■ J2の第5節J2の第5節。降格組同士のジュビロ磐田と清水エスパルスがエコパスタジアムで対戦した。J2で静岡ダービーが行われるのは史上初となる。ともに「1年でのJ1復帰」を目指しているが磐田は1勝2敗1分けで15位、清水は開幕から4試合連続ドロー。こちらも14位となる。どちらも4試合を終えて勝ち点「4」のみ。出遅れた2チームの対戦となった。磐田のホームゲームとなるが袋井市にあるエコパ開催となった。
ホームの磐田は「4-2-3-1」。GK梶川。DF鈴木雄、鈴木海、リカルド・グラッサ、松原后。MF針谷、遠藤、ジャーメイン良、金子翔、松本昌。FW後藤啓。開幕から4試合連続スタメンだったFW杉本健はベンチ外。17歳のFW後藤啓がJリーグ初スタメンとなった。岡山との開幕戦では途中出場ながら2ゴールを挙げる衝撃のデビューを飾った。MF金子翔とDF松原后は古巣対決。DF鈴木海は今シーズン初スタメンとなった。
対するアウェイの清水は「4-2-2-2」。GK権田。DF岸本、高橋祐、鈴木義、山原。MF白崎、ホナウド、北川航、西澤健。FWチアゴ・サンタナ、ディサロ・燦・シルヴァーノ。4節の大分戦(H)はベンチスタートだったFWチアゴ・サンタナがスタメンに復帰。FWディサロ・燦・シルヴァーノは4試合連続スタメンとなった。右SHはストライカーのMF北川航が起用されており、MF乾やMF中山克はベンチスタートとなった。
■ 静岡ダービーはドローに・・・。試合は雨が降り続くあいにくのコンディションの中で行われた。22,937人というのはエコパでの静岡ダービーとしては非常に寂しい人数だった。ただ、試合は白熱した展開になった。開始早々の前半2分にMFジャーメイン良の裏へのパスから抜け出した17歳のFW後藤啓がスピードで相手を振り切ってから左足でシュートを決めてホームの磐田が先制に成功する。FW後藤啓は早くも今シーズン3ゴール目となった。
その後は清水ペースになったが前半22分のFWチアゴ・サンタナのヘディングシュートはバーに直撃する。守る展開になった磐田は前半36分にMF松本昌に絶好機が訪れたがキーパーとの1対1の決定機を決められず。逆に前半42分にMF西澤健のパスを受けたFWチアゴ・サンタナが得意の左足でニアサイドを豪快に打ち破って1対1の同点に追いついた。FWチアゴ・サンタナはようやくの今シーズン初ゴールとなった。
後半も清水ペースになったが後半21分に磐田の右SBのDF鈴木雄のクロスからファーサイドで待っていたMF松本昌がヘディングシュートを決めてホームの磐田が2対1と勝ち越しに成功する。逃げ切りたい磐田だったが後半42分にロングボールから最後はFWチアゴ・サンタナに決められて失点。2対2の同点に追いつかれた。試合は痛み分けのドローに終わった。清水は開幕から5試合連続のドローとなった。
■ 悪い流れを払拭したい試合どちらも勝って悪い流れを払拭したい試合だったが勝ち点「1」のみ。悪い流れを振り払うことは出来なかった。ともに勝てるチャンスはあったが磐田は4節の大宮戦(A)に続いて終了間際に失点して勝ち点を取り逃がした。2失点目はロングボールに対応しきれなかった。その前からFWオ・セフンの高さと強さに苦しめられていたがDFリカルド・グラッサが不運にも味方選手と接触して十分なクリアが出来なかった。
何とも悔やまれる失点だったがシュート数は清水は19本だったのに対して磐田は6本のみ。かなり劣勢の展開だった。清水に押し込まれる時間帯が長く続いたことを考えると『勝ち点「1」を獲得できたのは良かった。』とも言える。磐田にとっては評価の分かれる試合になった。前半2分という早い時間帯に先制ゴールを奪えたことも大きく関係しているとは思うが清水を相手にこれだけ攻め込まれたのは宜しくない。
GK梶川などの頑張りもあって勝ち点「1」を獲得できたが内容的には改善の余地がある。5試合を終えて勝ち点「5」なので出遅れてしまったが17歳のFW後藤啓は早くも3ゴール目。まだ高校2年生ながらJ2で結果を残している。191センチなので高さをクローズアップされる機会が多くなっているがスピードがあって裏への飛び出しからチャンスを作っている。ボランチもできる選手なので相当に多彩な選手と言える。
5試合で7得点を奪っているので攻撃陣はそれなりに点が取れているが2列目の3人は攻撃回数が少ない中、それぞれに持ち味を発揮した。MFジャーメイン良はロングパスから先制ゴールをアシストしてトップ下のMF金子翔は持ち味である運動量とテクニックを生かして攻撃の起点になった。左SHのMF松本昌は前半の大チャンスを外してしまったがヘディングで勝ち越しゴールをゲット。汚名返上に成功した。
■ 開幕から5試合連続のドロー・・・。清水はこれで開幕から5試合連続のドローとなった。J2では2004年の水戸が開幕から5試合連続ドローだったがこの年の水戸に次いで2例目。J2タイ記録となった。負けていないという点は評価できるが、やはり、J1に昇格するためには1試合平均の勝ち点は「2.00」くらいは必要である。ということを考えると「負けていない」というよりは「勝てていない。」と評価するのが適切である。磐田と同じく出遅れてしまった。
5試合で3得点/3失点なので点が取れていないがチャンスは作れている。FWチアゴ・サンタナを筆頭に点を取れる選手はたくさんいることを考えると「チャンスはたくさん作れている。」という点はポジティブに考えられる。FWチアゴ・サンタナに今シーズンの初ゴールが生まれたがMF北川航であったり、MF乾であったり、MF西澤健であったり、MFカルリーニョス・ジュニオなどにゴールが生まれると勢いに乗れる。
GK権田、DF鈴木義、DF高橋祐の3人を中心とした守備陣は計算が出来ることも踏まえると「全く慌てるような段階ではない。」と個人的には思うがJ2の中ではどう考えても図抜けた戦力を持っているチームなのでなかなか勝てないことにフラストレーションを溜めている選手やサポーターは多いだろう。J2で圧倒することを期待していた人が現状に不満を述べることでおかしな空気になることは十分に考えられる。
選手層は厚いので次節も何人かの選手を入れ替えてくると思うが右SBのDF岸本は4節の大分戦(H)に続いて多くのチャンスに絡んだ。加入1年目の昨シーズンは10試合のみ。なかなか試合に絡めなかったが見違えるような働きを見せている。ただ、元フォワードということもあって守備には不安を抱えており、DF岸本が上がったスペースを何度か突かれた。右サイドハーフで起用するのがベターなのかもしれない。
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