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【岡山×大宮】キレキレのMF田中雄大。鮮やかなトラップから先制ゴール！ | | |　

■　J2の第15節

J2の第15節。4勝1敗9分けで勝ち点「21」のファジアーノ岡山はホームのシティライトスタジアムで大宮アルディージャと対戦した。大宮は4勝10敗0分けで勝ち点「12」。6連敗を喫してついに降格圏となる21位に転落した。「初のJ1昇格」を目指す岡山はここまでJ2最少の1敗のみ。ただ、J2最多の9引き分けなので今シーズンも引き分けの数が多くなっている。2位の大分との差は「7」と少し広がって来た。

ホームの岡山は「4-2-2-2」。GK金山。DF河野諒、ヨルディ・バイス、柳育崇、高木友。MF仙波、輪笠、河井、田中雄。FW櫻川ソロモン、チアゴ・アウベス。U-20W杯のメンバーに選ばれたMF佐野航とFW坂本一はチームを離れてしばらくの間はリーグ戦を欠場することになった。キーパーはGK堀田がベンチ外。ベテランのGK金山が今シーズン初スタメンを飾った。FW櫻川ソロモンは13試合で4ゴールを挙げている。

対するアウェイの大宮は「4-2-2-2」。GK笠原。DF貫、浦上、新里亮、袴田。MF石川俊、小島幹、山崎倫、茂木力。FW室井、アンジェロッティ。14試合で11得点のみ。総得点はいわきFCと並んでJ2でワーストタイとなる。深刻な得点力不足に苦しんでいる中、若手のMF山崎倫やFW室井などがスタメン出場。FWアンジェロッティがチーム最多の3ゴールを挙げている。MF泉澤やMF柴山はベンチスタートとなった。

■　試合は1対1の引き分けに終わった。

9位の岡山は9試合負けなし中ながらその9試合の成績は2勝7分け。勝ち点はなかなか伸びない。一方の大宮は6連敗中。勝利が遠い2チームの対戦となったがホームの岡山がペースを握る展開になった。「4-2-2-2」を採用してSBが主戦場となるMF茂木力を左サイドハーフの位置に上げるなどメンバーと配置を少し入れ替えた大宮だったがほとんどシュートチャンスを作れず。前半の岡山に危ない場面はなかった。

前半終了間際にFWチアゴ・アウベスがエリア内で倒されてPKを獲得。自らキッカーを務めたがキーパーのGK笠原が好セーブを見せた。0対0で迎えた後半になると大宮もシュートチャンスを作るようになったが後半29分に途中出場したボランチのMF本山遥のサイドチェンジのボールを受けたMF田中雄が個人技から見事なシュートを決めて岡山が先制ゴールを奪った。MF田中雄は今シーズン初ゴールとなった。

終盤になると岡山はFWルカオやDF濱田水などを投入。5バック気味の布陣を採用して逃げ切りを図ったが後半50分にキーパーのロングキックから相手のプレスをうまく掻い潜って大宮が疑似カウンターを発動。途中出場したMF柴山のパスを受けた同じく途中出場のFW富山がニアサイドをぶち破って土壇場で1対1の同点に追いついた。試合は1対1の引き分けに終わった。岡山はこれで10試合負けなしとなった。

■　ここ10試合の成績は2勝8分け。

岡山は負けなしが続いているがここ10試合の成績は2勝8分け。10試合で勝ち点「14」というのは満足できる結果とは言えない。獲得した勝ち点は4勝4敗2分けのチームと同じなので昇格を目指すクラブの成績としては不本意と言える。早くも10回目のドローゲームとなったが今シーズンは先制した試合で逃げ切れないケースが目立っている。計9試合で先制ゴールを奪っているがその9試合の成績は4勝5分けとなる。

「先制ゴールを奪った試合の勝率」が5割以下というのは非常に低い。この日は逃げ切るために3バックを採用。DF濱田水、DFヨルディ・バイス、DF柳育崇という3バックは相当に強固と言えるが前からプレスをかけてボールを奪いに行ったところをうまく外されて大宮にカウンターのチャンスを与えた。キーパーからのロングボールをうまくつないだFWアンジェロッティのワンプレーで局面はガラッと変わった。

キーパーに対してもしっかりとプレッシャーはかかっており、GK笠原のキックはやや苦し紛れだった。余裕のある状態ではなかったが難しい状況であるにも関わらず、いいボールがFWアンジェロッティのところに入った。完全にひっくり返されてしまったのでシュートを放ったFW富山はフリーに近い状態だった。FWアンジェロッティを潰しきれずにMF柴山にドリブルで前に運ばれたのは岡山にとっては痛恨だった。

勝ち点「2」を失う形になったが先制ゴールを挙げたMF田中雄はキレキレの状態だった。後半29分に先制ゴールを挙げたが素晴らしいトラップで相手を出し抜いた。ゴールシーン以外にもスピードに乗ったドリブルでチャンスに絡んだが大宮はMF田中雄を止めるのは難しかった。FWチアゴ・アウベスのPK失敗も悔やまれるがここまで2ゴールのみ。彼のゴール数が伸びてこないとJ1に昇格するのは難しい。

■　ひとまず連敗を「6」で止めることに成功

大宮は後半50分に追いついてドロー。ひとまず連敗を「6」で止めることに成功した。7試合勝ちなしとなったが連敗が止まったことはポジティブに考えられる。ただ、21位のままで変わらず。6連敗を喫したことで残留争いに巻き込まれた。今シーズン10回目の引き分けとなる岡山に対して大宮は15試合目にして初の引き分けとなるが今シーズンも中位以下の勝ち点は接近している。勝ち点「1」でも貴重である。

前半は全くチャンスを作れなかったが後半になるとある程度は形を作れるようになった。同点ゴールの場面はラッキーな面もあったが上手く相手のプレスをはがすことに成功。あのような形でMF柴山がボールを持ってドリブルで前進できると大きなチャンスになる。この場面では「右に出す。」、「左に出す。」、「自らシュートを放つ。」という3つの選択肢があったがMF柴山は「右に出す。」という選択をした。

途中出場したFW富山がいい形でボールを受けてシュートチャンスを作ったがニアサイドを豪快に打ち破った。威力のあるシュートだったのでGK金山も反応しきれず。劇的な同点ゴールとなった。大宮はフォワード不足で苦しんでいる。FW河田は鳥栖に移籍をしてFW中野誠は8節から欠場中。台所事情が苦しい中、ベテランがチームを救った。これで3ゴール目。FWアンジェロッティと並んでチーム最多タイとなった。

次節(=16節)は水曜日に行われるが22位と最下位のいわきFC戦(A)になる。21位の大宮 vs 22位のいわきFCなので裏・天王山になる。千葉・山口・山形・徳島などとの差もわずかなので2チームだけ取り残されている状況ではないが絶対に負けられない試合となる。いわきFCも5連敗中。例の甲府戦のサポーターの暴言騒動もあって雰囲気は非常に悪い。勝って流れを変えるのは大宮になるか？いわきFCになるか？

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