■ J2の第4節J2の第4節。1勝2敗で15位の大宮アルディージャはホームのNACK5スタジアムでジュビロ磐田と対戦した。大宮は2節の金沢戦(H)で勝利して今シーズン初勝利を飾ったが3節の熊本戦(A)は0対3で大敗した。後半36分にDF浦上がレッドカードを受けて10人になるなど苦しい展開になった。一方、日本代表の横内コーチを監督として招聘した磐田は1勝1敗1分けで10位。3節の山形戦(H)で今シーズン初勝利を挙げた。
ホームの大宮は「4-2-2-2」。GK笠原、DF岡庭、新里亮、袴田、茂木力。MF栗本、小島幹、柴山、高柳郁。FW中野誠、アンジェロッティ。柏から期限付き移籍のFWアンジェロッティは3試合連続スタメンとなった。左サイドハーフは大卒ルーキーのMF高柳郁が起用されている。左SBのDF茂木力ならびにベンチ外となったMF大澤がリーグ戦でゴールを挙げている。FW河田、FW室井などがベンチスタートとなった。
対するアウェイの磐田は「4-2-3-1」。GK梶川。DF鈴木雄、中川創、リカルド・グラッサ、松原后。MF針谷、遠藤、ジャーメイン良、金子翔、ドゥドゥ。FW杉本健。元・日本代表のFW杉本健は4試合連続スタメンとなった。岡山との開幕戦で衝撃の2ゴールを挙げた17歳のFW後藤啓はこの日もベンチスタートとなった。23歳のDF中川創は今シーズン初スタメン。DFリカルド・グラッサとCBコンビを組むことになった。
■ FWアンジェロッティが劇的な決勝ゴール!J1経験の豊富なクラブ同士の対決はアウェイの磐田ペースで進んでいく。厚みのある攻撃を見せて次々にチャンスを作った。前半12分にはFW杉本健、前半15分にはMFドゥドゥが決定機を迎えた。前半30分にもMF金子翔が決定的なシュートを放った。劣勢の展開になった大宮は前半31分にFWアンジェロッティのスルーパスから抜け出した古巣対決のFW中野誠に決定機が訪れたが決めることは出来なかった。
0対0で迎えた後半も磐田ペースになったが前半ほどはチャンスを作れなくなった。逆に大宮は途中出場したFW室井やMF泉澤などが存在感を発揮して後半の半ば以降はチャンスを作れるようになった。先制ゴールの欲しい磐田は若手のFW後藤啓やMF古川陽などを投入。フレッシュなメンバー構成になった。ただ、後半48分にロングボールから抜け出したFW河田を引っ張って倒したDF中川創にレッドカードが提示された。
ここで与えたFKのピンチは何とか防いだが直後の後半49分にMF泉澤が左サイドからクロスを入れるとファーサイドに残っていたDF袴田が頭で折り返したボールをFWアンジェロッティが頭で合わせて土壇場で大宮が先制ゴールを奪った。来日3年目となるFWアンジェロッティは嬉しいJリーグ初ゴールとなった。劇的な形で勝利した大宮は2勝2敗となった。敗れた磐田は1勝2敗1分け。やや出遅れてしまった。
■ 数的優位になった後に決勝ゴール2015年のJ2で激しい昇格争いを繰り広げた両チームの対戦は白熱した展開になったが大宮が後半のアディショナルタイムに劇的なゴールを奪って勝利した。90分を通して考えると磐田の方がたくさんのチャンスを作った。少なく見積もっても5回ほどは決定機を作ったがこの日は大宮のキーパーのGK笠原が大当たり。前半15分のMFドゥドゥのシュートなど「決まっていてもおかしくないシュート」をいくつか防いだ。
昨シーズンの大宮はキーパーで苦労した。ベテランのGK南が大怪我をして長期離脱。控えのGK上田智も怪我で長期離脱した。緊急獲得したGK志村が途中から正キーパーを務めて26試合に出場したがキーパーについては計算外の出来事が多かった。GK笠原も2022年は期限付き移籍先の長崎で出番に恵まれずに8試合の出場にとどまったがJ2で実績のある大型キーパーが最後尾にいると安心感は生まれる。
劇的な決勝ゴールを決めてヒーローになったのはFWアンジェロッティだったが柏から大宮に期限付き移籍して躍動している。柏での2年間は計23試合のみ。0ゴール0アシストと結果を出せなかったが大宮では2トップの一角で起用されて大きな存在感を発揮している。185センチのサイズならびにテクニックを生かして前線でしっかりとボールを収めており、攻撃の起点としても貢献中。素晴らしいプレーを見せている。
決勝ゴールの場面は相手に退場者が出て数的優位の状況だったがCBのDF袴田がスローインになっても後方には戻らずに空中戦を競ったのが良かった。浜松開誠館高の同級生となるDF松原后との競り合いになったがしっかりと競り勝ってアシスト。DF袴田にとっても磐田は古巣となるが恩返しのアシストを記録した。昨シーズンは途中加入ながら14試合で4ゴールと大活躍したが大宮では多くのゴールに絡んでいる。
■ 再三の決定機を生かせず・・・。敗れた磐田は圧倒的に攻め込みながら決定力を欠いた。先のとおり、決定機は5回以上あった。FW杉本健、MFドゥドゥ、MF金子大にはそれぞれビッグチャンスが訪れた。攻撃のリズムは良くて流れも良かったので内容的には悲観する必要は全くないがシュートが決まらないと勝ち点にはつながらない。勝てた試合だったことを考えると悔いの残る試合になった。これで1勝2敗1分け。4試合で勝ち点「4」となった。
FW杉本健やMFジャーメイン良などは決定力の高い選手ではない。「チャンスの数を増やす。」というのも大事になってくるがFW杉本健のシュートがなかなか決まらない。昨シーズンはPKでの1ゴールのみに終わった。前線で起点となる働きはこなしているがストライカーなのである程度以上のレベルで点を取らないと評価はされない。ゴール前のチャンスに顔を出せているが最後のシュートが決まらない。
C大阪時代の2017年にJ1で22ゴールを挙げた実績がある。実績のある選手なので流れの中から1つゴールが生まれると気持ちが楽になってゴール数を積み上げていくことも考えられるが肝心の1stゴールがなかなか決まらない。当然、「あの選手にボールを渡せば決めてくれる。」という期待感を醸し出すことが出来ないようだと味方からいいボールは来なくなる。磐田に加入して2年目となるが悪循環に陥りつつある。
後半のアディショナルタイムにDF中川創がレッドカードを受けて退場。10人になったがレッドカードの判定自体は妥当だった。処理するのは難しいボールだったがFW河田への対応が後手に回ったDF中川創ががっつりとユニフォームを引っ張っている。ただ、0対0というスコアならびに残り時間(あと数分のみ)を考えると「退場覚悟で決定機を阻止すべきシーン」だったのでDF中川創の判断も全く間違いではなかった。
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