった。後半8分には右サイドから抜け出したMFマテウス・サヴィオに決定機が訪れたがシュートを枠に飛ばすことはできなかった。防戦一方に近かった横浜FCだったが後半22分にカウンター。左WBのMF林幸多郎のクロスが相手の右SBのDF片山瑛のハンドを誘ってPKを獲得する。
FW小川航が落ち着いて決めてアウェイの横浜FCが先制に成功する。FW小川航は今シーズン6ゴール目。6節の福岡戦(H)以来なので久しぶりのゴールとなった。1点を追う柏は後半41分にMFマテウス・サヴィオが右足でミドルシュートを放ったが惜しくもバーに直撃する。柏は21本のシュートを放ったが最後までゴールを奪うことは出来なかった。1対0で勝利した横浜FCはようやくの今シーズン2勝目を挙げた。
■ 暫定ながらG大阪を抜いて17位に浮上下位同士の直接対決を制した横浜FCは暫定ながらG大阪を抜いて17位に浮上した。柏との差も「5」から「2」に縮まるなど価値ある勝ち点「3」を獲得した。先のとおり、防戦一方に近い展開になった。相手のシュート精度の低さにも助けられたがDFンドカ・ボニフェイスを中心とした横浜FCの最終ラインの身体を張った守備も光った。これでここ5試合は2勝2敗1分けとまずまず。ようやく結果が出るようになってきた。
決勝ゴールはPKから生まれたがスピーディーなカウンターからチャンスを作った。MF林幸多郎のクロスが相手のハンドを誘ったが大卒ルーキーのMF林幸多郎は運動量が豊富でサイドを活性化させることが出来る。鳥栖U-18出身で明治大に進学して大卒で横浜FCに加入したが欠かせない戦力になっている。右利きでありながら左WBで起用されているが左足のキック(左足のクロス)の精度もまずまず高い。
PKを冷静に決めたのはFW小川航だったが今シーズン6ゴール目。横浜FCの総得点はここまで「10」なので60%がFW小川航のゴールになる。偏りは気になるが13試合で6ゴールというのはかなりのペースである。しかも、攻撃の回数やチャンスの数が神戸や横浜FMや広島など上位クラブと比較するとはるかに少ない横浜FCでの6ゴールなので価値は高い。マークも厳しい中、しっかりと結果を残している。
今後のキーになるのは2シャドーの2人だろう。この日はMF山下諒とMF伊藤翔が2シャドーの一角でプレーしたがMFカプリーニ、MF小川慶、MF坂本亘、MF新井瑞、MF長谷川竜也なども控えている。怪我で離脱していたMF長谷川竜也もそろそろ戦列に復帰してくると思われるので選択肢は多い。この日はスピードのあるMF山下諒が効果的なプレーを見せた。スピードを生かした突破は相手の脅威になった。
■ 13試合でわずか8得点のみ。敗れた柏もここ3試合は負けなし中。1勝2分けだったが4試合ぶりの敗戦となった。最下位の横浜FCを相手にホームで敗れたので辛い結果になったが先のとおりで21本のシュートを放っている。横浜FCは6本のみ。相手と比較すると3.5倍のシュートを放っており、決定機の数も多かったことを考えると「決定力不足に泣いた試合」と言える。FW細谷やMFマテウス・サヴィオには何度も大チャンスが到来した。
13試合でわずか8得点のみ。当然のことながらリーグワーストの数字になる。FW細谷が4ゴール、MFマテウス・サヴィオが3ゴールを挙げているが2人以外でゴールを決めているのはDF片山瑛のみ。G大阪との開幕戦でゴールを決めているがそれ以降はFW細谷とMFマテウス・サヴィオ以外の選手からゴールは生まれておらず。期待のFWフロートはルヴァン杯では2ゴールを挙げているがJ1では無得点のまま。
横浜FCに敗れたことでネルシーニョ監督に対する批判の声はさらに高まっているがこの試合に関しては「ネルシーニョ監督の問題ではなくて決定力の問題」と言える。攻撃的なポジションの選手起用についても大きなエラーがあったとは思えないことを踏まえると「横浜FC戦を受けてネルシーニョ監督を批判するのはあまり正しくない。」と言える。批判をするにしても、正しいタイミングで批判をしないと説得力は薄れる。
ポジティブな要素を挙げると「失点の少なさ」が挙げられる。今シーズン初勝利を挙げた7節の鹿島戦(H)以降の7試合でわずか5失点。7試合連続で無失点 or 1失点となる。「7試合連続で複数失点の試合がない。」というのは評価できる。トータルの失点数も13試合で16失点のみ。12試合で25失点のG大阪、13試合で30失点の横浜FCと比べるとはるかに少なくて得失点差の面では柏はかなり有利である。
★ 現在の投票数 → 132票
→ 最大で10チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2023/01/03 【J1編】 2023年の展望 (上位編) ~2強が優勝争いの中心。追うのは広島・鹿島・C大阪・FC東京など~
2023/01/03 【J1編】 2023年の展望 (中位編) ~大注目は大型補強のG大阪と鳥栖。監督交代の浦和はどうなる?~
2023/01/05 【J1編】 2023年の展望 (残留争い編) ~降格枠は1。回避したい新潟・横浜FC・神戸・湘南・福岡・京都。~
2023/01/10 【J1編】 2023年の順位予想 ~13:神戸、14:湘南、15:横浜FC、16:新潟、17:福岡、18:京都~
2023/01/10 【J1編】 2023年の順位予想 ~7:浦和、8:柏、9:鳥栖、10:名古屋、11:G大阪、12:札幌~
2023/01/11 【J1編】 2023年の順位予想 ~1:川崎F、2:横浜FM、3:鹿島、4:広島、5:C大阪、6:FC東京~
2023/01/18 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~13:横浜FM、14:新潟、15:福岡、16:川崎F、17:京都、18:神戸~
2023/01/19 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~7:札幌、8:横浜FC、9:柏、10:名古屋、11:浦和、12:広島~
2023/01/20 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~1:G大阪、2:鹿島、3:湘南、4:鳥栖、5:C大阪、6:FC東京~
2023/05/14 【YouTube】 投稿済みの動画 (タイトル一覧へ)
- 関連記事
-