■ J2の第9節J2の第9節。3勝5敗で勝ち点「9」のツエーゲン金沢はホームの石川県西部緑地公園陸上競技場でいわきFCと対戦した。昇格1年目のいわきFCはここまで2勝4敗2分けで勝ち点「8」。17位なので初挑戦のJ2でやや苦労している。金沢は開幕4連敗と大きく出遅れたが5節から3連勝して盛り返した。ただ、直近の8節はアウェイで熊本に1対3で敗れて連勝は「3」でストップした。仕切り直しの一戦になった。
ホームの金沢は「4-2-2-2」。GK中野。DF小島雅、黒木謙、庄司、長峰。MF力安、小野原、大石竜、嶋田慎。FW杉浦恭、豊田。「中2日」というタイトなスケジュールになったがターンオーバーを採用してメンバーを大きく入れ替えて総入れ替えとなった。ここまで出番に恵まれない選手を思い切って起用してきた。GK中野、DF黒木謙、MF力安、FW豊田は今シーズン初スタメン。ここまで機会も全くなかった。
アウェイのいわきFCは「4-2-2-2」。GK高木和。DF石田侑、家泉、遠藤凌、辻岡。MF宮本英、山下優、加瀬、永井颯。FW谷村、坂元一。2023年のJ3のMVPのFW有田稜はベンチスタート。ここまで8試合に出場しているが1ゴールのみ。結果を残せていない。報徳学園高出身で高卒ルーキーのFW坂元一がJリーグ初スタメンとなった。野球の名門校として知られる報徳学園高出身のサッカー選手というのは珍しい。
■ 3対0で大勝した金沢は今シーズン4勝目試合は金沢ペースとなった。序盤から試合を優位に進めると前半6分に右SBのDF小島雅の精度の高いクロスからファーサイドでフリーになっていたFW杉浦恭が頭で合わせてホームの金沢が先制に成功する。さらに前半14分にも右SHのMF大石竜の折り返しをFW杉浦恭が合わせて追加点を奪った。その後は2点を追ういわきFCがペースを握ったが移籍後初出場となるGK中野の活躍もあって反撃のゴールを奪えず。
追加点の欲しい金沢は前半37分にも右サイドをパスワークで崩してチャンスを作った。ボランチのMF力安の裏へのパスから裏に抜け出した右SBのDF小島雅が中央にグラウンダーのクロスを入れると右SHのMF大石竜がエリア内で受けて意表を突くヒールパス。フリーになっていたFW杉浦恭が利き足ではない左足で豪快に決めて3点目。34歳のベテランのFW杉浦恭は前半だけでハットトリックを達成する大活躍だった。
3対0で迎えた後半開始からいわきFCはFW坂元一とMF加瀬を下げてFW杉山伶とMF加藤悠を投入。テコ入れを図ると後半はいわきFCがチャンスを作った。ただ、シュート精度を欠いてゴールを奪えない。後半26分には途中出場したFW杉山伶が2枚目のイエローカードを受けて退場。10人になって万事休す。3対0で大勝した金沢は今シーズン4勝目。4勝5敗で勝ち点「12」となった。いわきFCは2勝5敗2分けとなった。
■ 前半のみで3ゴールを記録する大活躍金沢は過密日程ということもあってメンバーを大きく替えたがいわきFCを相手に完勝。スタメンで起用された選手が総じて好プレーを見せたのでポジション争いは激しくなった。いつものメンバー(元のメンバー)もここ最近は結果を残しているので次の試合はいつものメンバー(元のメンバー)がスタメンで起用されると思うが控えに回っている選手もアピールに成功。序列が変わったポジションがあるかもしれない。
ヒーローになったのはハットトリックのFW杉浦恭だったが前半のみで3ゴールを記録する大活躍だった。金沢の選手がJリーグの試合でハットトリックを達成するのは2014年3月29日に行われたY.S.C.C.横浜戦(H)でのFW辻以来。当時はJ3だった。クラブ史上2人目であり、J2に昇格してからは初のハットトリック達成となった。前回のハットトリックは9年ほど前の話。かなり久しぶりにハットトリック達成者が誕生した。
3ゴールともいいポジションを取っていた。特に鮮やかだったのは3点目になる。すでに2ゴールを奪っており、気持ち的な余裕はあったと思うが鮮やかなパスワークで相手の守備陣を翻弄して最後はMF大石竜のヒールパスからFW杉浦恭が左足でゲットした。FW杉浦恭はこれで今シーズン4ゴールとなった。金沢に加入して7年目になるがどのシーズンもコンスタントに活躍しており、2022年も7ゴールを挙げている。
2アシストの活躍を見せたMF大石竜も猛アピールに成功した。オフの補強で2列目の層が厚くなったこともあって7節までは全てベンチ外。8節で初出場を果たして今節が今シーズン初スタメンだったが大きなインパクトは残した。右サイドで起用されたが右SBのDF小島雅との関係性は良好。結局、3つのゴール全てが右サイドから生まれた。先制ゴールをアシストしたDF小島雅のパフォーマンスもこの日は非常に良かった。
■ ドリブルの威力はすでにJ2の中でも上位クラス敗れたいわきFCは今シーズン5敗目。6節から4試合勝ちなしとなった。2022年はJ3で23勝4敗7分け。34試合で72得点/23失点と驚異的な成績を残した。得失点差は何と「+49」。初年度のJ3で圧倒的な強さを見せたので「J2でも上位争いに参加するのでは?」と言われていたがここまで苦戦中。J2の壁にぶち当たっている。9試合で8得点/14失点。これで2試合連続の3失点負けとなった。早くも正念場を迎えている。
スタッツを見ると「ボール支配率」は38.5%のみ。J2で最下位の22位ながら「シュート数」は4位、「ペナルティエリア進入回数」は3位となる。思うように点は取れていないがチャンスは作れている。フィジカルを生かしたシンプルな攻撃は十二分にJ2でも通用していることを考えると「監督を信じて今のサッカーを続けるしかない。」と言える。次の10節は好調の群馬戦(H)となる。流れを変えたい大事な試合になる。
この日は3ゴールともいわきFCの左サイドからチャンスを作られた。不動のレギュラーだったDF日高大が抜けた左SBの人選で大いに苦労しているが8節に続いて2試合連続スタメンだった特別指定選手のDF辻岡は良さを出し切れなかった。2節から6節まではDF江川慶が左SBで起用されたがここ3試合はいずれもベンチ外。1節はDF石田侑、7節はDF嵯峨を左SBで起用しているが「決め手には欠ける。」と言える。
この日は無得点に終わったが大卒2年目のMF永井颯は持ち味であるドリブルで何度も見せ場を作った。2022年はJ3で7試合のみ。そこまで出場機会はなかったが今シーズンは序盤から途中出場でアシストを記録。ここ最近はスタメンで起用されて攻撃の中心になりつつある。スピードがあってドリブルの技術も高い。打開力のあるアタッカーである。ドリブルの威力はすでにJ2の中でも上位クラスと言える。
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