■ J1の第10節J1の第10節。3勝5敗1分けで勝ち点「10」の鹿島アントラーズはホームの県立カシマサッカースタジアムでガンバ大阪と対戦した。G大阪はここまで1勝4敗4分けで勝ち点「7」のみ。16位と低迷している。17位の柏は勝ち点「6」、18位の横浜FCは勝ち点「3」。現時点では下位3チームが残留争いの中心に位置する。7節の川崎F戦(H)で今シーズン初勝利を挙げたが9節の横浜FC戦(H)は1対1のドローに終わった。
ホームの鹿島は「4-2-2-2」。GK早川。DF常本、植田直、関川、安西。MF樋口雄、ディエゴ・ピトゥカ、名古、仲間。FW鈴木優、垣田。連敗を「4」で止めた9節の新潟戦(A)でスタメン起用されたFW垣田、MF名古、MF仲間は引き続いてスタメン出場。FW知念、DF昌子などはベンチスタート。MF荒木遼はベンチ外となった。オフにG大阪から鹿島に移籍したDF昌子は古巣対決となるが3試合連続でベンチスタート。
アウェイのG大阪は「4-1-2-3」。GK谷。DF高尾、三浦弦、クォン・ギョンウォン、黒川。MFネタ・ラヴィ、宇佐美、ダワン。FW杉山直、イッサム・ジェバリ、ファン・アラーノ。こちらも昨夏に鹿島からG大阪に移籍したFWファン・アラーノが古巣対決となる。9節の横浜FC戦(H)はコンディション不良で欠場したMF石毛はベンチスタート。MF宇佐美が2試合連続スタメンとなった。横浜FC戦では先制ゴールを挙げた。
■ ホームでは久しぶりとなる勝利!試合はG大阪がボールを保持する展開になったがそこまでチャンスを作れなかった。G大阪は前半38分にMFダワン、前半40分にFWイッサム・ジェバリにチャンスが訪れたが決めることは出来ず。前半はどちらかというと静かな展開になったが0対0で終了した。迎えた後半3分に鹿島が左サイドのCKを獲得するとMF樋口雄のキックからファーサイドでフリーのMF仲間が左足で合わせて鹿島が先制に成功する。
2試合連続スタメンとなったMF仲間は今シーズン初ゴールとなった。さらに後半19分には右SHで起用されているMF名古の正確なクロスからフリーのFW鈴木優がヘディングシュートを決めて大きな追加点を奪った。FW鈴木優は3試合連続ゴール。今シーズン5ゴール目となった。2対0とリードを奪った鹿島は後半41分に途中出場したMF藤井智のパスから同じく途中出場のMF土居聖が合わせて3点目のゴールを奪った。
直後の後半42分にもDF安西のパスからMF土居聖が決めて4点目を奪った。MF土居聖は途中出場で2ゴールを挙げる活躍だった。4対0で大勝した鹿島は2連勝。4勝5敗1分けで勝ち点「13」となった。最下位の横浜FCとの差が「10」まで広がったので残留争いからは抜け出して少し余裕のある状況になった。敗れたG大阪は1勝5敗4分けと低迷中。10試合を終えて獲得した勝ち点は「7」のみ。スタートで躓いた。
■ 救世主になりつつある3人鹿島はこれで2連勝。4節から5試合勝ちなしと苦しんだが2連勝したことで空気は変わった。勝ち点「13」となったが今シーズンの鹿島は昨シーズンの順位が低かったクラブ or 昇格クラブと対戦したときはしっかりと勝ち点「3」を得ている。京都・G大阪には勝利しており、昇格組の横浜FCと新潟にもきっちりと勝利した。逆に昨シーズンの順位が悪くなかった川崎F・横浜FM・広島・柏・神戸などには敗れている。
分かりやすい状況になっているが「前評判はあまり高くなかったチームを相手にしたときは勝ち点「3」を獲得できている点」はポジティブに考えられる。下位相手に勝ち点「3」を獲得できるようだと少なくとも残留争いに巻き込まれることは避けられる。9節の新潟戦(A)からメンバーを少し入れ替えて戦っているがFW垣田、MF名古、MF仲間など序盤戦はチャンスに恵まれなかったサブ組が救世主になっている。
左サイドハーフのMF仲間は先制ゴールをゲット。右サイドハーフで起用されているMF名古は2点目のFW鈴木優のゴールをアシストする活躍を見せた。左右のサイドハーフはMF藤井智、MFアルトゥール・カイキ、MF松村優、MF荒木遼がいるので層は厚いがハードワークのできるMF名古ならびにMF仲間の評価が急上昇中。献身性のある2人がスタメンで起用されるようになって全体のバランスは良くなった。
試合を決める3点目ならびに4点目を奪ったのは途中出場したMF土居聖だったがこちらも序盤は出場機会に恵まれず。ここ3試合は怪我もあってベンチ外だったが復帰戦で結果を残した。ともにシュート技術の高さを感じさせるゴールだった。MF土居聖も30歳を迎えてベテランの域に入りつつあるが隙間でボールを受ける技術は高い。今の鹿島にはあまりいないタイプの選手なので依然として重要な戦力と言える。
■ 「内容も結果もどちらも良くなかった試合」またしても大敗したG大阪は17位に転落した。10節を終えた時点で横浜FCは依然として未勝利となるがG大阪も1勝のみ。「横浜FCがいるから安心できる。」、「横浜FCがいるのでJ1残留はできるだろう。」と言えるのはG大阪と柏以外の15クラブである。G大阪と柏にはそういう余裕はない。4失点を喫して敗れるのは3節の神戸戦(A)、6節の湘南戦(A)に次いで早くも3回目。アウェイでは0勝4敗1分けと苦しんでいる。
守備が崩壊しているわけではないがあっさりと失点するシーンは目立つ。10試合で計22失点というのはさすがに多すぎる。次の10節はホームの大阪ダービーになる。近年のG大阪はライバルのC大阪を大の苦手にしているが難しい状況でダービーを迎えることになった。仮に次のダービーも落とすようだとここまでポヤトス監督を信じてきたサポーターが「解任派」や「懐疑派」に寝返ることも十分に考えられる。
G大阪にとっては大きな一戦になるがこの日は内容が非常に悪かった。同じように4失点して敗れた6節の湘南戦(A)については「スコアこそ、1対4だったが内容は全く悪くなかった。」と評価された。G大阪がやりたいサッカーをある程度のレベルで実行できたがこの日はさっぱり。意図してボールを回してチャンスを作るシーンはほとんどなかった。「内容も結果もどちらも良くなかった試合」と言わざる得ない。
「疑似カウンター」とも言われるが後方からパスをつなぐ中で相手が前に出てきたところをひっくり返してテンポアップして攻め込むシーンはほとんど見られなかった。「キーパーあるいは最終ラインの選手から効果的なキラーパスが出てこない。」というのは今のG大阪の大きな問題点になっている。FWイッサム・ジェバリもこの日は目立たず。アンカーでプレーするMFネタ・ラヴィの高い能力もうまく生かせなかった。
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