■ J2の第6節J2の第6節。開幕から5試合連続ドローと出遅れた清水エスパルスはホームのIAIスタジアム日本平でザスパクサツ群馬と対戦した。昨季の20位からの巻き返しを図る群馬はここまで1勝2敗2分けで勝ち点「5」となる。J2ながらルヴァン杯に参戦している清水は週末にルヴァン杯の2節が組まれたのでこの日の6節は平日開催となった。ルヴァン杯はここまで1勝1分け。川崎Fや浦和が同居するB組で首位に立っている。
ホームの清水は「4-2-2-2」。GK権田。DF岸本、高橋祐、鈴木義、山原。MFホナウド、白崎、北川航、西澤健。FWチアゴ・サンタナ、ディサロ・燦・シルヴァーノ。基本的なスタメンは変わらず。GK権田、DF高橋祐、DF鈴木義、DF山原、MFホナウド、MF北川航の6人は開幕から6試合連続スタメンとなった。MF乾はベンチ外。MFカルリーニョス・ジュニオ、MF中山克などがベンチスタートとなった。
アウェイの群馬は「4-2-2-2」。GK櫛引。DF岡本一、酒井崇、畑尾、中塩。MF天笠、風間宏希、佐藤亮、川上エドオジョン智慧。FW長倉幹、武。開幕から5試合連続スタメン中だったパリ世代のMF川本梨は対戦相手の清水からの期限付き移籍なので出場不可。同じく開幕から5試合連続スタメンだった元・日本代表のMF細貝はベンチ外。MF風間宏希とMF川上エドオジョン智慧が今シーズン初スタメンとなった。
■ 3対1でアウェイの群馬が勝利平日の夜の試合にも関わらず、8,482人のサポーターが集まった中で行われた試合は前半25分にMF佐藤亮のFKからCBのDF畑尾が合わせてアウェイの群馬が先制に成功する。先制された清水だったが直後の前半29分に左SBのDF山原のシュート性のボールからこぼれ球をFWディサロ・燦・シルヴァーノが押し込んで1対1の同点に追いついた。FWディサロ・燦・シルヴァーノは今シーズン2ゴール目となった。
追いつかれた群馬だったが前半31分にFW長倉幹の突破から最後はMF佐藤亮が得意の左足で決めてすぐさま2対1と勝ち越しに成功する。10番のMF佐藤亮は移籍後初ゴールとなった。1点リードの群馬は後半開始からFW武を下げて長身フォワードのFW平松宗を投入すると後半8分に右サイドのMF佐藤亮の左足のクロスからファーサイドで待っていたFW長倉幹が頭で合わせて大きな追加点を奪った。
FW長倉幹は1ゴール1アシスト、MF佐藤亮は1ゴール2アシストの活躍だった。その後は清水が優勢に試合を進めたが後半47分のMFベンジャミン・コロリのシュートはGK櫛引が好セーブを見せた。3対1で勝利した群馬は今シーズン2勝目。2勝2敗2分けとなった。敗れた清水は今シーズン初黒星。0勝1敗5分けとなった。これで清水は開幕から6試合勝ちなし。「2023年のJ2の大本命」と言われたが大きく出遅れた。
■ FW長倉幹樹が1ゴール1アシストの活躍!群馬にとっては大きな勝利となった。この日はルヴァン杯の影響でJ2の試合は2試合のみ。大きな注目が集まる中で行われた試合だったので「DAZNで視聴した。」という他クラブのサポーターは多かったと思うがそういう中で「大本命」と言われた清水を相手に金星を獲得した。先制した直後に同点ゴールを許したがすぐに勝ち越しに成功。3点目を奪った時間帯も非常に良かった。理想的な試合展開だったと言える。
今シーズンの群馬は若くてサイズのある選手が中心として起用されている。浦和ユースのときに大槻監督の指導を受けた選手がたくさんいるがエースに成長しつつあるFW長倉幹が躍動。1ゴール1アシストの大活躍だった。昨シーズンの夏に群馬に加入して6試合で2ゴール。初年度の2023年は「才能の片鱗を見せた程度」にとどまったがここまで目立った活躍を見せている。若くてスピードがあって技術も高い。
2022年に順天堂大から関東1部の東京ユナイテッドに加入。わずか半年でJ2の群馬への個人昇格を果たしたが「このクラスの選手が大卒でJリーグのクラブには加入できずに関東1部からのスタートになった。」というのは驚きである。関東1部でスタートした選手が順調に這い上がるのはなかなか難しいことを考えると「Jリーグのクラブの目に留まってJリーガーとして活躍できている。」という現状は喜ばしい話である。
MF佐藤亮は1ゴール2アシスト。10番の仕事をすることが出来た。こちらもJ3の北九州で活躍してJ2の群馬への個人昇格を果たしたが正確な左足を武器にこの日の主役になった。守備陣はベテランのDF畑尾を中心に守り切った。左SBにDF中塩を起用していることもあって今シーズンの群馬は最終ラインに高さがある。古巣対決となったGK櫛引の活躍も目立った。群馬はアウェイで最高の試合を見せたと言える。
■ 清水の評価は非常に難しい。逆に敗れた清水は開幕から6試合勝ちなしとなった。ドロー地獄にハマった時に白星で抜け出せるのか?黒星になってしまうのか?で「連続試合ドロー」の意味合いは大きく変わってくるが負けて記録が途切れたことで開幕6試合で勝ち点「5」のみ。首位の町田がすでに勝ち点「16」を獲得していることを考えると大きく出遅れた。次の試合までにゼ・リカルド監督が解任されても何ら不思議はない状況になった。
ただ、ここまでの清水の評価は非常に難しい。各種のスタッツを見ると攻撃に関しては軒並み優秀。支配率は高くてシュート数は多くてチャンス or 決定機の数も多い。FWチアゴ・サンタナやMF北川航など主力がチャンスでシュートを外していることが開幕から6試合未勝利の最大の原因(要因)と言えるが「結果は出ていないが内容自体は悪くない。」、「ゼ・リカルド監督の責任ではない。」という見方も出来る。
過去を振り返ると2011年のFC東京や2013年のG大阪も序盤はやや苦労した。FC東京は開幕7試合は2勝2敗3分け、G大阪も開幕7試合は2勝5分けだった。なかなか勝てなかったが巨大戦力を持つチームは一旦波に乗ることが出来ると大型連勝できる。当の清水もJ2だった2016年は前半戦は大いに苦労したが終盤に破竹の9連勝を達成して自動昇格を勝ち取った。「慌てるような段階ではない。」ということも出来る。
フロントにとっても難しい状況になっているが選手層は厚いのでメンバーを代えることで事態が好転することは十分に考えられる。気になるのは両サイドハーフになる。ここ最近はストライカーのMF北川航を右サイドハーフで起用しているが機能しているとは言い難い。MF中山克、MFカルリーニョス・ジュニオ、MF乾、MF神谷優などがいることを考えるとMF北川航のサイド起用にこだわる必要性はあまり感じない。
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